【書評】藤沢武雄の研究
藤沢武雄氏(故人1988年78で死亡)と聞いて、本田の副社長であって、企業の運営から人事管理まで実質の社長の業務を担っていたということを知る方は少ないかも知れない。ただし、誤解してもらいたくないのは、社長としての本田宗一郎氏の人望だとかカリスマをいささかも否定するものではないし、ましてや藤沢氏に何時かは自分が社長にという野望というものがいささかもあった訳ではない。
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【書評】ぽんこつ(阿川弘之著)・自動車保有数と事故死者の推移
この著者の阿川弘之(故人)だが、もちろん名前は聞いて来たが、その著作を読むのは初めてだ。
この「ぽんこつ」という形容表現だが、老朽化した様々なモノ(人物事柄)にたいして使う俗語なのだろうが、それを一般化させたと思える本の様だ。なぜ、この本を読むことになったのかだが、戦後日本経済の黎明期たる戦後14、5年を経た(と云うことは1959も . . . 本文を読む
【書評】丸山眞夫 人生の対話(中野雄箸)
丸山眞夫と聞いて、ある程度ものの本を読む方なら、その書いた本自体を読んでなくとも、各種の著者などが引用しつつ記して来ているので、「かつての大論客人の1人」と思い当たる方は多いだろう。それは、この書評を記す前の私の思いそのままだ。
丸山眞夫の実相を知りたくて、図書館の蔵書を検索すると、本人の記したものもちろんあるが、その他の人物が丸山眞を題材として語る . . . 本文を読む
【書評】規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす
この本の著者は「黒川清」氏だが、311(2011/3/11)福島原発事故の事故原因を究明するため国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)が事故後国会(衆参)の全会一致で設立され約半年の調査を経て報告されたが、その調査委員会の委員長が記した書だ。
この国会事故調のことは従前のブログ記事でも何度か記しているのだが、調査報告書が提出された . . . 本文を読む
【書評】 百万円煎餅
この書評だが、本の装丁としては副題として「日本文学100年の名作第5集」と付してある新潮文庫なのだが、年度別に著者を選んだ短篇集の如き本だ。この本を借り出す動機になったのは、「百万円煎餅」(せんべい)という三島由紀夫著(文庫で30ページ弱)の極短編があることを知ったからなのであって、真っ先に読んだのだ。そのストーリー概略は、下記に記す通りだが、正直のところ三島由紀夫作品に執 . . . 本文を読む
【書評】短現の研究
この「短現」とは俗称で、正式には「短期現役兵」というのだが、時は先の戦争直前から敗戦まで、海軍で採用されていた制度なのだ。つまりるところ、当時の海軍は、人員構成として、中堅士官たる尉官クラス(大尉で一般企業で課長が相当するだろう)、それも主計とかロジステクスを担当するリーダー不足が生じていたという。それを補充する目的で、一流大学卒の官民組織に入社したばかりの優秀な人材を引き抜 . . . 本文を読む
【書評】コロナ後の世界を語る・20名の識者の言葉
現コロナ病変だが、始まりは2019年12月頃中国武漢市で奇妙な病変が人知れず始まっていたのだという。そして年が明けた2020年1月、中国で猛烈な発症拡大が続くと共に、2、3月頃には全世界でも発症が広がり、日本でも急激に認知されることになった。
この中で、当時の安倍総理は2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に . . . 本文を読む
【書評】原爆はなぜ投下されたか 西島有厚著
この本は図書館から借り出して読んだ本だ。しかも、この際は同図書館の蔵書をNet検索して、別の本を目的の本として、該当本の書架に赴いた際、該当本より先に「これは読みたい」と抜き出した本なのだ。当然該当本も、容易に見つからなくて図書館職員の協力を要請し、借りて来たのだが・・・。
この際、図書館で借りだした本は、先の目的外で見つけた「原爆はなぜ投下された . . . 本文を読む
【書評】マン・マシンの昭和伝説 上下(前間孝則著)
この本は、月に2、3回は訪れる図書館で見つけ借り出した、上下巻それぞれ500ページ程度とかなりぶ厚い本だ。その内容は、先の戦争から昭和末期に掛けて、航空技術者達が自動車開発に如何に関わったかをテーマとしている。
そもそも、航空機と自動車というのは、非常に関連性があり、これは日本だけのことではなく、ドイツではBMWなど元来航空機エンジン屋だっ . . . 本文を読む
【書評】70才から一気に老化する人 和田秀樹著
この著屋の和田秀樹氏の本を読むのは2冊目だ。1冊目の書名とか何時読んだか俄に思い出せないが、やはり精神病理学の視点で記された内容であったと思う。
著者は私より数才年下の様だ、東大卒の学歴だが権威を重視しない私の視点から関係ないが、その実務経験に基づいた本書の記述内容には、その道の専門家の意見として、そういうものなのかという気付きを与えてくれる . . . 本文を読む
【書評】裁判所の正体(瀬木比呂志・清水潔 共著)
この本は、裁判官を30年勤め以外退職し大学教授となった瀬木比呂志氏とフリーランス調査報道ジャーナリストの清水潔氏の対談集をまとめた本だ。
日頃伺うことのできない裁判所の実態などが、各所にちりばめられている内容だ。この本の中で、ジャーナリストの清水氏も驚いていたのだが、私も三権分立と立法、行政、司法(裁判所)は完全に独立して居ると思っていたが、 . . . 本文を読む
【書評】トラオ・徳田虎雄 付随の病院王(青木理著)
このところ青木理(おさむ)氏の本を連日読んでいるのだが、この本は日本が暗黒化して行くとかいう問題でなく、一人のカリスマを表した本として、日本の暗部を見せ付けられ心を落胆させることなく読み下せた。
この本の初版は2011年で、今から11年前となるが、その時すでに徳田氏はALS(筋萎縮性側索硬化症)に罹患(2002年発症を認知)し11年を経てお . . . 本文を読む
【書評】日本会議の正体(青木理著)
日本会議というものをご存じだろうか。私は、ああ、政治家をある程度仕切っている任意団体だろうな程度までは知っていた。それでも青木理氏が書くのだから何かあるのだろうなという感心が読む切っ掛けとなった。
それでは、日本会議とはどのような団体なのだろうか。本書の冒頭まもなくに、ある事象を見る場合に、その合わせ鏡として、海外メディアがどう見ているかを見た方が、忌憚 . . . 本文を読む
【書評】殺人犯はそこにいる(その2)
実のところ、昨夜記した書評は、かなり斜め読みしていて、読み飛ばしていた部分がかなり多く、現在読み飛ばし部分を改めて再読しつつある。
そんな中、こういう冤罪事件のドキュメンタリー本を見ていると、いわゆる冤罪事件は、警察、検察、弁護士、裁判官のさまざまな欠陥といえる無責任にあると思わざるを得ない。また、マスコミにおける捜査機関情報を鵜呑みにした情報拡散が世論を . . . 本文を読む
【書評】殺人犯はそこにいる(清水潔著)
この本は、wikiにも「北関東連続養女誘拐殺人事件」として掲載されている群馬、栃木、埼玉県境付近の半径20キロの県内で、1979年~1996年の17年間で断続的に以下の様な共通項があるとされている。添付図参照
・被害に遭ったのが4歳から8歳までの女児である。
・3事件においてパチンコ店が行方不明の現場になっている。
・3事件において河川敷で死体遺棄されてい . . . 本文を読む