さあ、待ちに待った、クロノスカルテットのCDがようやく手に入ったゾ。
クロノスカルテットというグループの存在を知らせてくれたのは、チャーと石ヤンが組んだアコースティックデュオのBAHOのライヴだった。
2005年1月15日、中之島公会堂で。
(その時の事は、少しだけここに書いているが)
イナカモノのワタクシでも、幸いな事にBAHOのライヴは3回観戦する機会を得たが、頼りげな記憶の中では、たいていの場合、開演時刻は遅れ気味だった。
この中之島公会堂のライヴの時も、音響機材の最終チェックとかで開演時刻が遅れたのは同様で、既に客席に座った観客達は、ザワザワしない静かな様子だったが、会場内にはちょっと落ち着かない空気が漂っていた。
そろそろチャーと石ヤンの二人がステージに現れる頃だと誰もが期待する中、その静かに落ち着きの無い空気を制圧するかのように、突然、ある曲が、大音量で会場内に響きだした。
それは、BAHOの曲でもチャーの曲でも石ヤンの曲でもなかったが、ほとんどの人が知っているであろう曲だった。
ジミ・ヘンドリックスの『パープル・ヘイズ』。
だが、ジミヘンのオリジナル音源ではない。
歪んだエレキギターも、ドラムスもエレキベースも、汗を飛ばす熱いヴォーカルも全く入っていない、弦楽4重奏で演奏されるインストゥルメンタルの『パープル・ヘイズ』だった。
クラシックにはとんと疎い(その上世間知らずだし、汗)ワタクシが、その時に会場に流れているのがどうして弦楽4重奏曲とわかったのかというと、理由は単純。
会場内に流れる『パープル・ヘイズ』に使われている楽器の数を数えてみたのだ。
バイオリンらしいのが2本、バイオリンより低い音域の楽器がさらに2本、合計4本の弦楽器で演奏されているのは確かだったからだ。
BAHOのライヴから帰って、あの時に開演前の中之島公会堂に鳴り響いた弦楽四重奏の『パープルヘイズ』について調べてみた。
Amazonをチェックしてみると『クロノスカルテット』というグループの演奏だとすぐに判明した。
ほんのちょっとの時間だけだが収録曲を試聴できるようになっていたので、こういう時はAmazonが便利だ。
だが、その時点ではこの『パープルヘイズ』を収録したアルバムは絶版になっていて、入手できない状態だった。
その後も、折に触れて検索してはみたのだが、いつまで経っても絶版状態は続いていて、ほとんどあきらめていたのだが、、、、、、、
去年の末にAmazonから送られてくるメルマガを読んだついでに、ふと思い出して『クロノスカルテット』を検索してみたら、
なんと、
思ってもみなかったのだが、
『パープルヘイズ』を収録したCDアルバムが再発売されているではないか
あわてふためいて、さっそく買い物かごに入れたのは当然の事をしたまで。
という経過で、正月明けに我が家にやって来た『クロノスカルテット/紫のけむり』。
クロノスカルテットというグループは、現代音楽という畑にいるらしい。
このアルバムでも、1曲目から4曲目までは現代音楽の楽曲で、最後の5曲目だけになぜだかジミヘンを取り上げている。
現代音楽とやらは良くわかんないので、最後の曲だけを聴こうかとも思ったのだが、律儀なワタクシは、焦る心を押さえつつ、1曲目からアルバム1枚を通して聴く事にした。
予想されたように、1曲目から4曲目までは、よくわかんない、、、、、、
けど、5曲目の『パープルヘイズ』が流れ出すと、
「これだよ、これ」
と、あの時の開演前の不安感と不穏感ごちゃまぜの気配が再び迫ってきた。
今後、果たして、このアルバムを1枚通して聴くかどうかについては自信がないが、せっかくお近づきになったクロノスカルテット、あるいは弦楽四重奏という楽器構成に俄然興味がわいてきた、新年早々だった。
で、こちらは、同時に購入したクロノスカルテットの別のアルバム。
ロン・カーターが客演しているのだが、第一印象にはイマイチの感がある。
ただし、もう一度聴き直してみると、印象が変わる可能性もあるか。