【 2018年6月17日 】 京都シネマ
アメリカ初の黒人大統領オバマがトランプに代わって、早1年半になろうとしている。《自由と民主主義の国》アメリカが大きく変わろうとした今、また差別と偏見の時代に戻ろうとしている。黒人への差別はどうなっていくのだろうか。
この映画は、先人たちの貴重な足跡をたどると共に、これからの世界に問題を投げかけている。
【 白人地区の学校に登校する生徒をからかう白人の子ども 】
【 人種差別主義者たち 】
【 催涙弾を放つ警備隊 】
【 抗議する黒人青年 】
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先日訪れたキューバの状況は全く違っていた。黒人と白人、他の人種が何の違和感もなく同じ生活圏で普通に生活している。そこから戻って、この映画を見たら異次元の世界にゆり戻された感じだった。同じアメリカ圏にありながら、2つの対照的世界が同時に存在していることがとても不思議に映った。
【 キューバの高齢者福祉施設で 2018年3月 】
キューバは、他の中南米諸国と同じように、従前からその土地にいたインディオなどの先住民が、スペイン人によって滅ぼされてしまっていた。その後、スペインに代わって乗り込んできたアメリカ大資本は自分らの大農場の労働力として、大量の奴隷をこの地域に連れてきた。その辺の事情はアメリカ本土の南部地域とあまり変わらないが、その後の歴史が、奴隷であった黒人の身分、生活環境を大きく変えた。
革命後のキューバでは、大土地所有者から解放された土地が元奴隷達を含めた小作人にも与えらた。
最近の「キューバ観光」関連の放送で「あなたは、黒人系かスペイン系のどちらか?」とテレビ番組のリポーターに尋ねられた住民が、「どちらでもない。今キューバにはその混血しかおらず、白人も黒人もない。」と答えていたのを見た。
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映画館を訪れたのが、いつもとは違って夕方の遅い時間だったこともあったのか、若い学生や勤め帰りのOLの姿が多いのを見て、どこか気持ちがほころんだ。
『私はあなたのニグロではない』-公式サイト
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