読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『木を植えた男』(小5に読んだ本)

2020年07月14日 | 哲学・生き方の本
以前、小学生新聞で『木を植えた男』という絵本が紹介されていました。
絵本と言っても、言葉もなかなか難しくかなり深いお話です。
お子さんたちから「読みたい!」とリクエストをいただきましたので、6月末から3週に渡って読みました。

 この絵本の舞台は、フランスです。
お話は、ある一人の若者の体験談が語られるように進んでいきます。
若者が旅の途中で出会った男、エルゼアール・ブフィエ氏が、タイトルにある「木を植えた男」です。
若者と出会ったとき、彼は55歳。
かつてはふもとに農場を持って家族と一緒に暮らしていましたが、一人息子と奥さんを失い、世間から身を引いてまったくの孤独の世界にこもるようになったのです。
羊と犬を伴侶にしながら、ゆっくり歩む人生。
でも、ただのんびりと過ごすより、何かためになる仕事をしたいと思い、思い立ったのが、不毛の地に生命の種(どんぐり)を植え付けることでした。

ブフィエ氏が木を植えている間、世の中では第一次世界大戦、第二次世界大戦がありました。また、植えた苗が全滅するといいうことも起きました。

世の中がどうなっても、また、どんな困難が訪れても、ブフィエ氏は木を植え続けました。そして、一人の人間の行動が、環境を大きく変えていきます。

ブフィエ氏の人生は決して華やかなものではありませんでしたが、その行いは環境を変え多くの人を幸せにしました。

戦争のような破壊活動をするのも人間ですが、人間には世の中を幸せにする力もあるのです。
人としての生き方を考えさせられる絵本です。
印象派絵画のような絵も素晴らしいので、お話はまだ難しくて分からないお子さんは、まずは絵を鑑賞して楽しむのも良いと思います。
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