この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『ブルー・バレンタイン』と『ラビット・ホール』-全く異なる結婚生活と、その後の夫婦の愛の行方を観る

2011-12-07 15:55:55 | 最近見た映画
                                  【 ブルーバレンタインの「シンディー」と「ディーン」】



 
             【2011年11月30日】 京都シネマ(2本とも)

 
 1本目の『ブルーバレンタイン』は不思議な映画だ。恋愛映画というジャンルに入れていいのか、それともこういう人生-夫婦の成り立ちと別れ-もあるんだという人生映画というか、生活映画というか。

 劇的な出会いと、その後の生活。それぞれの生い立ちの違いと生活感と価値観の違い、日常のちょっとした事件からのほころび。誰もが経験する出来事を1つの典型として描いていく。

 最初、現在進行の話に、過去のエピソードがたびたび挿入されていたのが、見分けが付かず多少わかりにくい部分があったが、ともかくストーリも描写もリアルで、展開も小気味良く、せりふに無駄もなく映画に引き寄せられる。

 『ブロークバック・マウンティン』に出演していたときのミッシェル・ウィリアムズが印象が強く残っていたので、またひと味違う役柄が強烈だった。
 

 いろいろなことを考えてしまう、地味であじのある大人の映画である。


 ただ、1つ前の席で、耳にピアスをした若い男が、場違いの場面で声を出してゲラゲラ笑っていたのには閉口したが。




   


『ラビット・ホール』はニコール・キッドマンは製作と主演をしたという映画で、単調で型ににはまった演出が、前者の『ブルーバレンタイン』が小気味よく冴えていただけに、はじめはパッとしなかったが、原作の戯曲がしっかりしている分、後半は惹きつけられた。

 上の映画では、飼い猫が死んだのが物語の転換の1つの契機だったが、こちらは8ヶ月前、最愛の一人娘を自宅の目の前で起きた交通事故で亡くした事が、それをめぐり、夫婦それぞれのその後の対応の違いからくる行き違い、葛藤を描いている。

 ねられた台詞は、さすが舞台でうならせるだけのことはある。


 以前観た『プルーフ・オブ・マイライフ』の映画も、もともと戯曲用の台本を映画化したものと聞いているが、映画と戯曲(劇)の魅力の違いは何だろうと考えてしまう。総合表現力では映画のほうが圧倒的に優位なはずなのに、この映画や『父帰る』や『プルーフ・オブ・マイライフ』は、想像するに劇場で生の俳優が演じる劇のほうが迫力が有るように感じる。

 生きた俳優が、目の前で生で演じる迫力だろうか。演劇と違い、時間と場所の制約を受けず、気軽に観られる映画は重宝するが、こうした映画を観るとたまには演劇も鑑賞してみたいと思う。




     『ブルーバレンタイン』-公式サイト

    『ラビット・ホール』-公式サイト



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