いまさらですが、「カールじいさんの空飛ぶ家」(原題は「Up」)を観た。
映画はそろそろ終わっちゃうんだけど、シネマート六本木っていう、六本木に住んでいたときでさえ知らなかった映画館があって、そこで上映されていた。
かなり空いていて、お客さんが10人くらいしかいなくて、普通に驚く。
ピカデリー新宿に行ったときは満員で入れなかったのにー。
シネマート六本木は、確かに場所柄がよくない。
朝行ったら、夜の店のゴミが道に散乱し、カラスがたかり、なんか世紀末の情景!
雑踏の中に突然現れるのです。きっと、六本木ヒルズにお客をとられているのだろうなぁ。そもそも、六本木ヒルズ自体がいつ行ってもお客さんが少なくて、大丈夫かなぁと思っちゃいますが。
・・・・・・・・
まあ、そんな与太話はさておき。
「カールじいさんの空飛ぶ家」は感動しました。
いろんなとこで涙腺が緩んでしまった。かなり泣けた。
エンドロールは、余韻を感じつつ呆然と見てしまった。
映画で見れない人は、是非ともDVDで見てほしい。すごくいい映画。
ディズニーアニメだけあって、ユーモアも面白い。
笑いって、あるリズムを打ちますよね。
緊張を緩和させて、集中力を持続させるのに役立つ。
アニメーションとしてのクオリティーの高さにも驚いた!
自然の描写とか、滝とか、ものすごくリアル。
時々、実物と見分けつかないリアルさを感じる。
動きも滑らかで素晴らしく、ここまでCGは進歩したのかと。
まず、そういう技術的な面でも感動。
次に、内容がよかったー。
あれだけ真正面から「老い」というものをテーマに選んでいることにも驚く。
あのアニメを、小学生のときに見ると、冒険活劇っぽく見るかもしれない。
ただ、自分のように30歳くらいが観ると、自分の両親や祖父母を想像しつつ、そこに自分の未来像を重ねつつ、観てしまう。
老いが持つ、どことないかなしさ、それは生命体自体が持つ有限性へのかなしさのような、そんなものが濃厚に感じられる。
そして、その老いと連関する記憶や思い出というものにも思いを馳せる。
人それぞれに記憶があり、思い出がある。
思い出は、きっと なくならない。
かなしみもよろこびも、地層のように重なる。
その感情の層構造は、その人の厚みとなり、深みとなり、その人の優しさや慈しみを生む土壌となるんだと思う。
記憶や思い出は、その人を成り立たせるすごく大事なものなのだけど、そこに縛られ過ぎると、そこで時間が固定化していく危うさがある。
時計の針が動かないと、生きていても死人のようになってしまう。
そこから、何かをきっかけにして新たな一歩を踏み出すこと。
そんな再生や再出発の大事さ。
・・・・・・・・・
すごく奥深い映画だった。
自分が年取って70くらいになったら、是非もう一回みたいと思った。
その前に、70歳まで生きてないといけないけど。
とにかく、すごくいい映画です。
僕らの親の世代が見ても、きっとグッとくる映画だし、子供からお年寄りまで楽しめる、素晴らしい映画。
最近はいい映画に当たってる気がするわー。
///////////////////
追記。
『カールじいさんの空飛ぶ家』の原題は、「UP」なんですよね。
辞書で調べると、
*****************
up
【名】
・上り、上昇
・元気、幸せ
【形】
・上に向かう、上への
・目覚めている、起きている
・〔時間が〕過ぎて、切れて、終わりで
・〔出来事が〕起きている
【自動】
上昇する
【他動】
~を上げる、上昇させる
【前】
~の上方へ
【副】
上方へ、上って、上へ、上に、直立して、起きて、北へ、近づいて、起こって、進行中で
*****************
Upは、上に空へと上昇する意味もあるけれど、
何かが進行中で、何かが起きているって意味もある。
確かになー。
映画はそろそろ終わっちゃうんだけど、シネマート六本木っていう、六本木に住んでいたときでさえ知らなかった映画館があって、そこで上映されていた。
かなり空いていて、お客さんが10人くらいしかいなくて、普通に驚く。
ピカデリー新宿に行ったときは満員で入れなかったのにー。
シネマート六本木は、確かに場所柄がよくない。
朝行ったら、夜の店のゴミが道に散乱し、カラスがたかり、なんか世紀末の情景!
雑踏の中に突然現れるのです。きっと、六本木ヒルズにお客をとられているのだろうなぁ。そもそも、六本木ヒルズ自体がいつ行ってもお客さんが少なくて、大丈夫かなぁと思っちゃいますが。
・・・・・・・・
まあ、そんな与太話はさておき。
「カールじいさんの空飛ぶ家」は感動しました。
いろんなとこで涙腺が緩んでしまった。かなり泣けた。
エンドロールは、余韻を感じつつ呆然と見てしまった。
映画で見れない人は、是非ともDVDで見てほしい。すごくいい映画。
ディズニーアニメだけあって、ユーモアも面白い。
笑いって、あるリズムを打ちますよね。
緊張を緩和させて、集中力を持続させるのに役立つ。
アニメーションとしてのクオリティーの高さにも驚いた!
自然の描写とか、滝とか、ものすごくリアル。
時々、実物と見分けつかないリアルさを感じる。
動きも滑らかで素晴らしく、ここまでCGは進歩したのかと。
まず、そういう技術的な面でも感動。
次に、内容がよかったー。
あれだけ真正面から「老い」というものをテーマに選んでいることにも驚く。
あのアニメを、小学生のときに見ると、冒険活劇っぽく見るかもしれない。
ただ、自分のように30歳くらいが観ると、自分の両親や祖父母を想像しつつ、そこに自分の未来像を重ねつつ、観てしまう。
老いが持つ、どことないかなしさ、それは生命体自体が持つ有限性へのかなしさのような、そんなものが濃厚に感じられる。
そして、その老いと連関する記憶や思い出というものにも思いを馳せる。
人それぞれに記憶があり、思い出がある。
思い出は、きっと なくならない。
かなしみもよろこびも、地層のように重なる。
その感情の層構造は、その人の厚みとなり、深みとなり、その人の優しさや慈しみを生む土壌となるんだと思う。
記憶や思い出は、その人を成り立たせるすごく大事なものなのだけど、そこに縛られ過ぎると、そこで時間が固定化していく危うさがある。
時計の針が動かないと、生きていても死人のようになってしまう。
そこから、何かをきっかけにして新たな一歩を踏み出すこと。
そんな再生や再出発の大事さ。
・・・・・・・・・
すごく奥深い映画だった。
自分が年取って70くらいになったら、是非もう一回みたいと思った。
その前に、70歳まで生きてないといけないけど。
とにかく、すごくいい映画です。
僕らの親の世代が見ても、きっとグッとくる映画だし、子供からお年寄りまで楽しめる、素晴らしい映画。
最近はいい映画に当たってる気がするわー。
///////////////////
追記。
『カールじいさんの空飛ぶ家』の原題は、「UP」なんですよね。
辞書で調べると、
*****************
up
【名】
・上り、上昇
・元気、幸せ
【形】
・上に向かう、上への
・目覚めている、起きている
・〔時間が〕過ぎて、切れて、終わりで
・〔出来事が〕起きている
【自動】
上昇する
【他動】
~を上げる、上昇させる
【前】
~の上方へ
【副】
上方へ、上って、上へ、上に、直立して、起きて、北へ、近づいて、起こって、進行中で
*****************
Upは、上に空へと上昇する意味もあるけれど、
何かが進行中で、何かが起きているって意味もある。
確かになー。
物語の中に普通のおじいさんが出てきて、普通なら身体の機能が低下しているところは、普通に描かれていて、リアルでした。
なんでもスーパーマンより、等身大の物語の日常にある愛情から派生した展開にぼくも感動した!
素直に良い映画だと思った。
ディズニー、ピクサーやっぱりすごいなー。
これからの先進国が、成熟していくには
「老い」や「死」を
肯定的に捉えられる物語が
たくさん必要なんでしょうね。
学園ものとかは成長期の物語をたくさん提供してくれたけど、
(見田『現代社会の理論』も言うように、)永遠に成長するとすれば、それは奇形であると。成長の次の、精神的な成熟、世界に対するあきらめの構え、喪失との向き合い方など…、学ぶことという点では尽きることなくありますなー。
飛行機で見れるって運がいい!
これ見てる間に飛行機ついちゃったら、ほんと最高の時間だー。
アニメの虚構やファンタジーの世界と、現実世界とがいい塩梅でミックスされてるのよね。
アニメだからっていう安心感とか、なんでもありな世界観があって、その中にリアルな現実を思い起こさせる何かがフンダンに散りばめられていて。
ユーモアもいい感じだよねー。手塚治虫のユーモアも好きだけど、それに似た感じの、思わず笑っちゃう感じ。
>>>>>>>>Isくん
ディズニー、ピクサー、やっぱりすごいよね。王者の誇りとか底力を感じる。
「老い」や「死」を肯定的に捉えられる物語。
そうだと思うなー。
人間の生老病死の自然のプロセスを、都市はじょじょに排除した歴史があって。
でも、老いや死を否定的にとらえるってのは、結局は未来を絶望ととらえることになるし、未来に夢が持てないってことにつながる。
成長の限界。永遠に遠く高く飛び続けるわけではなくて。
そんな「老い」とか「死」を、正面に据えながら、エンターテイメントに仕上げてる技には脱帽!