【 2024年9月26日 記 】
今日、袴田事件の再審裁判で、袴田巌さんの無罪判決が下された。冤罪だと改めて認めたのだがその時、静岡地裁の裁判長は「時間が長くかかりすぎて申し訳ない」と被告側に謝罪したそうである。
それもそうだ。
静岡地裁が2014年に「捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがある」とした上で、釈放決定をしたにも拘らず検察が不服として即時抗告をして、東京高裁は2018年、再審決定を取り消した。袴田さん側は上告し、最高裁は高裁に審理を差し戻し、2023年3月に東京高裁が再審開始を認め、計15回の審理を経て今回、再び無罪が言い渡されたのだ。あとはもう、検察の意地だけで、無意味で無慈悲で残酷な控訴・上告を繰り返さないようにするだけだ。巌さんの受けた苦悩は計り知れないと思うが、姉のひで子さんの苦労も計り知れないものがあると察せられる。
おりしも今日、和歌山カレー事件の真相を追ったドキュメンタリー『マミー』を見てきた。だいぶ以前にテレビで放映された『死刑弁護人』というドキュメンタリーで、弁護士・安田好弘氏の《一風変わって弁護活動》に焦点が充てられていた。安田弁護士は「オーム真理教事件」で麻原彰晃の弁護を引き受けたり、その後の「光市母子殺人事件」の弁護を引き受けたりして、「なぜそんな悪党の弁護を引き受けるのか?」と弁護士界から疎まれる存在だったが、自らの信念に基づく立場から「和歌山カレー事件」で林眞須美被告の弁護も引き受けていて、当時そのドキュメント映像で見た【《眞須美被告が真犯人に違いない》という世間の”常識”に真っ向から立ち向かい、疑義を唱えた姿】が印象的だった。
今回のドキュメンタリー『マミー』はその延長線上にあるような《マスコミの犯人誘導》と《検察の見込み捜査》を追った内容になっていた。
「地下鉄サリン事件」の前兆であった「松本サリン事件」でも一般市民はマスコミのニセ情報による意識誘導によって「河野義行さんが犯人だ」と当初、信じ込まされていた。
林眞須美死刑囚もその夫と共謀して詐欺事件で何億もの大金をせしめたり、押し寄せる取材陣に放水したりする行動を見れば、「彼女がやった犯人に違いない」と多くの人は思うかもしれないが、殺人の実行犯と詐欺犯とは別のものである。証拠が明らかに不確かなものなのに、犯人と決めつけるのは新たな「冤罪事件」となるのではないかと思った。
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今日、袴田事件の再審裁判で、袴田巌さんの無罪判決が下された。冤罪だと改めて認めたのだがその時、静岡地裁の裁判長は「時間が長くかかりすぎて申し訳ない」と被告側に謝罪したそうである。
それもそうだ。
静岡地裁が2014年に「捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがある」とした上で、釈放決定をしたにも拘らず検察が不服として即時抗告をして、東京高裁は2018年、再審決定を取り消した。袴田さん側は上告し、最高裁は高裁に審理を差し戻し、2023年3月に東京高裁が再審開始を認め、計15回の審理を経て今回、再び無罪が言い渡されたのだ。あとはもう、検察の意地だけで、無意味で無慈悲で残酷な控訴・上告を繰り返さないようにするだけだ。巌さんの受けた苦悩は計り知れないと思うが、姉のひで子さんの苦労も計り知れないものがあると察せられる。
おりしも今日、和歌山カレー事件の真相を追ったドキュメンタリー『マミー』を見てきた。だいぶ以前にテレビで放映された『死刑弁護人』というドキュメンタリーで、弁護士・安田好弘氏の《一風変わって弁護活動》に焦点が充てられていた。安田弁護士は「オーム真理教事件」で麻原彰晃の弁護を引き受けたり、その後の「光市母子殺人事件」の弁護を引き受けたりして、「なぜそんな悪党の弁護を引き受けるのか?」と弁護士界から疎まれる存在だったが、自らの信念に基づく立場から「和歌山カレー事件」で林眞須美被告の弁護も引き受けていて、当時そのドキュメント映像で見た【《眞須美被告が真犯人に違いない》という世間の”常識”に真っ向から立ち向かい、疑義を唱えた姿】が印象的だった。
今回のドキュメンタリー『マミー』はその延長線上にあるような《マスコミの犯人誘導》と《検察の見込み捜査》を追った内容になっていた。
「地下鉄サリン事件」の前兆であった「松本サリン事件」でも一般市民はマスコミのニセ情報による意識誘導によって「河野義行さんが犯人だ」と当初、信じ込まされていた。
林眞須美死刑囚もその夫と共謀して詐欺事件で何億もの大金をせしめたり、押し寄せる取材陣に放水したりする行動を見れば、「彼女がやった犯人に違いない」と多くの人は思うかもしれないが、殺人の実行犯と詐欺犯とは別のものである。証拠が明らかに不確かなものなのに、犯人と決めつけるのは新たな「冤罪事件」となるのではないかと思った。
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