いわき市のおやじ日記

K流釣り、K馬、そして麺食いおやじのブログ。
山登り、読書、映画、陶芸、書道など、好きなことはいろいろです。

「何者」

2023年09月08日 | 

 

主な登場人物は5人。5人とも大学生で就職活動をしています。

主人公はその中の一人(男性)で、物語は一人称で語られます。

5人はSNSでさまざまなやり取りをしますが、主人公は、5人のうちの同棲している男女の就職活動の仕方やSNSの発信内容に、鬱陶しさとかいらだたしさを感じていきます。

おそらく多数の読者も、主人公と同じような感覚を持ち始めることと思います。

最初はちょっとした不愉快さですが、徐々に大きくなっていきます。

そして最後、読者自身に大きく跳ね返ってきます。それが鳥肌もの。

この作者の構成、感性、文章表現、どれも素晴らしく、別の作品も読んでみたいと思いました。

印象に残った文章を挙げます。

ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなことではない。

 

ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと。

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「春に散る」

2023年09月01日 | 映画

一言で言うとボクシングに命をかけた二人の映画です。

心に残るいい映画でした。

ボクシングの映画ってたくさんあるので、どこか既視感が出てしまって作るのが難しいと思いますが、この映画は人間関係が少し複雑で、見応えがある作品になりました。

役者全てが素晴らしい演技でしたが、特にボクサー役の横浜流星と窪田正孝が素晴らしいです。

佐藤浩一演ずる広岡仁一は元ボクサー。

不公平な判定で負けたのを機にアメリカに渡り、ホテルの経営に携わった後、帰国しました。

横浜流星演ずる黒木翔吾も不公平な判定で心が折れていたボクサー。

偶然出会った二人が、「今しかねぇ、今しかねぇんだよ!」と、ボクシングを通して一瞬のために生きる姿が輝いていました。

 

ちょっと残念だったのは、終盤のスローモーション。

手加減する様子がありありとしていて水を刺した感じでした。しかもスローモーションシーンが多すぎです。

 

でもこういう元気が出る映画、いいですね。明日からも頑張れそうです。

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