ソニーがiPodのバカ売れに危機感を感じて、リンゴのマークに負けじと路線を変更したために、ソニー自身が開発したMDという記録媒体の存在意義がどんどん希薄になっている。
新製品はなかなか発売されず既に時代遅れの感さえもあるMDだが、一念発起したソニーが、従来のMDを基本にしてフォーマット方式を改良したHI-MDというシステムを搭載したMDウォークマンMZ-RH1が密かに売れ続けているらしい。
このMZ-RH1というMDウォークマンのウリは2つ。
(1)HI-MDという記録方式がリニアPCM録音も可能な上に、従来のMDよりも長時間の録音が可能な事。
と、
(2)従来のMDではアナログでしかPCに取り込めなかった音源が、デジタルのまま直接PCに取り込めるようになった事。
(1)でいうリニアPCMとは、要するに(ワタクシが理解できる範囲では)音楽CDに記録されているのと同じ記録方式で、
(2)の『デジタルのまま直接PCに取り込める』機能とあいまって、PCに取り込んだ後にライティングソフトを使ってCDメディアに記録する事ができるようになった。
ただし、1GBのHI-MDディスク1枚にリニアPCMで録音できる時間は1時間34分しかない。
このPCM録音時間がもう少し長ければとも思うが、長時間のPCM録音にはディスクを入れ替えて対応する事にする。
また、音質は落ちるものの最大でHI-MDディスク1枚に7時間55分録音できるHI-SPモードや、同じく最大34時間録音できるHI-LPというモードも用意されている。
7時間55分だとか34時間だとか、いったい何を録音するのかは見当も付かないが、どちらも従来のMDのLPモードよりも音質は良いものと期待できる。
つまり、早い話、前々から欲しいなぁと思っていたこのMDウォークマンを買ってしまったわけだ。
旧式のMDウォークマンで録音したものの、どうしてもCD化したかった音源があったし、かねてから、上手く使いこなせれば(あくまでも、使いこなせればの話ね)強力な味方になってくれそうな気がしていたのだ。
もしも、iPodに高音質なマイク録音機能があればそっちに飛びついていたのだが、、、、、
HI-MD規格だからHI-MDディスクしか使えないわけではなく、もちろん従来のMDディスクでも録音再生ができるが、HI-MDディスクを従来のMDデッキで再生する事はできない、いわゆる上位互換性という仕組みになっている。
当分の用途としては、手持ちのMD音源をPCに取り込んでみようと思っている。
だが、せっかくだからHI-MDのディスクの1枚や2枚持ってみたいと思い、近くの電器店へ行って探したところ、従来のMDディスクは隅っこに置いていてもHI-MDディスクを扱っていない。
スーパーの電器売り場にもないし、ホームセンターにも無い、、、、、、、、、
どの店も、家庭録画用のDVD-RやDVD-ROMなどは気軽に陳列されているのに、HI-MDディスクだけが売られていない、、、、、、
2日がかりで市内を駆けずり回って、ようやくHI-MDディスクを扱っている店に行き当たった。
扱っているとはいっても1枚ずつのバラ売り物だけで、お買い得の3枚パッケージ物は扱っていない。
つまり、それだけ需要が無いのだろう。
仕方ないので、1枚だけ購入した。
1枚750円。
旧式のMDディスクなら10枚ほど買える価格であった。
ソニーは、どうしてもっとHI-MDの普及に努めようとしないのだろうか?
巷間ウワサされているところによると、ワタクシが今回買ったMDウォークマン、MZ-RH1が、『最後のMD』と呼ばれているのも納得である。
おそらく、
『いつまでMDが存在しているのかはわかりませんよ。MDを持っている人は、今のうちにPCに取り込んでおきましょう。』
という、メーカーの本音と言うかユーザーに対する親心によって、このHI-MDウォークマンを発売したのだろう、、、、、、、
と、囁かれているのだ。
ともあれ、
MDからPCに取り込む、、、、、、と言う作業が、すんなりとワタクシにできるのかどうか?
という疑惑もまた、囁かれているのだが、、、、、、