万天で、マーラーメンを食べ、「コクリコ坂から」を観に行った。
マーラーメンはメニューに激辛って書いてあったが、そんなに辛くない。
昨年みそ吉で食べたつけ麺の方が辛い。
辛ければいいってもんじゃなく、旨味が無ければダメだと思うのだが、旨味も辛みも足りなかった。
そして「コクリコ坂から」。
観る気は全くなかったのだが、息子がどうしても観たいというので渋々観た。
息子は高校生だが、まだおやじにつきあってくれる。近々、おやじと行動をともにすることを嫌がるだろうから、今は息子の言うことをきいておく。
映画の時代背景は昭和38年ぐらい。
当時の高校生が主役。
俺の高校時代はこの映画より10年ぐらい後の話だが、雰囲気は似ている。
振り返るといろんなやつがいた。
いろんなやつがいたが、体制に流されない力強さがあった。
成田空港建設に反対するために、学校を休んで闘争に出かけた人がいた。哲学について語り合う友もいた。一見ふざけたやつが、難しい書物を読んでいたりした。生きることの意味を真剣に考えていたやつがいた。
そんな若者の力強さを思い出させてくれた。
俺はおやじだから、「昔は良かった、それに比べて今の若い奴らは・・・」って叫ぶぞ。
過去を大切にするっていう事を訴えていたこと、朝鮮戦争に日本が関わっていたことを気づかせてくれることに好感が持てた。
そして何より、カルチェラタンを残すために一致団結して頑張ろうとする姿が、大震災後の今の日本の状況と重なって、何とも言われぬ感動がある。
途中、「ん?メロドラマか?」って感じの所もあったが、登場人物自らが「これじゃ安いメロドラマだ」って言ってたし、よけいな演出が無くズバッとストレートだったので、それはそれで良しとする。
息子に感想を聞いたら「うーん、普通」と答えたが、これは大人の映画である。
子どもにはわからんだろう。 俺はジブリの最高傑作だと思った。
監督の宮崎吾朗。「ゲド戦記」では世間の評価が得られなかったようだが、これで一歩前進か。
ただこれまでのジブリ作品とは、(当たり前だが)雰囲気を異にするので、人々の評価は分かれるだろうな。
声優の長澤まさみさん、岡田准一さん、竹下景子さん、石田ゆり子さん、風吹ジュンさん、内藤剛志さん、香川照之さん。全員上手い。
俺の息子の名は「そら」。弟ができたら「りく」、妹ができたら、「うみ」って付けようと思っていたので、登場人物の名前だけでなんか親しみが持てた。
そんなわけで、何十年かぶりにパンフレットを購入し、「コクリコ坂から」のノートも2冊買ってしまった。