「あほリズム」
(745)
アメリカ白人社会の黒人に対する差別を見ていると、とても「均
しからざるを患う」共生社会の実現は不可能のように思える。
もしかすれば、アメリカ人の反共産主義の原点は黒人差別なのか
もしれない。つまり、「奴らと一緒になんかなりたくない」
(746)
だとすれば、何もそれはアメリカだけの話ではないはずだ。多民
族国家では人種差別問題が共生社会の障害になっているとすれば、
社会主義国家を掲げる中国もまた決して表沙汰にはしたがらないが、
人種差別こそが社会主義体制の障害として被差別民族の迫害や隔離、
或は虐待さえも行なっている。つまり、中国もアメリカも体制は異
なるが同じ人種問題に手を焼いている。
(747)
かつてキリスト教徒から人種差別を受けていたユダヤ人たちは、
ナチス・ドイツによるホロコーストから遁れるために大勢の人が
新大陸アメリカに亡命した。にもかかわらず、彼らはアメリカで
目にする黒人差別に対してあまりにも他人事ではないか。それど
ころか、彼らは人種差別主義者であるトランプ大統領を支持して、
身内にユダヤ人の居るトランプ大統領は彼らの祖国イスラエル寄
りの政策を強引に推し進めている。こんなことを言うと顰蹙を買
うかもしれないが、もしも、トランプ大統領の愛娘が「金持ちの」
黒人男性と結婚していたら、それでも黒人差別に無関心でいられ
るのだろうか?つまり、人種差別を思い止まらせるためには人種
を超えた「愛」が必要なのだ。