お梅は500年前(戦国時代)に、大名一族を呪い殺した人形です。
木箱の中に閉じ込められていましたが、古民家の解体作業中に木箱の外に出され、眠りから覚めます。
お梅の得意技は瘴気(しょうき)と呼ばれる毒ガスと、人間の心の中から負の感情を読み取り、それを大きく増幅させる能力。
この二つの技を使ってお梅は現代社会に戸惑いながら、人を呪い殺そうとします。
フリーターでぱっとしないユーチューバー、失恋して自暴自棄の女性、引きこもりの若者などに呪いの技を仕掛けますが、ことごとくそれらの人たちは幸せになっていくという、お梅にとっては痛恨の極みが繰り返されます。
章ごとにゆるい繋がりがあり、最終章で全ての話の登場人物が出てきて伏線回収となります。
全然怖い話ではありません。むしろ笑いと涙の話です。帯に「呪われ人生喜劇」とありました。ちょっとした社会に対する皮肉も楽しめます。
ラジオ福島と福島民報で紹介された、県内の本屋さんの「今週のいちおし」で取り上げられていました。
私もお勧めしたいと思います。そしてお梅、うちに来てほしいです。