僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
コメント欄はモラルを守った上で御自由に書込みどうぞ。

七尾旅人「リトルメロディ」

2012年08月10日 | 七尾旅人
今週は七尾旅人のニューアルバム「リトルメロディ」が発売。

七尾クンはこの1年で聴き出した。幾つかのアルバムを聴いたけど作品ごとに全く違う。
「billon Voices」は聴き易かったし、斬新さに魅かれたがその他のアルバムはウーン(笑)
「911FANTASIA」は曲の多さ(30曲!3枚組!)、ミュージカル仕立の構成、
何より911というテーマの重さに正直ひいた部分も。
「蜂雀」「パンクアダージョ」(18曲入り!)は光る部分はあるが聴き込むまでは至らず。
だから、今回のニューアルバムも買うのは悩んだ。独特の世界を受入れられるか不安があった。
でも一方でかなり興味あった。

批判ばかり書いてるが七尾クンの書く曲は独特で他のアーティストに無い魅力がある。
アルバム全体としてはイマイチでも(スマン笑)ピカリと輝く歌が必ずある。
「蜂雀」の「ぎやまん」や「おやすみタイニーズ」のメロディラインはクセになるし
「911FANTASIA」の「少し浮かれて」「airplane」はもう驚愕した。
国際貿易ビルに突っ込んだ飛行機に乗った人のキモチを歌のテーマにする奴がいるとは!
「billon Voices」は歌だかラップだか叫びかワケが分からない作品を連発。笑った。
こういうのを異才・天才というんだろう。天才のやることは凡才には理解できん。
だけど無視できない。気になる。

この1年で色んなイベントで彼のライブに触れて場を創るエネルギーにも惹かれてた。
でニューアルバム、思い切って買ってみました(長い前置き(^^;)ゞ)


聴いてみて・・・凄く・・満足感、充足感に包まれた。
今までのとがった作風と全く違う。「歌モノ」フツーに聴ける。
基本、弾語り+バンドサウンドでまたサウンドもソウルで柔らかい。
どうしたんだ?今まで持ってた牙を引っ込めたのか?ナイフは片付けたのか?

いや、違う。牙はチャンと生きてる。ナイフは鋭く光ったままだ。
このアルバムで七尾クンは311で傷ついた世界に取っ組み合ってる。
単なる創作のモチーフではなく「生きていくためのテーマ」として向き合ってる。

七尾クンは東北支援活動も積極的に行い東北でライブもやってる。
しょっぱなから福島に棲む人の放射能への不安を綴った「圏内の歌」
他にも度々出てくる「もう戻れない」「魔法が解けた」「ぜんぶ嘘だと言ってくれ」
といった何処か哀しく諦めたような歌詞。
明らかに「あの日以降の世界」を描いてる。
極めつけは「Memory Lane」これは明らかに被災地の光景を描いてる。


 「戻れない場所で君はまだお姫様」「どうしても帰れないの?」
 「瓦礫の街で 君はまだ諦めないまま」
 「どこ行くの?教えてよ ここを離れて どこいくの?」

この歌を聴いたとき。この1年で見た東北が一気にフィードバックした。
仙台荒浜、石巻、いわき、荒れた海岸、山ほどの瓦礫、笑って話す現地の皆さん。
泣きそうになった。同時に温かく優しいキモチになった。なれた。

そう、このアルバムは311後の傷ついた人、風景に優しく寄り添ってる。
オンガクを創るために悲しい事件をテキトーにネタにしてハイおわり、じゃない。
傷ついた人のために何かをしようとしてる。歌、オンガクの力を信じて。
あくまで優しく、温かく真っ直ぐと「闘ってる」。全力で。全身全霊をこめて。

このアルバムを聴くと東北ボランティアで見た光景を思い出す。
でも、決して悲しいキモチにはならない。むしろ温かく優しいキモチになる。
仙台の空、荒浜で会ったおじいさんたち、農家のおじさん、その笑顔。
いわきの海、畑、石巻の山ほど積まれた瓦礫・・思い出して・・泣いて笑ってしまった。
オンガクを聴いて東北を想ってこんな優しいキモチになれるなんて。

そして「サーカスナイト」「Memory Lane」を聴くと矢鱈「あきらめてたまるか」と力が湧く。

最終曲「リトルメロディ」・・・熱い力に溢れてた・・ただ聴いた。

 「いつかかなえてみせるって 小さなメロディ」「これからやり直せるさ」
 「どんな壁も越えてゆけよ 小さなメロディ」
 「何億光年の遠すぎる時間を 短い歌で超えよう」

なんだ、こいつ、矢鱈熱い奴じゃん。ロックじゃん。
あの独特のファッション、話し方からレイドバックした奴かと思ってたけど全然違う。
ホントは凄い熱い優しい歌うたいでロックシンガーだったんだな。
今までは前衛的なスタイルで尖った方向でエネルギーを撒き散らしてたけど
今度はストレートをズドンと放り込んできたんだ。潔いくらい。真っ直ぐと。

若いの、やるじゃん。キミはまだ、あきらめてないんだな。
オレもそうだ。あきらめたくない。腹が立つこと、ウンザリすることばかりだけど
あきらめるのはイヤだ。逃げるのもイヤ。オンガクに力を貰って闘い続けたい。

次、東北に行くときはこのアルバムを旅のお供に連れて行ってあげよう。
「東北」をステキに描いてくれたお礼だ♪

ウチの王子様はゼリーを前にドキドキ。目がキラキラ輝いてます\(T▽T)/
キミのオモシロさ、愉快さもオレのエネルギーだよ♪


さ、にゃにゃん。明日から夏休みだ。いっぱい遊んで楽しくすごそうな☆


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七尾旅人「百人組手」@赤坂ブリッツ

2012年01月29日 | 七尾旅人
七尾旅人がゲストと即興セッションをするイベント。
ゲストがZAZENBOYS、CHARA、近藤等則、坂田明という曲者ぞろい。
そして、昨年吉祥寺で見た大友良英とオーケストラFUKUSHIMAが参加する。
ということで興味津々。また今までライブで見た七尾クンは何れも弾き語り。
優しくほのぼのムード。これはこれで楽しいけど、アルバムを聴いた感じでは
もっとアートで前衛的。今回のイベントでは「過激な七尾クンが見たくて」行った。

早目についたのでTBS周辺を散策。矢張り人工的でミョーに浮かれた感じが馴染めない。

ただノンビリ歩いて入場したのがかなり遅れて席はずっと後ろ。しまった!(^_^;
客層は若い。ファッションもクラブ系というかボクが普段行くライブとは全く違う。

七尾クン大友さん以外は未体験。向井秀徳はナンバーガールは聴くがZAZENBOYSは未聴。
どのミュージシャンも知らない音世界。ワクワクする。
定刻をかなり遅れて七尾クン登場。いつも通り麦藁帽子と下駄\(T▽T)/
このイベントの趣旨「基本1人が好きで大勢は苦手だけど良いミュージシャンに
負けたくないと思って始めた」らしい。で先ずは弾き語りで「圏内の歌」。
「放射能、子供だけでも逃がしたい、帰れない」福島に住む人の視点で語る歌。
若い客席もじっと聴きこんでいる。で以下ゲストとのセッション


○AFRA+櫻井響
勢いよく登場。威勢のイイRYMEを繰り出す。客席大盛り上がり。
ラップミュージシャンのライブは初体験。でも「人生応援ラップ」でなく
目の前の事をネタにしてひらすら叫びまくる姿勢は好感。
七尾クンと「旅人」をひたすら怒鳴る。七尾クン、ダンス。いやぁオモシロい。

○大友良英&FUKUSHIMAオーケストラ
七尾クンが呼び入れ大友さんとFUKUSHIMAオーケストラがステージに登場。
会場から温かい拍手が飛ぶ。今回は何とお客さんからも演奏の参加を呼びかけ
その方達は1列目で楽器を持って待機。一旦練習で音を出す。
そのままオーケストラの皆さんはステージ後方に座って出番を待つという
何とも珍妙な光景(^^;)ゞ

○近藤等則+坂田明
続いては近藤等則、勿論名前は知ってる。でもナマで見るのは初めて。
地を這うようなトランペットを鳴らす。七尾クンは叫ぶように声を出し応戦。
音がゆがみ広がる。ノイジー、でも、これがずっと続くのは一寸ツラいかも。
と思ったら坂田明が参加。フリーキーなサックスを聴かせる。
3人が次から次と技を繰り出す。音のプロレス、格闘、取っ組み合い。
でも、これって考えてみれば80年代に山下洋輔と坂田さんがやってた世界では?
若い衆は近藤さんなんて知ってるのかな?でも皆楽しそう。
そしてリズム隊が加わり客席絶叫!そう!ZAZENBOYSだ!音が暴走し出す。
そして、暗闇の中、向井秀徳が登場!

○ZAZENBOYS+近藤等則+坂田明
向井、青いシャツ、帽子のカジュアルな装い。
ナンバガがずっと聴いてたけどナマ向井は初めて見る。凄いオーラ、存在感。
ステージのエネルギーが一気にうねり出す。向井「ドッコイショ」とひたすら唄う。
七尾クン、声をモジュレーターで歪ませて応酬。向井エレキかき鳴らす!
やがてエンディングが「ラッセーら、ラッセーら、ええじゃないか」とよさこい風に。
これってナンバガの「INUZINI」でやってた奴だ。オレは狂喜\(T▽T)/
会場は狂ったように踊る。なんだ?これ?この場は?
最後は「赤とんぼ」のカバー。向井、意外と朗々とした声で歌う。
七尾クンがコーラス。当然キレイに終わるわけない。途中で爆音、マツリ状態。
七尾クン「シャッター商店街のマイルス・デイビス」を唄いだす。これ聴きたかった!
でも、歌詞をガラッと変えてる。「セシウム!オレの精神は溶解!」と叫ぶ!
なんか・・・凄いことになってる。向井エレキを鳴らし坂田さんと笑い合ってる。
近藤さんが後ろに控えていたFUKUSHIMAオーケストラのメンバーを引っ張り出し踊る。
他にいたオーケストラメンバーも前に出てきて想い想いに踊る。
自由だ、そして熱い。客席はあおり囃し立て一緒に踊る。
いやー、凄いモン見た。とんでもなかった。ZAZENBOYS、向井スゲえ。

○CHARA
七尾クンとCHARAの弾き語り対決。の筈が七尾クン照れて勝負にならない。
父親が買ったCHARAの1STアルバムを小学生(!)の時聴いてファンになったとの事。
結果、雑談&七尾クンのリクエストに応えてCHARAが歌うコーナーに変更(^_^;
ナマCHARAは初めて。へぇピアノ弾きながら唄うんだ。
意外とシンガーソングライターしてる人なんだ。で声が圧倒的。
「愛の自爆装置」や「あいのうた」を聴かせてくれた。聞惚れてしまった。
七尾クンデレデレで、てんで勝負にならない。
最後はCHARAにハグされてメロメロだったし(T▽T)

○飴屋法水
この人のこと実は知りません。2階から色んな音を出してミョーな
パフォーマンスを繰り出す。柱をハンマーで叩いたりバケツを吊り下げたり。
しまいには上からロープで降りてきて傘を差しながら客席の上を歩く。
結構危ないパフォーマンス。安全性を考えたら普段やらんだろう。
でも、そういうルールを飛び出てこそロックだしアートだと思う。

○大友良英&FUKUSHIMAオーケストラ+ピカ+坂田明
いよいよFUKUSHIMAオーケストラの登場。客席盛大な拍手。
オレも力いっぱい拍手した。何か・・胸が熱くなる。
ピカが、坂田明が、七尾クンが、そして大友さんが指揮して音が鳴り響く。
ロックでもない、アバンギャルドでもない。でも、同時にロックでアート。
オーケストラのメンバー、次第に前に出てくる。自己主張を始める。
七尾クンと坂田さんが向かい合って怒鳴りあってる。

オーケストラの鳴らす音は力強くエネルギーに満ち溢れてた。
それはかって、Coccoが沖縄で学生オーケストラとやったライブを想い出した。
プロの完璧な演奏とは違う。でも一般人の出す力と音。
それはパンクでロックでサイコーにカッコよかった。
今日、この場にいるFUKUSHIMAオーケストラはサイコーだった。
あの場にあがって、この人たちと一緒に音を鳴らしたいと思った。
オレはミュージシャンじゃないし楽器も演奏できない。でも客席で見てるのは歯がゆい。
最初呆気にとられていた客席も大友さんに煽られて拍手鳴らして声を出す。
ステージと客席で音が溢れて鳴り響く。それはかってない体験だった。

最後は七尾クン弾き語りで「帰り道」をしっとり演奏。
これも福島で見た光景を元に出来た歌。じんわりとしみてきた。

○アンコール、全員
鳴り止まぬアンコール拍手に先ずZAZENBOYSが登場!をオリジナルやるのかな?
向井静かにギター鳴らす。近藤さん、坂田明が登場。最後に七尾クン登場。
始まったのは「Rollin' Rollin'」。その瞬間、会場全体が一気に熱を帯びる。
そうか、この曲って皆にとって大切な曲なんだ。元春で言えば「アンジェリーナ」?

客席も一緒にサビを唄う。振り上げるのは拳でなくてピースマーク♪
オリジナルではやけのはらが担当するラップを向井が叫ぶ。
しかも「終わらない諸行無常、六本の狂った鋼の振動」と歌詞をアレンジ。
これナンバガでやった語りじゃん!!オレ再び狂喜~( ̄∇ ̄~)(~ ̄∇ ̄)~

途中でなんとやけのはら自身も飛び入り。AFRA+櫻井響もRYTHMを繰り出す。
うわぁ、こういうノリは今まで体験なかったなぁ。
七尾クンってこういう熱い場を造れるアーティストなんだ。見直したぜ☆
オレも若い衆に混じって叫ぶ。楽しいな。オモシロいな。で大団円。

七尾クン、最後ホント嬉しそうにゲスト、スタッフ、客席にお礼を言ってた。
「やってよかった」「次回またやる。客席全員楽器持って組手しょう!」と叫ぶ。
そう!次回はオレも何か鳴らしたい。なんか鳴り物を持ち込もう。

会場を出ると季節はずれのツリーがライトアップ。

ホント楽しかった。興味本位で行ったライブなのに暴れまくって筋肉痛の嵐。
どのミュージシャンも良かったけど矢張り向井秀徳とFUKUSHIMAオーケストラ
は素晴らしかった。FUKUSHIMAオーケストラの皆さんはきっと色んなことを
抱えてるんだろうけど、ホントにサイコーの音を聴かせてくれた。
サイコーだよ、FUKUSHIMAカッコいいぜ!ココロからそう思う。

正直ボクは福島に対して自分にどんな支援が出来るか決めかねてる。
でも、昨日のあの音を聴いたからには何かしたい。
まだ、何が出来るかワカンナイが大友さんの活動はフォローし応援したい。

色々実りの多いライブでした。にゃにゃん、行ってよかったよ♪

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夏まつりと初ナナオ

2011年08月23日 | 七尾旅人
先週週末は涼しくてお散歩日和。
土曜日は近場の商店街から浅草周辺を猫めぐり。
馴染みの猫さんから初顔まで色んな猫さんと遭遇。
中でもこのコは傑作。見かけゴツイので人は苦手?と思ったらトンでもない(^^:
「にゃあ」と甘えた声でスリスリ甘えてくる。カワイイ奴だ。(^_^

あるお宅の前では車の上に何ともキレイなお嬢さんが。
足元を見るとこれまた猫さんの団体がうずくまってる。

その後もカワイイ親子連れとも会いボクは大満足。大漁♪大漁♪

日曜日の午後、ボクは御徒町の佐竹商店街に向かう。小雨で矢張り涼しい。
この商店街の夏祭りに七尾旅人クンが出演しフリーライブをするとの情報。
実は最近思うところあってこの夏はライブイベントの参加は自粛。
でも、七尾クンはソングライターズ以来、気になるアーティスト。
ライブは見たいぞ!ということで急遽参加。一貫性の無い奴(゚゜)\バキ☆

嫁はライブは見ないけど散歩は付合ってくれた。上野で美味しいウドンを堪能。
その後は御徒町周辺を散策。旧い佇まいの家が結構残っている。
御徒町周辺はよく歩いてるけど佐竹商店街ははじめてかも?
こじんまりとした商店街で夏祭り自体もこじんまりとしている。

ライブ会場を確認できたところで嫁は帰る。
フと見ると七尾クンがフツーに露店の前に座ってる。意外とゴツイな。
でやっぱり麦藁帽子と下駄なのね(T▽T)

七尾クンのライブまで夏祭りを楽しむ。お酒を呑んだりお好み焼きを食べたり。
通りのあちこちに露店が出て射的やゲーム、お酒や食べ物を売ってる。
子供たちは駆け回りお年寄りも若者も楽しそう。

ボクがお酒を呑んでると若いカップルがイカのツマミをご馳走してくれた。Thanks☆
人付合いが苦手なボクは自分から他人に話しかけるは無いけど祭りのムードは満喫。
一方で嫁が横にいたらもっと楽しいだろうな、とも思う(子供か?(^^;)ゞ)

ステージでは若いミュージシャンがテクノっぽい音楽を鳴らしてる。
商店街の夏祭りでこんな音楽鳴らすんだ。新鮮。続いて音楽のワークショップ。
子供も参加してギター鳴らしたり風呂桶を叩いたり楽しそう。
そのうち七尾クンやスティーブエトウ、青葉市子さんも参加して即興のセッション。
七尾クン、「佐竹町は元気な商店街~!」みたいにテキトーな歌詞で歌う。
凄くイイ声。そして自由で勝手気まま。CDの自由で奇才溢れる作風そのまま。
七尾クンもスティーブも楽しそう。街の皆さんも何より子供が楽しそう。
七尾クンのライブ開始時間が近付いてるがセッションが終らない。
七尾クン目当てのお客さんも集まって手拍子&歓声。

ホールやライブハウスでのカッチリ決まったライブも楽しいけど、
こういう街中でのその場での気ままなセッションも凄く楽しい。


そのまま七尾クンのライブ開始。お客はそのまま地べたに座る。
をいをい整理番号の意味ないじゃん!(T▽T)
七尾クン先ずは「シャッター商店街のマイルス・ディビス」を歌いだす。
でも「こんな賑やかな商店街でシャッター商店街も無いだろう」で取りやめ。
好きな曲だけに残念。でもこの曲「オ××コ野郎」って歌詞あるし止めて正解かも(笑。
「おじいさん・おばあさんも喜ぶ曲」と言うことで「知床旅情」「星に願いを」のカバー。
でも歌謡曲やスタンダードの匂いは全くしない。七尾クン独自の世界に変っている。

オリジナルも沢山演奏。未発表曲「七夕の唄」はキレイ。
ともかく声とギター。不思議なメロディと不思議な音色に惹きこまれる。
それを商店街の地べたに座って聴くと言うミョーな環境。サイコー!
オンガクはホールやライブハウスだけで鳴ったり聴くもんじゃない。
そういう場所でも楽しいけど、別の場でも楽しめるはずだ。自分しだいで。

七尾クンは楽しいのかよく喋る。「ここは活気溢れてて楽しい商店街だ」
「そこでババシャツもらったよ」「そこの料理屋でバイトしようかな?」

後半は「どんどん季節は流れて」「Rollin' Rollin'」で一気に盛上がる。
七尾クンに煽られて客席大合唱。ラップの部分も簡単に歌う。凄いぞ、客V(^_^)
一旦ここで七尾クンはトイレ休憩。で戻ってきてアンコール。
「圏内の歌」を優しく歌う。でも・・必要以上の感情移入は無い。
そう七尾クンの歌はあまり感情移入が無い。だから感動とか熱さとか痛みは無い。
キレイなオトがキレイなまま鳴る。声もサウンドの一部。それ自体ひとつの世界だ。
七尾旅人という「音世界」が目の前で繰り広げられてそれにオレの脳が反応する。
これは今まであまり味わったことがない体験だ。刺激ある。

最後は「オーヴァー・ザ・レインボウ」に日本語歌詞をつけて朗々と歌う。
ここでライブは終わり。初ナナオ。凄く楽しかったな。
今回夏祭りのライブということで激しい曲は演奏されなかった。
次はライブハウスでソロライブを見てみたい。ぜひ見たい。

明日からボクと嫁は山形に旅行。ヨモギは独りでお留守番。
ボク等が旅行の間は馴染みのペットシッターさんにお世話を頼みます。
土曜日の夜シッターのお姉さんが打合せに登場。
ヨモギはこのお姉さんが大好き。でも1年ぶりに会うので覚えてないみたい。
お姉さんが家にいるのが落着かないのかミョーにオタオタドキドキ。

にゃにゃん、留守番は任せたぞ。お姉さんにたっぷり遊んでもらいな☆

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ソングライターズ3最終回

2011年07月10日 | 七尾旅人
昨夜は「ソングライターズ3最終回」。七尾クンの後編。
眠気をガマンしてみました。

ワークショップは七尾クンが福島について歌った「圏内のうた」に対して
学生さんがアンサーソングを書く構成。
「圏内のうた」のあまりに率直な歌詞に胸がグサリと来た。
対する学生さんの作品も素晴らしい。一生懸命作ったんだろうなぁ、ひたむきに考えたんだろうなあ。
ワークショップでは珍しく元春がリーディング。七尾クンがサウンドとコーラスをつける。

見てて聴いてて苦しかった。ある学生さんも「苦しい」と感想を言っていたけど正にそう。
優れた表現に触れるとココロが痛くなる。苦しくなる。
元春と七尾クン、2人とも闇の向こうの光を見出そうとしてた。
一方で七尾クンが編んだサウンドには絶望や暗闇、苦しみが描き出されていた。
希望、光と絶望、闇が混然一体となった凄いパフォーマンスだった。

七尾クンは「150の歌詞全部採用したい」「ただ1つの声にも耳を傾けるのがロック」と
言っていた。彼の作品もそう。どのアルバムも必ず闇や絶望に光を当ててる。
暗い部分を切り捨ててない。凄く誠実なアーティストなんだ、と思う。

ただ、彼のアルバムを聴いているとその誠実さ故、色々やり過ぎてる気もする。
3枚アルバム聴いたが1枚ごとに内容が大きく変る。
「これぞ七尾旅人」って言う固定イメージを持ちづらい。
光も希望も闇も絶望も、あらゆる音楽スタイルを呑みこもうとしてる気がする。
だから正直わかりにくい。でも。。。それはそれでオモシロい。みててドキドキする。
彼が今後どんな方向に進むのか?はフォローしていきたい。

「ソングライターズ3」の最終回、いろいろ考えさせられた素晴らしい回だった。
ボクとしてはこのシリーズ今回で完結しても良いと思う。
3回のシリーズを通じてじゅうぶん楽しんだ。
まだ呼んで欲しいゲストもいるけど・・・・まぁそれはイイかな?

というのは、ある意味みているボクが「優れたものを見せてもらって当然」と
慣れてきたような気がするから。そして「もっと強い刺激を」求めてる気がする。
このままシリーズ4、5と続けると「もっともっと凄いモノを見せてくれ!」
と要求を高くしそうな気がする。
「素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて当然」のワガママな視聴者にはなりたくない。

その意味では昨日の元春と七尾クンのパフォーマンスはサイコーだった。
行き着くところまで行き着いた気がする。だから、この辺でイイ潮時かも知れないな。
本音を言えばDVDに完全版を収録して発売して欲しい気もするが(^^;

最後に昨日だけでなく全編通して受講生の学生さん達が素晴らしかった。
何かを獲得しよう、得ようという真っ直ぐな姿勢。真剣且つ前向きな姿勢。
学生さんの描いた詩も真っ直ぐでひたむきで何かを伝えたいという意志にあふれてた。
だから、その辺のありきたりなラブソングよりよっぽどココロにとどく。

このシリーズの主役は元春、ゲストではなく受講生の学生さん達と思う。
で、彼らは主役を十分演じきってた。
自分で考え自分で創り、自分で表現し、他人にチャンと意見を伝えてた。
その真摯な姿勢にはホント感銘を受けた。見ていて色々学習させてもらった。

余計なお世話だけど、受講生の皆さんには是非創作活動を続けて欲しいな。
で何れはスポークンワーズのイベントを開催して欲しい。
キミ達は素晴らしい。キミ達の未来は明るい。期待してるよ(何様だ?(゚゜)\バキ☆(゚゜)\バキ☆)

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七尾旅人

2011年07月03日 | 七尾旅人
昨日ソングライターズに七尾旅人クンが出演。興味深く見た。
いつもと違って作詞ノウハウの説明は一切無し。
むしろ音楽を取り囲む環境についての話が多かった。
メジャー音楽システムの崩壊、ネットを利用した音楽の伝え方、音楽の存在意義。
七尾クンの「音楽に対する信頼」が垣間見えて爽快だった。

七尾クンは今年フィッシュマンズ各種イベントにゲストボーカルで参加していて
その声には触れていた。
何処となくハナレグミや原田郁子を思わせる優しい歌声に興味を持った。

今回、ソングライターズに七尾クン出演ということで良い機会なので音源を聴いてみた。
2010年に出た最新アルバム「Villion Voices」。
そして2007年に出た3枚組「911FANTASIA」。NY9.11をモチーフにした作品。

どっちのアルバムも聴いててぶっ飛んだ。
ともかく歌い方が凄い。語りからいきなり歌声になり叫び・雄たけびになる。
ラップともポエトリーリーディングとも違う独特の歌い方。saigenjiが近いかも。

で歌詞の内容も結構どぎつい。毒にあふれてる。
ふわふわした長閑な世界を歌う人かと思ったので、イイ意味で裏切られた。
「ロックンローラー目指して会社に辞表を叩きつけて女装して帰宅するサラリーマン」
の歌とか、ひたすら「パンクジャズ」と絶叫する歌とか。寡って聴いた事がないオンガク。
ボクが今まで聴いて知ってたオンガクの概念を引っくり返すようなウタ。

「911FANTASIA」はお爺ちゃんと子供の語りが延々続きその間に楽曲が挟みこまれる。
しかも中東に対するアメリカの攻撃、日本政府のアメリカへの追従を真正面から批判。
さらには阪神大震災、神戸少年殺人事件、オウム、90年代に起きた色んな事件、
そこを通過した若者の醒めた絶望を淡々と歌っている。
3枚目に収録された「airplain」。このアルバムのクライマックスとも謂ってよい曲。
この飛行機の意味・・・それを考えたときゾッとした。

9.11にここまで真正面に取組んだミュージシャンは初めて見た。
絶望の後の人のつながりの大切さを訴えたミュージシャンは何人かいる。
でも「事件そのもの」に真正面に向かい合った歌は初めて聴いた。
これはポップミュージックで取上げるべきテーマか?は疑問。
でも出来上がった作品のあまりの凄さにただただ黙り込むしかない。

「911FANTASIA」は作品全体が重く暗く禍々しく絶望に満ちている。
一方で「Villion Voices」は自由で解放されている。
同じミュージシャンが創ったとは思えない。このぶっ飛び具合はなんだ?

ホント天才っているもんだな。そう思った。
今まで色んなミュージシャンを聴いてきた。でも何れも理解できる範囲だった。
このヒトはそういうところから外れている。超えている。
聴いた・見た印象は「危ない、コワイ、不気味」。
でも、それでイイ。だからこそ、オモシロい。魅力ある。
そんな簡単に分かるアーティストなんてツマンナイ。

そして、決してメジャーではないこういったミュージシャンがNHKの番組で
取上げられること。その創作の秘密が語られるということ。
これはホントに素晴らしいと思う。ソングライターズ次回も楽しみ♪

何度もいうが世の中に天才っているんだ。
こういった天才に出逢えたことがホントにウレシイ。
過去作品もいろいろ聴いてみよう。そしてそのうちライブも行ってみよう。

ちなみに七尾クンの公式HPで音源・映像が色々聴けます。
http://tavito.net/
ボクは「PUNK JAZZ」がおススメ☆こいつ・・ホントに只者じゃない☆
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