北朝鮮「非核化」の限りなく高いハードル(読売 深読みチャンネル 2018年03月17日 05時20分 龍谷大学教授 李相哲)
>――予定通り米朝首脳会談が開かれたとすれば、北朝鮮は非核化の見返りに何を求めてくると思うか。
>「金正恩氏が本気で『非核化』を考えているとすれば、理由はただ一つ。今のような制裁の下では、政権は長く持たないことに気付いたからだろう。
非核化を全く考えていないとは考えたくないですね。非核化を決断することも有り得ると考え道筋をつけていくしかありません。
金正恩は経済を立て直したとも言われますし、それが逆行するのは政権の安定性を考えると非常に不味いんじゃないかと思いますね。
北朝鮮を経済的に支えているのは中国ですが、中国との関係は非常に悪いと言われ、我々と交渉する以外に現状を打開する方法があるようには見えません。
>他に理由があるとすれば、妹の金与正キムヨジョン氏(朝鮮労働党中央委員会第1副部長)が『兄を説得した』可能性も考えられる。平昌ピョンチャン五輪の時に韓国を見て回り、政府高官と話をした後で、与正氏は北朝鮮も変わる必要があると感じたとしても不思議ではない。それを率直に進言したとも考えられる。
金正恩がどの程度金与正氏(身内)を信用しているか分かりませんけれども、その報告が役に立った可能性はあるかもしれませんね。中国もロシアもオリンピックは開いていますし、そういう方向性に向かえばいいと思いますが、こればかりは北朝鮮次第です。少なくとも核開発を続ける路線で韓国のようにオリンピックが開けるような国になると考えない方が良いと思います。
>正恩氏が仮に『非核化』に向けて行動する決心をしたとすれば、見返りは当然、制裁解除、経済支援だ。今、北朝鮮の国内事情はとても良くないという。北朝鮮の人民生活を支えている『チャンマダン』(自由市場)における米の値段(北朝鮮における物価のバロメーター)は、数か月前に比べて2倍に跳ね上がったという。制裁が続けば今後、経済事情はさらに悪化することが予想される。
やはり制裁は効果を発揮しているようですね。北朝鮮がここに来て行動を変化させたのには理由があると思います。北朝鮮がこれ以上の悪化が困ると思うのであれば、できるだけ早く話し合いを決断するか、今も動いているという核工場を停止するなど何らかの動きを見せるのではないでしょうか?何も動きを見せないというのは、まだ余裕がある証拠だと思います。
>正恩氏はそうなる前に先手を打つ必要があった。そのためには、話し合いの雰囲気を作り、まずは、韓国が独自制裁を解除し、『人道目的』の支援や経済交流ができるようにする。そのような環境作りが当面の目標ではないか。
こちらが先にカードを切る意味が分かりませんね。この対立で困っているのは北朝鮮なのですから、北朝鮮が先にカードを切るしかありません。別に我々は対話のための対話を望んでいる訳ではありません。北朝鮮が我々と本気で交渉する気になることを求めている訳です。我々は北朝鮮に騙されてきたと認識しています。今度は本気であるとまず北朝鮮が見せることです。
後、核だけでなくICBMの開発も十分凍結させる必要があります。核だけ止めてICBM開発はドンドン進み、気が変わって止めたで、核開発再開なんてシナリオに我々が騙されると1ミリでも考えるべきではありません。
完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄まで日米韓全て1ミリも譲歩しないとまでは言いませんが(核放棄を話し合う金正恩のやり方を日米韓国際社会が認めていることぐらいは示さないと、交渉相手が潰れてしまう可能性があります)、期待される譲歩は1センチぐらいに考えた方がいいと思います。融和ムードができるのは、北朝鮮が完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄を実行した後以外に有り得ません。先に融和ムードをつくって北朝鮮が完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄を実行すると考えるべきではないからです。北朝鮮は融和ムードを日米韓国際社会の弱腰と見て密かに核開発の決心を再確認するはずです。
>正恩氏は、国内状況や彼が置かれている立場から考えて、今すぐ核を放棄するわけにはいかない。一方で、このまま突っ走るわけにもいかない。これに限界があることははっきりしている。非核化の意思があることを表明しつつ、時間をかけて国際社会から最大限の譲歩を引き出し、体制が安全だと確認されれば、その段階で初めて非核化もありうると考えているのではないか。トランプ大統領や国際社会が考えているように、すぐに核放棄に踏み切るのは難しい」
北朝鮮がそう考えているとしても、それでは話が進みませんね。北朝鮮のならず者ぶりは今に始まったことではありません。北朝鮮は自分のやったことを問題ないと考えているのか、自分のやったことを忘れているのか定かではありませんが、我々は怒り心頭です。北朝鮮が我々こそ怒っていると主張したところで、そんなことは関係ありません。とにかく、具体的な行動を示せ、話し合いに出て来い、これ以上の開発は止めろ、言うことを聞かないなら、悪行に対して罰を与える、それだけの話です。
トランプ大統領や国際社会がすぐに核放棄に踏み切ると考えているというのも、何を言ってるのか全く分かりません。北朝鮮では時の流れが100倍遅いとでも言うのでしょうか?それならそれで核兵器もICBMも開発できそうにもありませんから、大歓迎しますが、武器開発や犯罪だけ素早く実行できる国などあるはずもありません。李相哲教授が騙されているのか良く分かりませんが、我々が騙される可能性は全くないと考えるべきです。我々を騙そうと考えれば考えるほど状況は悪化すること確実ですから、我々を騙すことを諦めることの方が賢いことを悟るべきだと思います。
>――予定通り米朝首脳会談が開かれたとすれば、北朝鮮は非核化の見返りに何を求めてくると思うか。
>「金正恩氏が本気で『非核化』を考えているとすれば、理由はただ一つ。今のような制裁の下では、政権は長く持たないことに気付いたからだろう。
非核化を全く考えていないとは考えたくないですね。非核化を決断することも有り得ると考え道筋をつけていくしかありません。
金正恩は経済を立て直したとも言われますし、それが逆行するのは政権の安定性を考えると非常に不味いんじゃないかと思いますね。
北朝鮮を経済的に支えているのは中国ですが、中国との関係は非常に悪いと言われ、我々と交渉する以外に現状を打開する方法があるようには見えません。
>他に理由があるとすれば、妹の金与正キムヨジョン氏(朝鮮労働党中央委員会第1副部長)が『兄を説得した』可能性も考えられる。平昌ピョンチャン五輪の時に韓国を見て回り、政府高官と話をした後で、与正氏は北朝鮮も変わる必要があると感じたとしても不思議ではない。それを率直に進言したとも考えられる。
金正恩がどの程度金与正氏(身内)を信用しているか分かりませんけれども、その報告が役に立った可能性はあるかもしれませんね。中国もロシアもオリンピックは開いていますし、そういう方向性に向かえばいいと思いますが、こればかりは北朝鮮次第です。少なくとも核開発を続ける路線で韓国のようにオリンピックが開けるような国になると考えない方が良いと思います。
>正恩氏が仮に『非核化』に向けて行動する決心をしたとすれば、見返りは当然、制裁解除、経済支援だ。今、北朝鮮の国内事情はとても良くないという。北朝鮮の人民生活を支えている『チャンマダン』(自由市場)における米の値段(北朝鮮における物価のバロメーター)は、数か月前に比べて2倍に跳ね上がったという。制裁が続けば今後、経済事情はさらに悪化することが予想される。
やはり制裁は効果を発揮しているようですね。北朝鮮がここに来て行動を変化させたのには理由があると思います。北朝鮮がこれ以上の悪化が困ると思うのであれば、できるだけ早く話し合いを決断するか、今も動いているという核工場を停止するなど何らかの動きを見せるのではないでしょうか?何も動きを見せないというのは、まだ余裕がある証拠だと思います。
>正恩氏はそうなる前に先手を打つ必要があった。そのためには、話し合いの雰囲気を作り、まずは、韓国が独自制裁を解除し、『人道目的』の支援や経済交流ができるようにする。そのような環境作りが当面の目標ではないか。
こちらが先にカードを切る意味が分かりませんね。この対立で困っているのは北朝鮮なのですから、北朝鮮が先にカードを切るしかありません。別に我々は対話のための対話を望んでいる訳ではありません。北朝鮮が我々と本気で交渉する気になることを求めている訳です。我々は北朝鮮に騙されてきたと認識しています。今度は本気であるとまず北朝鮮が見せることです。
後、核だけでなくICBMの開発も十分凍結させる必要があります。核だけ止めてICBM開発はドンドン進み、気が変わって止めたで、核開発再開なんてシナリオに我々が騙されると1ミリでも考えるべきではありません。
完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄まで日米韓全て1ミリも譲歩しないとまでは言いませんが(核放棄を話し合う金正恩のやり方を日米韓国際社会が認めていることぐらいは示さないと、交渉相手が潰れてしまう可能性があります)、期待される譲歩は1センチぐらいに考えた方がいいと思います。融和ムードができるのは、北朝鮮が完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄を実行した後以外に有り得ません。先に融和ムードをつくって北朝鮮が完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄を実行すると考えるべきではないからです。北朝鮮は融和ムードを日米韓国際社会の弱腰と見て密かに核開発の決心を再確認するはずです。
>正恩氏は、国内状況や彼が置かれている立場から考えて、今すぐ核を放棄するわけにはいかない。一方で、このまま突っ走るわけにもいかない。これに限界があることははっきりしている。非核化の意思があることを表明しつつ、時間をかけて国際社会から最大限の譲歩を引き出し、体制が安全だと確認されれば、その段階で初めて非核化もありうると考えているのではないか。トランプ大統領や国際社会が考えているように、すぐに核放棄に踏み切るのは難しい」
北朝鮮がそう考えているとしても、それでは話が進みませんね。北朝鮮のならず者ぶりは今に始まったことではありません。北朝鮮は自分のやったことを問題ないと考えているのか、自分のやったことを忘れているのか定かではありませんが、我々は怒り心頭です。北朝鮮が我々こそ怒っていると主張したところで、そんなことは関係ありません。とにかく、具体的な行動を示せ、話し合いに出て来い、これ以上の開発は止めろ、言うことを聞かないなら、悪行に対して罰を与える、それだけの話です。
トランプ大統領や国際社会がすぐに核放棄に踏み切ると考えているというのも、何を言ってるのか全く分かりません。北朝鮮では時の流れが100倍遅いとでも言うのでしょうか?それならそれで核兵器もICBMも開発できそうにもありませんから、大歓迎しますが、武器開発や犯罪だけ素早く実行できる国などあるはずもありません。李相哲教授が騙されているのか良く分かりませんが、我々が騙される可能性は全くないと考えるべきです。我々を騙そうと考えれば考えるほど状況は悪化すること確実ですから、我々を騙すことを諦めることの方が賢いことを悟るべきだと思います。