空が青いから白をえらんだのです
たったこれだけの「くも」という詩。
書いたのは奈良少年刑務所の少年。
少年のおかあさんは7年前に亡くなった。
おかあさんは病院で『つらいことがあったら、空を見て。そこにわたしがいるから』と少年に言った。そしてそれが最後の言葉になった。
おとうさんは、体の弱いお母さんをいつも殴っていたらしい。
「僕は小さかったから何もできなくて・・・」
という少年の言葉が切ない。
どんな罪を犯したか知らないが、幼少期の体験で感情を表に出すことができず、鬱屈したものが爆発してしまったのかと想像する。
少年は空に浮かぶ雲におかあさんを見たのだろう。
この少年に幸あれと思う。