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年賀状を整理しながらいろいろな事を考える-宛名の文字のフォントと人間の技とAIと

2018-01-29 22:53:32 | 雑感

 この時期、毎年年賀状を整理しながら思う所がある。年に1度の事だから、1年ぶりの便りであることが多い。それでも一言、生の字で一文が書き添えられていたらホッとする。

 何枚か来たうちの表書きを見るとパソコンで印刷したものが多いが、その中で同じフォントを使用しているのもが目に付く。違う人から来ているのに、全く同じ字体である。裏面を見ても活字だけの同じようなありきたりの文面だったら、がっかりする。

 それはともかく、ひどいと思うのは毛筆体のフォントである。見るに堪えない字体のものがほとんどだ。中には、形も成っていないどころか、おそらく筆順も無視しているからとんでもないものになっている物もある。(そんなのが一番多く出回っている!)



 もっとましなフォントはないものかと思うが、それは無理な話だ。1つの文字(漢字)が仮に由緒ある書家の美しい字体であっても、行書や草書というものは、1つ1つの字が独立しているものではなくて、前の字があって次の字があるから、場所により、同じ字であっても違うものだ。あるいは、文脈上の流れであるとか、書いた時の微妙な感情も字体に現れるはずだ。

 だいたい、行書体のフォントを並べてもまるきり勢いがないし、バランスもとれていない。書は書かれた紙面の空間とのバランスだ。

           


 これらのことを、パソコンのフォントに求めるのは土台無理な話だ。前後の字を読んで、それにふさわしい流れの形に改める。あるいは、バランスを考えて字の大きさを少し変えたり、字間を調整する。将来AIが更に発展したら、技術的に可能かもしれないが、人間だったらわけもなくこなすことができる。(出来栄えの良し悪しは差し引いて)
 
 活字をどうしても使うなら、1つ1つ文字が独立した「明朝体」とか「ゴシック」を使ったいい。せいぜい楷書の「教科書体」くらいだ。それよりも、1年に1度くらい「自分の手で書いたらいい」と思わずにはいられない。

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 昨年の暮れ、台湾に行ってきた。名所旧跡の訪問などもしたのだが、一番感動したのは、史跡の門や建物の入り口に掲げられている「漢字の字体」の美しさだった。そればかりか、街で見る看板や屋号の字体もきれいなのだ。


             


 面白いのは、中国本土では漢字の略字が極端に進んでいるのに対し、台湾では逆に、恐ろしく画数の多い旧字体の漢字が堂々と残って、使われていることだ。この違いは、いったいどこから来るのかと、不思議に思った。






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