僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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ゆれた

2007年02月26日 | コトバの杜
いきなりプライベートな話するが、僕には兄と妹がいる。
兄は3歳上、妹は5歳下。
肉親の僕が言うのも何だけど兄は爽やかなスポーツ青年、妹は愛嬌のあるコ。
子供の頃から周囲の人気者だった。
近所のおばさんがウチの兄弟を評して、よくこんな風に言ってたな。
「お兄さんはカッコいいね、妹さんはカワイイね。真ん中のコは大人しくて優しそうだね」
・・大人しくて優しそう・・って何?それ?何の取り得にもなんないじゃん。

仲良い兄弟だったと思う。子供の頃は一緒によく遊んだし。
でも大人になるに連れ・・・僕は何処か距離を置きだした。

ビジネスマンとして成功を収めた兄、周りから愛されてる妹・・・に、
どこかで劣等感と嫉妬を感じてた。・・
彼等は伸び伸びと自由に生きて色んなものを手に入れた。
僕は周囲の顔色を伺い自分なんてものは出せずに何も手に入れなかった。

いつも兄と妹がうらやましかった。口には出さなかったが心の底でそう思ってた。
そして・・・兄がある失敗をしたとき・・心配しつつ・・
ココロのどこかで「いい気味だ」と思ってたのも本当のキモチだ。

映画「ゆれる」を見た。
都会に出て自由奔放に生きる弟、家業を継いでマジメに生きる兄。
とある事件がきっかけで兄に殺人の疑惑がかかる。

事件を通じて弟は兄の中にある闇を知る。
兄は弟に問い掛ける

 「ねぇ、何で?何で俺とお前はこんなに違うの?」

兄のコトバに・・・自分を投影した。ゆれた。
かって何度も思ったこと、思って何度も打ち消した感情。
くだらないコンプレックス、子供じみた嫉妬。そんなのわかってる。

兄は弟を挑発し責め、弟は兄を疑い、兄を裏切る。
そして二人は引き裂かれる。

順風満帆な人生を送ってると思ってた兄や妹も色んなことを悩んでたらしい。
彼等なりに他人に対するコンプレックスや苛立ちを抱えていたらしい。
そのことを知ったのは大人になってずっと後のことだった。

今では彼等と笑顔で話せる。コンプレックスも嫉妬も感じない。
でも・・・本音で話すこともない。
本音で話す事はないけど・・・穏やかに話せる。それでイイと思う。

最後、弟とひさしぶりに再会した兄は優しく笑う。とても穏やかな顔を見せる。
あの笑顔は本心からなのか?それとも・・・・。

映画はいきなり終わり「てくてくウチに帰ろう」という歌声が流れる。
その歌を聴きながら・・・なぜか泣いてしまった。

感動じゃない、共感なんかしない。だけど・・確かに「ゆれた」。
そんな映画だった。

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「No Way,No Place & My Home9「言葉」

2007年02月25日 | ショートストーリー
" FACE="Osaka" COLOR="#6a5acd">あぁ 言葉とはちっとも 友達になれない
心の中 1度も 上手に話せたことがない
鈴木祥子「言葉」

部屋のドアを開けた。ケンイチは、ヘッドフォンをつけてギターを鳴らしてた。
「何?」「晩御飯」「腹減ってない」弟はそう言うとまた弾き出した。
ワタシは部屋の中を見回した。海外のパンクミュージシャンのポスターだらけの部屋。
「なんだよ?」「冷めない内に食えよ」溜息をつくとワタシはドアを閉めた。

ワタシとケンイチは同じ高校に通ってる。ワタシは3年、弟は2年。
弟は・・夏休みから・・イジメられるようになった。どんなイジメに合ったかは、
弟の名誉のため書きたくない。ともかく酷かった。
それから・・・ケンイチは・・学校に行かなくなった。
1日中フラフラ出歩いたり部屋に閉じこもってギター弾いたり。
お父さんは怒りお母さんはノイローゼ寸前。ウチの中、一気に暗くなった。

学校が終わると街に出てフラフラしてると怪しげな一角に迷い込んだ。
飲み屋やヘンな店がイッパイあるとこ。通り抜けようとしたら弟がいた。
ワタシは慌てて隠れた。ケンイチはお酒のケースを片付けてた。
いかついオヤジが出てきて怒鳴ってる。ケンイチは謝ってる。
そう言えば・・あのときもこうやって隠れてたっけ。

ワタシは思い出してた。去年の夏休みのことを。やたら暑い日だった。
河原でケンイチがイジメられてた。みんなで囲んで吊るし上げてた。
弟は泣いて謝ってた。ワタシはジッと隠れて見てた。
泣いて謝る弟がサイテーに見えた何であんな奴等に頭下げるんだよ。
やり返せばイイじゃん。カッコ悪いよ情けないよ。その後弟は登校拒否になった。

ケンイチが働いてる店はライブハウスだった。
しばらくしてケンイチが学校を辞めると言い出した。あの店で働くらしい。
お父さんもお母さんも怒り叫んでもう滅茶苦茶。でも弟の言い分が通った
ケンイチが退学届を出す前日部屋を訪ねた。
「あんたさホンキで学校やめるの?」「そうだけど」「働くのはイイよ。でも卒業
してから考えればイイだろ。思いつきで決めていいのかよ?」「うるせぇ。関係な
いだろ?」カチンと来た。「このまま逃げるのか?やられっぱなしでいいのか?
悔しくないのか?少しは意地見せろよ」「ヤだ」ケンイチの声は震えてた。
びっくりした。「何言っても通じないんだ。あいつ等には応えないんだ。」
「ムダなんだよ。仕方ないんだよ。あいつ等とはもう関わりあいたくないんだ」
どう言ってイイかわかんなかった。ケンイチにもケンイチをイジメた奴等にも腹が
立った。「サイテ-!弱虫!!」ワタシはそう言うとドアを閉めた。

翌日、ケンイチは一人で学校に挨拶に行ったらしい。あわてて学校に行った。
ケンイチは朝早く来て挨拶してさっさと帰ったらしい。教室にはよらずに。
最後まで逃げっ放しかよ。ガッカリした。授業も身に入らなかった。
フと窓の外見ると校庭に誰かいた。ケンイチだ!派手なカッコでエレキ持ってる。
みんなもケンイチに気付いて騒ぎ出した。ケンイチはエレキを鳴らし始めた。
メチャクチャ音がデカイ。学校中が窓を開けてケンイチに物を投げつけた。
ケンイチは無視してギターをひたすら激しくかき鳴らしてた。
ギターのネックをみんなに向けて何人かを指差して睨みつけた。
まるで告発するように・・罰を与えるように。
ギターを弾き終わると、ケンイチは誇らしげに拳を突き上げた。
ワタシに気づくとニヤリと笑った。そして校門を出て行った。

みんなは何事もなかった様に席に戻った。ワタシは急に笑い出した。
先生はワタシを怒ったけどワタシはおかしくてギャハハと笑ってた。
ケンイチ、ヒドイこと言ってゴメン、あんた弱虫なんかじゃないよ、
サイコ-だよ。あのコは逃げなかった。最後はガツンとかましてくれた。
カッコよかった。イカシてた。
その日ワタシは何だか楽しくて1日中ニヤニヤしてた。


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近所の猫

2007年02月17日 | ノンジャンル
近所に住む猫さんたちの写真。
最近は僕のこと見慣れたのか近づいても逃げなくなりました。
決して、僕にすり寄っては来ませんが(^^;

大体3匹くらいが団体さんで遊んでます。このコが一番大人しいかな?


このコはまだ慣れていなくて近づくと逃げる(笑


このコが一番のお気に入り。器量よし。


お出掛けするとき、この通りを通るのがすっかり楽しみになりました。
嫁に「そんな猫好きだったっけ?」と呆れられてます(笑。
だってカワイイんだも~ん(゜゜ )\バキ☆


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Soul of どんと 07レポ

2007年02月04日 | ノンジャンル

「ダイナマイトで火をつけろ!」で会場は一気にヒートアップ。
Yo-Kingが叫ぶ。「火をつけろ!」「ぶっ殺せ!」。
KyOnさんが青いギターをかき鳴らし前にずんずん出てくる。
玉ちゃんがストラトレッドをふり回す。どんとのロックが炸裂した瞬間だった。

「Soul Of どんと」7年目。会場はいつもの渋谷AXに戻った。メンバーも一新。

客席は若い。ロックフェスでどんとを知っただろうヒトたち。
開場前、「どんと」のレア映像が流れる。海辺、動物園でどんとが独りで歌う。
曲が終わるたび拍手が起こる。どんとの映像に重なり、メンバーが登場。
KyOnさん歌う「ミュージック」で静かに始まった「SOD07」。
KyOnさんが「皆さんお忙しい中ようこそ。こんなグッドチャンスをナイスキャ~ッチ」
とおどけた仕草を交えながらメンバー紹介(^^;

キャラバンの演奏は若々しくみずみずしく、且つ熱かった。
うつみさんのボーカルは圧倒的。「絶体絶命」は最早オリジナル。
関西弁のトークを交えながら途中で「えーじゃないか」を叫びみんなで踊る。
玉ちゃんの「フォークの神様」。最後ストラトレッドを抱えながら爆走!!
玉ちゃんの激しいギターソロには若い衆も歓声を挙げてたのが嬉しかった。
KyOnさんの「カウボーイジャンキーブルース」にはビックリ!
KyOnさん透明なギターをエビぞりながら弾き倒す。
その後、KyOnさんが息を弾ませながらトーク。Pすけとの漫才には笑った。

チホさんの「波」。白いドレスで女神の様に美しいチホさん。
いつもはアンコールなのに中盤で演奏という思わぬ構成。
「どんとはウタになりマツリになりました」といい透き通った声で歌う。
「波は汚れていいのさ」の歌詞についてのエピソードは素晴らしいと思った。
友部さんはどんととのエピソードを珍妙なトークを交えながら語る。
どんとと一緒に書いた曲、そして「孤独な詩人」を独りで絶唱する。
「ウタちから」が凄い。・・・少し泣きそうになる。
kyOnさんから「ソウルおぶどんと初参加」と紹介された、ちとせちゃん。
小さくて可愛らしい。でも声は図太い。「あこがれの地へ」を「コブシ」回し絶唱。
声のちから・・・凄い。聞き惚れてしまった。

いよいよクライマックス。Yo-Kingが登場!
「夢の中」は、もうこのヒトの声以外考えられない。
KyOnさんの「玉ちゃん!」の声で玉ちゃんのストラトレッドが炸裂!

どんとがYo-Kingを誉めてたエピソードを紹介し続いては「マイバックページ」。
そして、「ダイナマイト!」。Yo-Kingは叫び、走りハープを鳴らす!!
KyOnさんと玉ちゃんのギターが吼える!!客席も踊る!
すげえよ!この風景、どんと見たら大喜びだよな、そう思うと少しせつない。

最後は当然「どんとマンボ」!!全員参加!メインボーカルはYo-King、
去年は竹中さん、今年はYo-Kingの独り舞台(笑。
チホさん嬉しそうに前で踊る。玉ちゃん、蘭丸、ラキタでギターソロを回す。
KyOnさんがオルガンをキモチよさそうに弾く。ひたすら続くウタと演奏。
大歓声の中、チホさんが感謝の挨拶をし、メンバー握手して去っていく。

そこに「どんと」の「カーニバル」の映像と歌声が重なる。
客席手拍子で応える。映像が消えても歌声が消えても拍手は鳴り止まない。
チホさんとKyOnさんがまた挨拶に出てくる。何度もお辞儀する。
チホさん「今年は新しい形になったの不安だったけど沢山集まってくれて
ありがとう!来年もまたここで会いましょう!」
KyOnさん「来年も皆さん、グッドチャンスをナイスキャーッチ!」
最後にKyOnさん「誰かさん」みたいにマイクを客席に向けて(笑・・終わり。

いいライブだったな~。定番の曲「魚ごっこ」も「フラワーマン」も「見返り不美人」も
「橋の下」も「ニカラグア」も無かったけど・・・
どんとを身近に感じる親密でリラックスしたイイライブでした。

ここ数年「どんとのウタ」を楽しんでて、あまりシンミリすることなかったけど
何か今年は久しぶりに色々感じて・・せつないような哀しいような気分にも。。

どんとが「情報化」して7年。「Soul Of どんと」もあたらしくなりました。
せつなく哀しいのは僕が知ってる「SOD」が変わりつつあるから?
でも、それはイイことなんだと想う。
あたらしい「SOD」の誕生に、おめでとう。そして、ありがとう。

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