いわき市のおやじ日記

K流釣り、K馬、そして麺食いおやじのブログ。
山登り、読書、映画、陶芸、書道など、好きなことはいろいろです。

芥川賞全部読む ようやく3冊目

2020年04月29日 | 

時間はたっぷりあるから読書が進む。

今日は小田嶽夫さんの「城外」。

中国杭州の領事館で働くことになった主人公。

知人もいないし、上司とも折り合いが悪く、疎外感、孤独感を抱いている。

そして女中と関係を持ってしまう。

女中に対して徐々に深い愛情を持つことになるのだが、・・・・・。

 

終盤では上司と口論になったり、国民革命軍が近くで残虐なことをやったりといろいろあって、日本に帰ることになる、という話。

国に帰るとなるとこれまで深い愛情を持っていたのに、急に冷めてしまうんだな。

森鴎外の「舞姫」ほどではないけど、あまり後味は良くない。

ただ、杭州の西湖には行ってみたくなった。

【中国】世界遺産「杭州西湖」の観光ガイド:一度は見たい“西湖十景”の美しさ

このペースだと、芥川賞を全部読み終えるのは130歳ぐらいになりそうだ。

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吉野朝太平記 第2巻 敷妙に会いたい

2020年04月28日 | 

第1巻を読み始めたのが昨年の9月9日で読み終えたのが今年の1月28日だから4ヶ月半。

そして今日、ちょうど3ヶ月で第2巻を読み終えた。

 

例えば「田楽異変」という章の文章を引用する。

 

世俗は、怪異を好む。

と、云ってはやや語弊はあろう。だが怪異を怖れすぎる人心は、本当は怪異でもなんでもないものを、まことの怪異としてでっち上げてしまう。

怨霊思想が瀰漫していた中世の末期だから、それは当然だった。

社会の上層の一部知識階級にこそ、新しい学問である宋学が、すでに輸入されて、程朱の新釈が学ばれていた。進歩した頭脳の所有者たちは、訓詁の学を捨てて、意義と道理の学問についていた。因襲と典故の呪縛から脱して、窮理博物の独立心を養いつつあった。また宗教の方面でも、超物越祖を手段として、個人の独知独覚を重んずる禅が、大きな勢力を得ていた。後醍醐の帝のごときは、禅の哲理に通暁あらせられ、宋学によって独闢乾坤の御英気をつちかわれた。そして「今の例は、昔の真儀なり。朕の真儀は後の世の例たるべし」

 

こんな具合だから、同じ直木賞を受賞した歴史小説家、海音寺潮五郎や村上元三、山本周五郎あたりの文章と比べると骨がある。はっきり言って分かりづらい。

 

太平記とあるように南北朝時代(鎌倉時代と室町時代の間)の話で、第2巻は副題にあるように高師直の死までの話。

主人公は楠木正成の三男、楠木正儀。

これが頭脳明晰、雄大豪壮、温厚篤実でしかも眉目秀麗ときているもんだから、数ある歴史小説の中で最も魅力的な男だと思う。

悪役の高師直については「暴慢、暴虐、乱倫、淫縦ー不逞、不信、不義、不敬」と徹底的にこき下ろしている。

そしてもう一人の魅力的な登場人物は、敷妙という美しくてお淑やかで艶かしくて知的な女性。年の頃は二十歳そこそこ。

正儀の愛妾なのだが、正儀は敷妙をハニートラップとして利用する。

何人かの男どもを惑わせ、高師直や足利直冬をメロメロにする。

小説を読みながら、もし私が映画のプロデューサーか何かで配役を決める権利があるとしたら、この役には誰を起用しようか、なんて考えることが多いが、敷妙は誰も思い浮かばん。

あえて言えばこの人なんかいいかも。

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5巻まであるんだよなぁ、これ。

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三密を避けつつ

2020年04月25日 | 登山

山登りなら一密にもならないだろうと思って、家族連れ立って鬼ヶ城山へ。

3グループに遭ったがほとんど人はいない。

爽やかな春風の中、登山を楽しんだ。

道の脇には背が伸びたふきのとう。

実はこれがうまい。

柔らかそうなところを何本かいただく。

 

帰りに小野千本桜に寄ってしまった。

満開でも人はまばら。

 

山で採ったふきのとうは、炒めてみりんと醤油で味付けをする。

たったこれだけになってしまう。

つまむと絶品。

ビールも日本酒も進むわ。

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花森安治さん

2020年04月20日 | 

とと姉ちゃんで唐沢寿明さんが演じていたのが花森安治さん。

暮らしの手帖の創業者で、表紙のデザインを担当した。

そのデザインはほんわりしていて懐かしさを感じる。

実際の性格は、朝ドラのように怒りっぽかったらしいが。

 

昨年の花森さんのカレンダーを捨てるのは勿体無いので、切り取ってブックカバーとしおりにした。

 

今日からしばらくメインの仕事は休み。

時間はたっぷりある。

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預言者

2020年04月16日 | エッセイ

帽子を忘れた子どもが道で

直射日光にやられて死んだ

(「かんかん照り」(1972年)より)

 

中学生の頃、井上陽水のこの歌を聴いて「いくらなんでも道端で子どもが死ぬってことはないだろ」と思ったが、

熱中症で昨年夏は130人弱、一昨年は160人死んでいる。

日中、外で運動することはおろか、外出そのものを控えなければならない状況だったから、この歌詞が大げさではなくなった。

井上陽水 / カンカン照り (おやじ注「かんかん」が正しい)

 

「最後のニュース」(1990年)では

原子力の水と石油達のために

私達は何をしてあげられるの

と歌った。

福島第一原発の汚染水の解決が見えない今の状況そのもの。

井上陽水/最後のニュース

 

そして、

町へ行けば人が死ぬ

町へ行けば人が死ぬ

(「桜三月散歩道」(1973年)作詞は長谷邦夫)

とも歌っている。

 

「町に行って人が死ぬ? なんじゃそりゃ!」

と思ったがこれも本当になった。

井上陽水/桜三月散歩道

 

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の対象地域が、全国に拡大することとなった。

作戦は小出しにすべきじゃないからいいことだと思う。遅すぎたかもしれない。

週末何をするかな。

落語のDVDでも観て笑って過ごすか。

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