日常

「半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義」

2013-08-28 22:23:35 | 
お二人の対談本、「半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義」(文春ジブリ文庫)文藝春秋 (2013/8/6)を読みました。

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<内容紹介>
世界の宮崎駿×歴史探偵・半藤一利が語り尽くす!

『崖の上のポニョ』ぶりの宮崎駿作品として話題を集める『風立ちぬ』の主人公は、ゼロ戦設計士・堀越二郎がモデル。
世界の宮崎駿が書生となって、敬愛する半藤一利と語り下ろす。

<内容(「BOOK」データベースより)>
宮崎駿監督が「かねてからお目にかかりたかった」という昭和の語り部・半藤一利さん。
「漱石好き」という共通点からふたりはたちまち意気投合。
宮崎作品最新作『風立ちぬ』で描かれる昭和史をたどりつつ、持たざる国・日本の行く末を思料する
―7時間余にわたってくり広げられた貴重な対談を完全収録した、オリジナル作品。
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古い知り合いの編集者石田さんが本の編集をされたと聞き、早速読みました。


居酒屋か何かで、聞こうと思わなくてもふたりの頑固親父の話が大きな声なので思わず聞こえてくる、っていう感じで、面白かった。


お二人とも、日本が戦後に焼け野が原になったときも含めてよくご存知なので、東京の自然のことをよく記憶している。細かいディテールの知識がすごかった。

「風立ちぬ」の映画では関東大震災のシーンが印象的な形で出てくる。(映画で「上野広小路」とかの地名が出てきた。今の家と近くて驚いた!)
そんな関東大震災にまつわるいろんな話も対談では色々と興味深かった。
(そういえば、野口整体の創始者、野口晴哉先生は、関東大震災時に死傷者を「手当て」で治し、自分の能力に目覚めたのだったと記憶している。天変地異のときは、いろんな隠されたものが表に露呈してしまうのだろう。まるで人間が隠したものを自然そのものが調和させる自浄作用のように。)



宮崎駿さんが、あそこまで漱石のことを好きだとはしらなかった。
漱石作品をちゃんとした形で読んでないので、今度まとめ読みしてみようと決意。
(そういうことを決意するたび、本職の仕事が遅れに遅れて困る・・。あと、堀辰雄さんも読みたい。)




この対談本は、映画そのもののことを語ると言うより、映画の背景にあった膨大なモヤモヤした思いが素朴に出ていると思った。

お二人とも本音で生きる頑固一徹親父、という感じだった。
本音を語る親父の存在は大事だ。そういう意味での父性が求められている。父性と母性のバランス。
(よく居酒屋のトイレにも「親父の小言」っていう格言貼ってありますよね。もしくはあいだみつをさん。どちらも、グッときます。)


今は、互いが互いの気を使いすぎて、素直に素朴に率直に言葉を交わし合う機会がすくなっていると思う。残念なことだ。
そんなフラストレーションを、ネット世界で発散している人も多いような。おそらく、そういうのを求めているからだろう。
素直に出せないからいびつな形にならざるを得ない。そういう思いでネット世界を観察する。


まあ、なんでも自分に嘘をつかずに素直で率直であるのが一番健康的です。
抑圧すのは心の調和に良くない。新しいフレッシュな感情でスパッと外に出せば、言われた方も言う方も気分爽快で浄化される、ってものです。(逆に、古い感情をネチネチ出し続けると、互いがうつうつと病的になる・・・)

そんなフレッシュで率直な生き方を体現しているお二人だからこそ説得力あり。対談が小気味よい。読んでて楽しかったです。




本書より
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宮崎駿
『そのときぼくは、「こういう人が堀辰雄の愛読者だったのではないか」と思いました。
自分がいちばん美しかった時を、時代のせいで失ってしまった人たち。』
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宮崎駿
『不安なときは楽天的になって、みんなが楽天的なときは不安になれ』
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(この本とはまったく関係ないんですけど・・。ふと思い出したもので。(^^;)

親父の小言(By.居酒屋のトイレなど)

火は粗末にするな
朝きげんよくしろ
神仏をよく拝ませ
不浄を見るな
人には腹を立てるな
身の出世を願へ
人に馬鹿にされていよ
年寄りをいたわれ
恩は遠くから隠せ
万事油断するな
女房のいうこと半分
子のいうこと八九はきくな
家業は精を出せ
何事もかまわずしろ
たんと儲けてつかへ
借りては使うな
人には貸してやれ
女郎を買うな
女房を早く持て
難渋な人にほどこせ
生き物を殺すな
年忌法事をしろ
義理は必ず欠くな
ばくちは決して打つな
大酒は呑むな
大めしを喰うな
判事はきつく断れ
世話焼になるな
貧乏を苦にするな
火事の覚悟をしておけ
風吹きに遠出するな
水はたやさぬようにしろ
塩もたやすな
戸締まりに気をつけろ
怪我と災は恥と思へ
物を拾わば身につけるな
小商ものを値切るな
何事も身分相応にしろ
産前産後を大切に
小便は小便所へしろ
泣きごとは必ず云うな
病気は仰山にしろ
人の苦労を助けてやれ
不吉は云うべからず
家内は笑ふて暮らせ

4 コメント

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関係ないことですみません。 (スー)
2013-08-30 21:27:46
馬場と猪木もしたたかわば
時期はハンセンが全日に移籍したころ。
どう思いますか?
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Unknown (いなば)
2013-09-01 20:07:36
そうですね。歴史にもし、はないのでなんとも言えないところではありますが、僕は結局闘わなかったと思います。無効試合とかノ―コンテストとか、直前で病気になる、怪我をするとか、、どういう理由でもありえますし、そういう結末になったのではないかと思います。ふたりは歴史的にもあくまでもすれ違う存在であったと思います。
ある現実が起こり得ない組み合わせや配合、というものが、どうも歴史的に存在するように思うことが多いです。
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Unknown (スー)
2013-09-01 21:07:51
そのようなコメントが来るとは思いもしませんでした。
私は馬場だと思ってます。
当時は猪木の大ファンでしたが・・・
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Unknown (いなば)
2013-09-03 19:06:48
馬場さんは強いですよね。玄人好みというか。
猪木はまさにスターです。でも、もちろん強い。ゴムまりのように体が柔らかいので、プロレス寿命も長かったんだと思います。どちらも日本プロレスの基礎を創った偉人。大尊敬しています。宮崎駿さんも、アニメ界の巨匠で偉人。ほんとうに偉大な人が多いです。爪の垢を煎じて飲みたいです。
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