「ダス・マン (Das Man)」

2020-12-19 23:46:48 | 「個人と社会」

         「ダス・マン (Das Man)」

 

 以下はウィキペディア「ダス・マン」より、なかなか分り易い

ので掲載しました。

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 ダス・マン(Das Man)とは、ハイデガーによる哲学の概念であり、

「世人」とも訳される。人間というのは個としての死が必然である

ということを自覚せざるを得ない能力を持っており、主体的に生き

ることが運命付けられている存在であるにもかかわらず、このこと

を考えずに紛らわして過ごしている人間のことを言う。社会におい

て生きる人間というのは、他者とは道具的に出会うということが多

く、これは仕事中の他者と仕事相手として出会うということである

。ここでは他者は自らの便宜のためであり、自らも他者の便宜のた

めに道具的に存在しているということである。人々はこのような公

共的な世界での生活に埋没し、気晴らしを楽しみ、時間を潰しなが

ら生きているわけであるが、ハイデッガーはこのような生き方は

来の人間らしくない生き方であり、これを頽落と表現し、このよう

な生き方をしている人々のことを「ダス・マン」と表現した。この

「ダス・マン」という言葉は、人間を非人間的に表現する言葉が名

詞化されているということであり、人間ならば誰であってもかまわ

ないという生き方が暗示されている