観測にまつわる問題

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タクシン氏の来日

2011-08-23 23:23:31 | 注目情報
犠牲者に弔意 来日中のタクシン元首相、復興支援に意欲(MSN産経ニュース 国際 写真 2011.8.23 12:35)

復興支援はいいのだが・・・これはない

タクシン氏と言えばタイ政争の中心人物。今は亡命生活で、例えばウィキペディア(2011-08-23 23:45「タクシン」)によると・・・

>2006年9月20日、滞在していたニューヨークからロンドンに移動したが、事実上の亡命とみられる。その後、2008年11月8日に英国政府がビザの停止を発表。NHKが2009年3月にドキュメンタリー「沸騰都市」で行った電話インタビューでは「所在を転々としている」と明かしていた。

>2010年4月の報道では、南東欧モンテネグロの国籍を取得し、同国に滞在中と報じられている。また、その後の報道では中米ニカラグアの国籍を取得したとも報じられている。2011年3月の報道では、反独裁民主戦線(UDD)が19日に行った反政府デモの最中に国際電話で「ヨーロッパの寒い国にいる」と話したと報じられている。

勿論、反タクシン派は抗議するわけで・・・

タクシン氏訪日に抗議、日本大使館前で集会(2011年8月19日00時49分 読売新聞

>タイのタクシン元首相の訪日に反対する反タクシン派市民グループ約100人が18日、バンコクの日本大使館前で1時間にわたって抗議集会を開いた。

>グループは「タクシンをタイに送り返し、法の裁きを受けさせよ」とする声明を大使館職員に渡した。

>野党・民主党は同日、スラポン新外相が海外逃亡中のタクシン氏のビザ発給を日本側に働きかけたとして、外相を刑法違反で警察に告発した。

これだけ政争の渦中にある人物を民主党政権は来日させただけではなく、復興のためとは言え、記者会見までさせているわけで、何故ここまで政争に関与するようなことをしなければならないのか理解できない。先のウィキペディア記事によると・・・

>2011年8月15日、日本の枝野幸男官房長官(当時)は記者会見でタクシンに対して入国査証(ビザ)を発給したことを明らかにした。日本の出入国管理法では前科のある人間の入国を認めておらず、タクシンもその対象とされていたが、タイ政府と良好な関係を築きたい日本政府の配慮から、特例措置として入国が認められることになった。

インラック(タクシン氏の妹)政権が誕生したから、タイ政府と友好を深める、野党や裁判所などどうでも良いと考えているようにしか見えない。日本でそんな態度を見せれば袋叩きにあうと思うが、外国相手ならそんな考えでもいいというのだろうか。特に裁判所の判決は尊重すべきで、こういう裁判所軽視の発想の政権は危ないと思う。野党軽視も安易に行なってはならず(彼らが政権復帰したらどうするのか、タイ政府との友好関係が損なわれることは疑いない)、こういう政権さえ取れば、野党なぞどうでもいいというような発想があるとすれば、民主党政権の苦境は自業自得と言える

タクシン氏を入国させるなら、タイの法が許してからにすればいいし、正当な首相であるインラック氏が来日するなら歓迎できるが、タクシン氏を特例で入国させるだけの説得力ある理由(大義)はないと考える。寧ろ、タイの政争に安易に関与し、法軽視・野党軽視であるかのような姿勢を見せてしまったことは、日本にとっても民主党にとってもマイナスではないだろうか。

フェミニズムに近いと見られる民主党(夫婦別姓法案に熱心だったことは記憶に新しい・民主党の選挙を支える左派運動家はフェミニズムに近い)が、まさか女性首相を厚遇するためにこのような外交を行なったとすれば、問題だ。女性の地位向上はいいのだが、そんなにしてまで(タイの政争に手をつっこんでまで)やりたいのならば、自分のところですればいい。丁度菅首相がお辞めになるのだから。

(裁判所軽視など)国内問題なら出来ないことでも、外国相手なら別にいいと思っているとしたら、大間違いだと思う。国内問題なら、文脈によっては理解されることでも、外国人がどう受け取るかは分らない。当然慎重であるべきだろう・・・ホントどうしてこういうことをするかねぇ。まるで日本がタイの法・政治などどうでも良い、勝った奴に媚びとけば大丈夫と考えているかのようだ。こんなやり方(外交)は見てられないと思い、記事にした次第。