「あほリズム」
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オリンパスが再び信頼を回復させ立ち直るには、一にも二にも不
当な解雇によって放擲したウッドフォード前社長の名誉を挽回させ
地位の回復を図るしかないと思っていたが、いまを糾せないでこれ
からを語ってもいったい誰が信じるだろうか?事によると、彼が気
づいた不正はごく一部でしかなく、その背後には決して表沙汰に出
来ないもっと大きなコンプライアンス違反が隠されていて、その発
覚を懼れた経営陣や主要銀行が隠蔽するために不正に関わった人物
であってもそれをよく知る人物に任せるしかほか無かったのではな
いかと勘繰られても仕方がないではないか。果たして、そんな会社
のこれからをいったい誰が信用するだろうか?
我々は、中国で起きた列車事故で当局が事故車両を埋めようとし
た行為に驚かされたが、オリンパスが決定した対応はそれと大差な
い。東電による事故調査委員会然り、毎度のことではあるが、この
国では「第三者委員会」という組織は過ちを検証するために置かれ
るのではなく、過ちを隠蔽するために置かれるのだ。