「精神の片輪」
科学技術の《進化》はその一方で我々の生存能力を退化させ、
退化した生存能力は我々の精神を《片輪》にする。
では「精神の片輪」とは何か?
それは管理された生命、つまり自らの力で生きられなくなった
ものたち、家畜のことだ。管理社会「幸福の檻」の中で家畜た
ちはこう言う、
「なんでもないことがいちばん幸せなんだ」と。
ただ私は、どれほど幸せだったとしても檻の中の決められた人
生は望まない。
ところで自由についてニーチェはかく語っています、一部です
が、
「最後に一つ、自由になろうと欲する者は誰でも、自分自身によ
ってそうならなくてはならぬ、誰にとってにしろ自由は奇蹟の賜
物よろしく棚ぼた式に落ちてくるものではない」(『ヴァイロイト
におけるリヒアルト・ヴァーグナー』、第一巻585頁)