5月5日(日)
中島公園内にある北海道立文学館で特別展が行われています。
よみがえれ!とこしえの 加清純子
ー「阿寒に果つ」ヒロインの未完の青春 ー
(4月13日~5月31日まで開催) 9:30~17:00 (入場は16:30まで)
一般 700円 高大生 450円 小中生 300円 65歳以上 450円
この人だれ?という方がほとんどだと思います。
「阿寒に果つ」とは渡辺淳一氏著の小説で、加清純子(かせいじゅんこ)とは小説のヒロインのモデルとなった人物です。
渡辺淳一にとって高校の同級生(札幌南高校)であり初恋の人でした。
昭和8(1933)年に札幌市で出生した加清純子は15歳で画家に指導を受け、絵画展で数々の入選を果たし
天才少女画家と注目されましたが、昭和27(1952)年1月に失踪、4月に阿寒湖山中で遺体となって発見されました。享年18歳。
遺体の傍らに睡眠薬の瓶があり自殺とも遭難死とも言われています。
私は中学2年の夏に、渡辺淳一著の角川文庫「死化粧」を読み、渡辺作品にハマりました。
「阿寒に果つ」も読み、作品のヒロイン「時任純子」が実在した人物がモデルであると言う事を知り中央図書館に通い
当時の新聞の記事(マイクロフイルム)を閲覧に行った事もありました。
中島公園の脇にある、渡辺淳一記念館に加清純子についての展示もありますが、特別展と言う形で彼女の作品と関連資料を見る
機会が出来ました。
絵画だけではなく文才にも恵まれ、同人誌に小説やエッセイを投稿していたものの一部が展示物として読むことが出来たのですが
ホールで販売されていた図録の中に、小説の全文が掲載されていましたので、迷わず買い求めました。
画家として彼女の存在は知っていましたが、こんなにも文才にも恵まれていたとは。
小説やエッセイの舞台の多くは札幌であり、そのシュチエーションは画家であった彼女であり、等身大の女子高生でした。
18歳以降も彼女が存命でいたら、もっと多くの作品を発表し文才をさらに開花させていたと思います。
67年前、18年という短い人生を全力で駆け抜けた天才少女が鮮やかに蘇った今年の春です。
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