「人権侵害とオリンピック」
来年の2月に開催される北京冬季オリンピックを巡って、米国バイ
デン大統領は中国共産党による少数民族に対する人権問題を理由に外
交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を検討していると明らか
にし、また前駐日大使のウィリアム・ハガティ上院議員も日経新聞と
のインタビューで日本政府にも同調を促した。
これらの経緯から思い出されるのがヒットラー率いるナチス・ドイ
ツ党政権の下で開催されたベルリンオリンピックである。以下は『ウ
ィキペディア(Wikipedia)』の「1936年ベルリンオリンピック」
からの引用ですが、オリンピック閉会後にも台湾侵攻を画策している
と思われる中国共産党とかつてのナチス党が重なるのはおそらく私ひ
とりではないと思うが。
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「1936年ベルリンオリンピック」【ウィキペディアより】
ベルリンでの開催決定後にドイツの政権を握ったナチス党が、ドイツ
国民の支持の下にユダヤ人迫害政策を進めて行ったことや、反政府活
動家に対する人権抑圧を行っていることを受けて、ユダヤ人が多いイ
ギリスやアメリカ、そして開催地の地位を争ったスペインなどが、開
催権の返上やボイコットを行う動きを見せていた。
これに対してドイツ政府は、この大会を開催したいがために、大会期
間の前後に限りユダヤ人に対する迫害政策を緩めることを約束した他
、ヒトラー自身も、有色人種差別発言、特に黒人に対する差別発言を
抑えるなど、国の政策を一時的に変更してまで大会を成功に導こうと
した。実際に、オリンピック開催の準備が進められる中、それまでド
イツ中に見られていた反ユダヤ人の標語を掲げた看板は姿を消し、ユ
ダヤ系の選手の参加も容認された。併せて反政府活動家が収監されて
いた収容所の規則は一時的に緩められた他、一部の反政府活動家は国
外へ出国できる(事実上の亡命の容認)こととなった。
このようなドイツ政府の「変節」を受けて、開催ぎりぎりのタイミ
ングで開催権の返上案は撤回され、また、国内からのボイコットの要
望が根強かったイギリスやアメリカも参加することを決意した。(中略)
そして、この大会の3年後、1939年9月にドイツによるポーラン
ド侵攻を機に第二次世界大戦が勃発した。(以下略)
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われわれは決して独裁政権に誤ったメッセージを与えてはならない。