最近私の目はおかしい。
この間いわき行きのバスに乗った時、隣の人が手が透き通って見えた。
最近体のあっちこっちが異常をきたしているので、「あぁ、ついに目にもきたか」と思った。
しかしその数日後、ミニストップのレジに並んだ時、前の人の体がほとんど透けて見えたのには驚いた
しかもその透き通った人はコンビニを出た後、すぐ前の道路で車にはねられて亡くなってしまった。
もしかして透明に見える人は、間もなく死ぬ運命にある?
そして私はそういう人を見分ける異常な目を持っている?
半信半疑だったが、それが確信に変わったのは病院に行った時である。
私は総合南東北病院という大きな病院に通っている。
そこには体半分ぐらいが透明になっている人が数人歩いていた。
「うわぁ、こんな超能力みたいなの、いらねぇ」と思ったのだが、その後も何人か透明になった人を目撃した。
そして私の知る限り亡くなっている。
話は変わるが、auから「もっと安い契約内容に変えませんか」という手紙がきた。
近くの鹿島町のauショップに手続きに行ったら、20代の有村架純似の美人ではないが可愛い女性が対応してくれた。
手続きをしている時ふと彼女の手を見たら透き通っていた。
「あの、仕事が終わった後、ちょっとコーヒーでも付き合っていただけませんか?」
私はいい年こいたおやじであるが、彼女の運命を変えなければと思ったのだった。
多分来ないだろうと思ったが、約束したスターバックスの入り口から見える席で彼女を待っていた。
そしたら来たのである。
話をしている時に彼女の手を見たら、ちゃんと全部見えた。
この人の運命を変えたのかもしれない。ほっとしたがその直後、心臓がキューッっと痛んだ。
中学生の時に心臓弁膜症と言われていたし、今年の健康診断で「心臓の音がおかしい」って言われたし、そのせいかな。
メタボを治さなきゃ。
彼女とはそれからいろんな話をして仲が良くなり、たびたび会うようになった。
また話は変わるが、私は二つの保育所を経営する社会福祉法人の理事である。
先日、会議のためにY保育所に行ったら、全ての年長の子ども達の体が透けていた。
「近々、年長がどこかに行きますか?」と所長に言ったら、「来週合宿だからバスで西会津に行きます」とのこと。
高速道路での事故が考えられる。
多くの子供達が犠牲になるのはなんとしてもくい止めなければ。
しかし前に心臓が痛んだのは人の運命を変えたからかもしれない。
死神が「このやろーっ」って私のことを思って、嫌がらせをしているのか。
それでも年長の合宿を止めなければ。
だが大勢の運命を変えれば私の心臓はもたないかもしれない。
ってそんな話でした。
すみません、ネタバレです。
弟に借りて読みました。
この作家、こういうのも書くんですね。
フォルトゥナの瞳 (新潮文庫) | |
百田 尚樹 | |
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