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【 2011年11月2日 】 TOHOシネマズ二条
『イラクに大量破壊兵器がある』という口実で、当時のブッシュがイラク開戦を強引に進めたたが、それがでたらめであることは、今では白日の下にさらされ、大きなウソであった事が明らかになっている。
そのきっかけとなった『プレイム事件』を題材にしている。
その『プレイム事件』というのは、ブッシュが『9.11』以来、《テロとの戦い》を宣言し、世界にテロを輸出する《悪の枢軸》としてのイラクに戦争をしかかけるための口実を探し求めていて、大量破壊兵器の存在を突き止めるため、極秘に調査をさせていたCIAの秘密調査員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)が、期待に反してその存在がないことを報告したのに対し、政府高官がヴァレリーの身分を明かしてしまい、窮地に陥れようとした事件である。
ヴァレリーの夫であるジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)も元ニジェール大使としての立場から調査を独自に行い、同じ結論に至っていた。
しかし、身分を暴露されたスパイとしてのヴァレリーには嫌がらせや脅迫状が殺到し、危険が迫る。夫とも行き違い、崩れそうになるが、国家と戦うことを誓う。
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この課程を、2007年にヴァレリー自身が回顧録として出版したことから、アメリカの大義名分がウソであったことが明るみに出て、世間は大騒ぎになる。
ノンフィクションだから感じる緊迫感。『L.A.コンフィデンシャ』以来の興奮を覚えた。
それにしても、ナオミ・ワッツは『イースタン・プロミス』といい、この手の映画にはよく似合う。
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映画の最後に、ナオミ・ワッツでなく、本物のヴァレリー・プレイムの公聴会でのインタビュー映像が出てくる。
こうした映画を観ると、アメリカはかなりでたらめな国ではあるが、その一方で、ロシアや中国と違い、改めて《民主主義の基盤の広さ》を感じた。
『フェア・ゲーム』-公式サイト