妻と二日続けて映画を見た。どちらも実話を基に作られたものである。
最初は「海難1890」。
エンドロールは最後まで見てみるもんだ。
トルコのエルドアン大統領が「この映画は世界中の人に見てほしい」と、メッセージを送っていた。
異例のことだと思う。
遭難したトルコのエルトゥールル号の船員を助けた和歌山県串本町の人たち。それは困っている人の為に、見返りを求めない真心によるものだった。
この遭難事件は、トルコでは小学校の道徳の教科書、中学校の歴史の教科書に載っていて広く知られている話らしい。でも日本で語られることはあまりない。
日本人も「明治時代にこんなことがあった」ということを知っておくべきだと思うし、そのためにもいい映画だった。
映画の終盤はイランイラク戦争。
イラクのサダム・フセイン大統領が、イランのテヘランを攻撃すると予告する。
攻撃の期限(48時間後)までに脱出しようとする在イランの日本人。
しかし日本から救援の飛行機は来ない。
民間の航空会社は危険であることを理由に。
自衛隊は海外派遣不可という原則があるために。
各国の飛行機が飛び立つ中、日本人だけが取り残されるが、それを救ったのがトルコであることは記憶に新しい。
200名超の日本人をトルコの飛行機に乗せ、その飛行機に乗れなかったおよそ500名のトルコ人は、陸路でイランを脱出することになったのである。
トルコ空港のパイロットが危険を顧みず、日本人を運ぶために志願してイランとの間を往復したことも知っておくべきことだ。
自国民を守れない日本を嘆かわしく思ったのは私だけではないだろう。
そして「杉原千畝 スギハラチウネ」。
ナチスに迫害された多くのユダヤ難民に、日本政府の命令に背き、日本通過のビザを発行した人である。大変勇気がある行動だ。
映画は単にビザを発行した功績だけではなく、的確な諜報活動や、情勢を正確に把握する外交官としての優れた面を前面に出していて、深みがあるものだった。
どちらの映画も正義と思ったことを貫くことが一つのテーマになっている。勇気を与えてくれる、素晴らしいものだった。
いやぁ、映画ってほんとにいいもんですね~。それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。