「御用学者」
先頃、国の福島原発事故の対応に抗議して内閣参与を辞任した小
佐古某という人物は、これまで自民党政権下での原子力政策を学界
の立場から巨額の補助金を受けて推し進めてきた、所謂「御用学者」
であることを忘れてはならない。彼は、被爆者認定訴訟の公判に於
いても、国側の参考人としてその「御用学者」ぶりを存分に発揮して
被爆者の訴えに反論した。つまり、彼は、菅総理が見直しを表明し
た原子力政策をこれまで推進してきた第一人者なのだ。彼にとって、
原子力政策の見直しは到底容認することが出来ないのだ。今回の抗
議の前から菅政権の脱原発の姿勢に批判的だったことが容易に想像
できる。要するに、彼の抗議の辞任は純粋に学者の良心からという
には、あまりにも政治の近くで原発推進に係わった科学者の抗議で
あることを覚えておかなければならない。それにしても、何でまた
菅政権はそんな学者を内閣参与にしたのだろうか?菅総理の甘さは
こんなとこにも露呈している。恐らく、官僚の指しがねに違いない
だろ。官僚は菅総理の原発政策の見直し発言を快く思っていないだ
ろう。最早、菅総理は官僚に頼らず、もう一度政治主導を取り戻す
べきではないだろか。そうでなければ、自らの決意を翻した鳩山元
総理の二の舞、つまり、如何なるリーダーの決断も官僚の意に添わ
なければ骨抜きにされて覆される。そして、国民の批判が民主党政
権へ向かうように仕向けて、それは今のところ上手く行っている。
鳩山元総理の決意を撤回させて総理の座から引きずり落とした時の
ように。
小佐古某かの辞任会見を見て、科学者らしからぬ田舎芝居に白けて、
少しネットで調べてみれば、とんだエピゴーネンの御用学者だった。
永田町ではすでに原発政策を巡る菅と官の諤諤たる争いが起こって
いるのではないだろうか。
(おわり)
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