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「一億円プレイヤー」の昨今あれこれ-スポーツにも格差?

2008-12-01 22:36:40 | 雑感
                      【奈良県桜井市の談山神社にて】


 賞金や記録などにはまるで縁がないのだが、スポーツをすることは嫌いではない。

 天気の良い日に自転車をこいで近くの山間の道を巡るの気持ちがいいし、週に1回、近くの小学校の体育館でバドミントンをするのも楽しく子供のように夢中になってしまう。
 夏の北アルプスの岩場を登るときの爽快さは何とも言えない。何もそんな遠くに行かなくとも、近くの加茂川を早足で歩くだけでも気分が良くなる。

 自分にとってスポーツをするのは、もちろん賞金のためでもないし記録のためでもない。《 それは望んでも無理だけど 》
 体を動かすこと自体が楽しいし、気分が爽快になるからするだけで、他のためではない。《 結果的には健康に役立っているかも知れないが 》

 一方、人間の限界に挑み記録に挑戦するスポーツもあるし、それをなしえない凡人がそれを見て感動し、興奮しさえすることも当然ある。エキスパートと凡人を繋ぐのは、向上心-もっと上手になりたいという気持ち、あるいは勝ちたいという競争心だろう。だから一流選手の競技を見て興奮する。
 
 本来、賞金はそうした成果に対する報酬のはずだ。

「感動をありがとう」、とか「厳しい練習の結果として当然受け取るべき」対価のはずだが、賞金を得ることが目標になり、獲得賞金額が記録となっているスポーツもある。その最たるものがゴルフだ。

 だいたい、ゴルフのどこが人の心を動かすスポーツなのか。動かないボールを打って、誰も守っていない穴にボールを入れることにどんな興奮があるというのかわからない。それなのに、優勝者には他にはない桁違いの高額の賞金。


 先日、ある番組で30年以上も前の、世界記録に関する感動的な映像を見た。
 自転車競技での中野浩一のスプリント競技、世界10連覇の記録である。

 残念なことに、私は当時、この記録達成の興奮を同時体験していない。

(以前、今までに最も感動したスポーツのイベントで第一に挙げたのが「キンシャサの奇跡」*だったが、同時進行で10年越しのこの記録達成を見ていたら、これが1番だったかも知れない。)

 *【モハメド・アリが徴兵拒否によって剥奪された世界タイトルを2年の収監のブランクを経て、世間の大方の予想を覆し、ジョージ・フォアマンからアフリカのキンシャサでタイトルを奪回した試合のこと-この映像は当時、逐次テレビの映像で見ていて、自分もまさか『打たれっぱなし』のアリ 《当時は「カシアス・クレー」と認識していた》 が勝つとは思ってもみなかった!】

 今回、この番組をみて改めて知ったことたくさんあった。10連覇は途中から知った。そもそもの、世界初制覇は知らない。

「ツール・ド・フランス」を毎年開催しているフランスの自転車熱が高いのは知っている。「カンパニョーロ」で知られる自転車メーカーのあるイタリアにどれだけ自転車気違いが多いかも。そんな自転車王国の選手を押さえて人気も実績もない日本の選手が勝つだけでも信じられない、そういう世界。

 そのだいぶ以前、横浜にまだ居たころ、磯子の実家から横須賀や城ヶ島のある三浦半島を巡り、最期は鎌倉・鶴岡八幡宮の横の登坂を経由して帰ってくるのは中学時代、月間行事みたいなものだった。だから前回、何時間かかっていたコースを10分でも早く通過できたと思うとそれなりの満足感があった。ドロップハンドルの自転車が欲しい、ずっとあとには「カンパ」のギアを買いたいと思っても高すぎて手の届かない夢のような話だった。

 だからそれなりに自転車には興味を持っていたが、中野浩一のことは当初、知らなかった。

 「知らなかった」というより-「知らされていなかった」。ヨーロッパと違って日本では、自転車はマイナーな競技なのだ。マイナーと言うより、競馬や競艇と並んでギャンブルの範疇としてしか見ない傾向がある。競馬は以前よりポピュラーになったように思うが、競輪はいまだ一般には近づきにくいイメージが残る。そういう意味で日本ではいまだに自転車競技はマイナーなスポーツである、中野浩一の努力でオリンピック種目になったにもかかわらず。


 中野も、当時としては珍しかったが、プロスポーツの1億円プレーヤーとなって華々しく報道されている。
 その中野浩一が6連覇した時と10連覇する直前に転倒して大けがをしたそうである。それを撥ね退け、勝利に向かって掻き立てたものは競輪選手や自転車競技の社会的地位の向上だったと振り返り、自ら語っている。世界選手権にでるための調整に費やす期間、得たであろうプロ選手としての賞金は、世界選手権の優勝賞金の数十倍以上といわれている。ただでさえ、世界のトップであり続けるのが困難なスポーツの世界で、そこまでして得た10連覇である。

 
 若僧のゴルフごときで、騒ぎすぎである。


 

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