コロナだから特別にすることもなく、読書が進みます。
喉が痛くて眠れないので、昨夜は1時40分まで読んでいました。
疲れた体に、こういう大人の純愛物語は生きる希望が湧いてきていいものです。
私は本を読みながら、自分が映画やドラマのプロデューサーになったつもりで、配役をどうするかを想像することが多いのですが、主人公の男はちょっとチャラいが仕事を熱心にする32歳の独身なので、どうしてもジャニーズ系を思い浮かべてしまいました。
そしたらすでにこれ、ドラマになっていたんですね。
案の定、藤ヶ谷太輔くんがやってました。
ヒロインの奈緒さんもイメージにぴったりです。
主人公が高校生の時、思いを寄せていた真織さん役は誰だったんだろう。
南沙良さんがいいかなと思いましたが、ドラマでは中井友望という方でした。
知らない方ですが、この方もいいなと思います。
印象に残った文章は、主人公が東京のビルの屋上から下を眺めるところ。
屋上からは人間が作り出したさまざまな建物が見えた。その建物の中にたくさんの人がいて、それぞれが違う人生を生きている。日々起こる喜怒哀楽、人から見れば取るに足らない小さなことで、真剣に苦しんだり、泣いたり、怒ったり、時折人を恨んだり、そんな感情の泡立ちすら、ここに立って想像すると、愛おしいものに思えてくるのが不思議だった。地上から遠く離れた高い場所にいるせいだろうか。
山に登ったときに、下の街の様子が見えると、今そこに住んでいる人たちは何を考え、何をしているんだろう。一生懸命何かに取り組んでいる人もいれば、ぼんやりくつろいでいる人もいるだろう。人の営みってなんだかすごい、なんて考えることがしばしばありました。
上の文章では「感情の泡立ち」という見事な表現をしています。さすが直木賞作家、と思ったところでした。