lizardbrain

だらだらぼちぼち

JEFF BECK 2014 大阪フェス

2014年05月03日 17時30分28秒 | 音楽

4月16日、
大阪フェスでのジェフ・ベックを観戦。
前回の来日は4年前だったそうで、ワタクシはその時はアルカイックホールで観戦している。
初めて目にした目の前のジェフ・ベックのマッチョさとその若さに驚いたものだ。

で、今回が2度目のジェフ・ベック体験だったのだが、これまでに体験した誰のライヴにも無い、観客席の様子が何やら違っていたのだ。

開場までかなり前の時刻、まだ真昼間の事。
ホールの前を通ってビジホに向かう途中、ホールの入り口に公演告知ボードを見つけたので接近した。
後になって考えてみると、どうやらこの辺りから大阪フェスの雰囲気は何か妙だったのだ。
デイバックからカメラを取り出してガラスに自分が写らない角度を探しながら構えていると、中から警備員のオッサンが現れた。
ワタクシに向かって
「写真撮影はご遠慮ください」
と静かに話しかけてきたのだが、こちとら何を盗撮するつもりもなく、ただ入り口の告知板を撮ろうとしているだけなので、ムッときて、告知板を指差して
「これもあかんの?」
と逆襲すると、
「あ、これなら結構です。」
と一言言って、あっさりとビルの中に引き返していった。



ホテルで少し横になって、早めの夕食をと蕎麦屋で親子丼を食した後、ホールに向かう。
冷やかすだけのつもりでツアーグッズコーナーの前に並んでいると、気付かない間にツアーキャップを手にして¥3,000を支払っていた、、、、、

客席に入ると、ステージ前に何人かがカメラやらケータイを手にして写真を撮っているのに気付いた。
そう、このあたりでなんか異変を感知したのだ。
こんな時、いつもなら客席案内のスタッフがすっ飛んできて撮影をやめさせるのだが、一向にすっ飛んでくる気配が無い。
それどころか、ステージ前の撮影者は増殖するばかり。
この日のライヴでは、もしかして開演前だけは大目に見てくれるのかもと判断して、ワタクシも遠慮がちにカメラを構えて2枚撮ったところで、どうしたわけだが客席案内の若造スタッフがワタクシに接近してきた。
で、
「お客様のカメラでは撮影はできません。」
と指図するではないか、、、、、
その間、先客たちは遠慮なくステージ上を撮影している。
理由がわからずムッときたのだが、ここで暴れてカメラを没収されたり出入り禁止になってしまうのも辛いのでグッとこらえる事にする。
ムッときたらグッなのだ。



(開演前のステージ。ギター関連の機材を撮りたかったのに撮らせてもらえなかった。)

開演1時間前の開場で、開演までにはまだまだ時間がたっぷりあったので、一旦客席を出てみると、どうやらそこにこの日の異変のヒントがあった。


客席入り口ドアの横にこんな告知が貼られていた。
どうせいつものようにカメラ、ケータイカメラやレコーダーの持込禁止を告知しているのだと思い込みながら熟読してみる。
確かに持ち込み禁止グッズの一覧の告知なのだが、いつもとは表現が違っている。
『プロ仕様カメラ(一眼レフなど)やICレコーダーやビデオカメラやiPadなどのタブレット類は持ち込んではいけない』
とはなっているが、ケータイカメラは持ち込むなとも撮影するなとも言っていないし、
文章の理解の方向によっては、プロ仕様でないカメラなら持ち込んでもOKと受け取れない事もない。
早い話、プロ仕様でない感度も性能も低いカメラやケータイカメラの持ち込みは認めようという主催者側の決意表明らしい。
それにしてもどうしてワタクシの安物のルミックスのナンチャッテ一眼が排除されたのかは理解できないが、こちとらジェフ・ベックのギターを聴きに来ただけであって、ハナから演奏中に写真撮影するつもりで来ているわけではない。
さっき、ステージに向かって撮影していた人達も演奏が始まれば撮影をやめるだろうとたかをくくっていたのだが、、、、

いよいよジェフ・ベックとバンドメンバーがステージに現れても、客席のあちこちでケータイやデジカメの液晶画面が光っている。
つまりこの人達はみんな、演奏中のステージを静止画あるいは動画で撮影しているのだ。
いくら遠回しの表現で撮影を許可されているとはいえ、照明を落とした真っ暗な客席スペースの中のあちこちで液晶画面が光っている。
幸い、ワタクシのすぐ前列の人達は目の高さ辺りにケータイを捧げて撮影している人はいなかっただが、もっとステージに近い前の列ではず~っと撮影体制を維持している人が多くて、遠目とはいえ目障りでしようがなかった。
かといって開演前に
『写真撮影はOKです』
といったアナウンスがあったわけではないし、もしかすると主催者側がどっかで事前に告知していたのかも知れないが。

その中でも、図太いのかフラッシュを止めるカメラの設定方法を知らないのか、平気でフラッシュが光ってもいた。
どこでフラッシュが光っているのかが特定できないからなのか、会場整理のスタッフ連中は誰もその迷惑フラッシュに対応しようとしない。

ステージ上の照明と客席での液晶画面の明かり、、、、、、、
後ろ側から見ていると、何やら宗教的な集会の様相も感じてしまった。
(ま、ジェフ・ベックが出るんだから、この日の場合、ある意味宗教的になるのはしようがないのかも)

演奏に話を向けると、
バンドメンバーは、ベース、ドラムスともう1本のギターの4人編成。
ベースは、前回に来日した頃にWOWOWで放映されたライヴで演奏していたブロンド巻き毛の女性ベーシストのタル・ウィルケンフェルドではなく、サングラスをしたちょいとワイルド系のルックスの女性ベーシストだった。
わかんないので後で調べたら、ワイルド系の女性ベーシストはロンダ・スミスという人(この人は4年前にもベース弾いてたんじゃないだろうか)で、ドラムスはジョナサン・ジョセフ、そしてもう1本のギターがニコラス・メイヤーというメンバーだったらしい。
(悲しい事にワタクシの知識では、ジェフ・ベック以外、誰も知らない。)

仮に昔のレパートリーをやるにしてもアレンジは全然変わってるだろうし、なんせ曲名紹介もしないので良くわかんなかったのだが、ワタクシが知ってた演奏曲は、イントロのシンバルの連打で観客席はいっせいに反応していた「レッド・ブーツ」とアンコールの最後にやった「悲しみの恋人達」。
そうそう、プログラムの確か中ほどでやった「ダニー・ボーイ」の静かで美しいギターも良かった。

で、はっきり言わせてもらうと、客席でケータイやデジカメやモバイルだかiPadだか知らないがそれらの液晶画面が光り続けるライヴには反対だ。
BSで放映される海外のライヴ動画でも、観客は平気でカメラ撮影しているし、ケータイどころかムービーでずっと撮ってる時もあったし、あっちはあっちでそれが当然なのかもしれないが、
ワタクシにとっては、今後、この日のように演奏中のケータイ撮影、カメラ撮影OKのライヴが主流になって欲しくないなぁ、
と感じたのだが。

今回のジェフ・ベックの日本ツアーをネットで検索してみると、演奏中の静止画や動画を貼り付けたブログやらがやたら多くヒットするのは、こういう背景があるからなのだ。