「技術と芸術」

2020-01-26 16:27:17 | 従って、本来の「ブログ」
          「技術と芸術」



 科学と技術を結合させた「科学技術」という言葉は頻繁に使われ

るが、科学と芸術を合わせた「科学芸術」という言葉はまず使われ

ない。それは科学と芸術が相反する概念であるからなのだろうか。

科学とはもちろん理性によってもたらされる認識であり、芸術とは

感性によってもたらされる美的意識である。つまり、科学は理性に

よって規定され、芸術は感性によって規定される。そして技術もま

た理性によって規定される。たとえば、字を書くという技術を行為

する時、理性は正確であることだけを意識するが、ところが感性の

方は字の美しさにも意識する。理性的な人は字が汚いというのは強

(あなが)ち間違いではないのかもしれない。

 そもそも「芸術(arts)」という言葉は、ギリシャ語の「テクネー

(techné)」がラテン語では「アルス(ars)」と訳され、それが英語

の「アート(art)」へ引き継がれて、もともとは「人工のもの」と

いう意味の医術や土木工学などの広い分野を含む概念で、現在でい

うところの「技術」にあたる。[ウィキペディア] つまり「芸術」

は「技術」から派生した言葉であり「技術」とは切り離すことがで

きない。では技術と芸術の違いは何かと言えば、私は精神ではない

かと考える。

                         (つづく)