不意の焼き討ちに遭ったため、家に置いていた本はほぼ全滅となった。
一度あるいは何度か読んだが、いずれまた読み返そうと思って保存していた本も、いずれ読もうと思いながらまだ読んでいなかった本も。
以来、本には飢えている
もしかして、まだ読まないままに焼かれてしまったのと同じ本と再びめぐり合わないだろうか?
と思って、よその街でも古本屋を見つけたら覗いてみるのが密かな楽しみとなっている。
んな事を言っていると誰でも思う事だろうが、焼かれてしまったのなら新しい本を買い直せばいいのではないか、、、、、と。
だが、我が家の中での本の置き場所の問題も含めて、あまり大量の在庫を抱えるわけにもいかないし、古本屋めぐりというのも、書店で新品の本を買う時とは別の楽しみがあるのだ。
例えば、思わぬパリ行きのチャンスに巡り会ったりね
で、そうやって手に入れた古本の中に、奇妙なメッセージが隠されているのに気が付いたのは、つい先日だった。
平成5年に刊行された新潮文庫で、新田次郎著の『風雪の北鎌尾根・雷鳴』という短編集で、文庫本の奥付を見るとこうなっている。
一番下の部分にISBNなんとかかんとか、、、、、と印刷されているそのまた下側に、手書きの文字で
『7,4,12 ○』
と書き込まれている。
前の所有者がこの本を買った日付が『平成7年4月12日』だったのだろうか?
それなら、最後の『○』には何の意味があるのだろうか?
もしや、
パリ行きのチャンスに関連しているのかも知れない。
さらにもしや、
この文字列には、人類を来るべき滅亡から救う鍵が隠されているのかも知れない。
ならば、一刻も早く、トム・ハンクスやニコラス・ケイジに教えてあげなければならない。
書店で棚卸しする時に、事務処理の都合で店員さんが書き込んだ、、、、、、、
などといったロマンの無い真相が暴かれないうちに、このメッセージに込められたヒミツを解き明かさなければならない。
それが、目下のワタクシに課された、過去から託された責任なのだ