ルクノス ~ともし火~

日本聖公会 北関東教区 宇都宮聖ヨハネ教会のブログです。

聖霊降臨後 第2主日

2006年06月19日 | ショートメッセージ
今日のテキスト(マルコによる福音書4:26-34)は短いたとえ話ですが、
「神の国」のたとえの一つです。
ここでは、「神の国」をからし種の様なものとして、たとえを語っています。

皆さんは、からし種というものを見たことがあるでしょうか。
大きさとしては、あんぱんなどにトッピングされている芥子粒などよりも
更にちいさいというから、とても小さなものだということができるでしょう。

今日の聖書箇所では、これを小さいもの、
地上のどんな種より小さいものの例としてあげています。
これは、物質的に小さいという意味でしょう。
しかし、本当に目には見えないものが
私たちの生活に大きな影響を及ぼすものもあるのではないでしょうか。
たとえば、ほんの些細な悪口や態度でも
私たちに大きな影響を与えるものもあるのです。

聖書は、これと逆のことを言っています。
からし種のような小さなものがこんなに大きなよい働きをする。
そんな小さなこと――それは、一瞬の微笑かもしれないし、
何気ないひと言かもしれません。
そうした小さなことが良い影響をも
私たちに、もたらしてくれるのではないでしょうか。

私たちは、小さなもの、些細なことのような何かが、
実は大切なことであるという経験をすることがあります。
そうした小さなこととの関わりの中で癒されたりすることは、
とても素敵な体験だと思います。
小さなからし種が大きくなってその枝に鳥が休むように、
日々の暮らしの中で出来る小さな何かによって
人が安らぎを得られるとすれば、
それは、聖書に出てくるからし種のような存在として、
われわれが生きることを意味しているのではないでしょうか。

執事 マタイ金山昭夫 《2006.6.18 週報より》