先週日曜日は山谷玉姫公園で開催された「りんりんふぇす」に参加。
シンガー寺尾紗穂と雑誌Big Issue主催のホームレス支援イベント。
ボクは2015年から毎回参加している。過去参加したどんな音楽イベントよりも自由で優しい。
大好きな場所だ。
このイベントは毎年南青山の寺院で開催されているが今回は山谷で開催。
寺尾さんは以前から山谷での開催を希望していたがコロナのため敵わず。
台東区と交渉して数年がかりでやっと開催を実現できた。
野外、好天下で開かれた音楽祭。客席は親子連れ、若い人も多い。
そして山谷で働いているらしい労働者の方、山谷に住むお年寄りも見えた。
前半は寺尾さんの弾語り。「反骨の人」「魔法みたいに」「たよりないもののために」を。
その後はソケリッサ!の踊り。自由度が広がると共に踊りに色んな工夫がされている。
子供のお客さんが楽しそうに見てる様が実にイイ☺
途中で寺尾さんが入りコラボ。
「楕円の夢」で踊るソケリッサを視て何故か涙が出て来た。
此処はホントに自由で優しい空間だ。でも外の世界では戦争差別罵倒色んな痛みだらけだ。
何故、外ではみんな此処にいるみたいに優しくなれないんだろう😿。
その後は「アジアの汗」。寺尾さんが嘗て交流した日雇い労働者の方をモチーフにした歌。
「アジアの汗がしみこんだ建物」のフレーズが響いた。
そう、街中の色んな建物、道路は昭和時代に創られた物。日雇い労働者が作った物も多いだろう。
でも、現代ではそういう人も「昭和の旧いオッサン」扱いでリスペクトされる事はない。
世の中のため沢山働いてきたのに後の世代(ボク含む)は十分な敬意を払わない。それおかしくないか?
その後は三輪二郎によるギター弾語り。フォークブルースと言った趣で実にイイ。
池間由布子も弾語り。静謐。でも染み込んで来る歌。「拝啓、朝」と言う曲が実に善かった。
川村亘平斎の影絵。スティールパンやタブラの音もついて実にオモシロかった。
シンガー、影絵パフォーマンスは素晴らしかったがこの日の白眉はカラオケ大会!
山谷に住むお年寄りがカラオケで歌うコーナー。
一般人がカラオケで歌うなんて普通の音楽フェスでは有り得ない!素晴らしい👏
そして歌った皆さんが実に・・・素晴らしかった。
皆さん介護を受けていて車椅子だったり杖をついていたり。でも🎤を持つと堂々と歌う。
正直声が出てない人もいたし歌が巧くない人も居たがそんなのどーでもイイ。
皆さんそれぞれの個性を爆発させて自分なりに表現している。大事なのはソコだ。
皆さん歌い終わった後、場内は拍手喝采だった。サイコーだった👏
中盤、僧吉水岳彦さんの司会で寺尾さん、稲葉剛さん、山谷で活動しているホームレス支援団体、
ホームレスの看護をしている看護師さん、そしてビッグイシュー販売者によるトークセッション。
テーマは「東京を支えてきた街"山谷"を知っていますか?」。
山谷と言う場所がどういう場所かその歴史。搾取されてきた労働力。
あまりに酷い待遇と改善されない労働環境。健康の問題。そして減る支援の担い手。
・・・ボクも山谷や日雇い労働者の問題をボンヤリとしか知らなかったので衝撃を受けた。
山谷にいる人々(お年寄り)、日雇い労働者は東京の街を創って来たのに十分なケアを受けていない。
日雇い労働者に対する搾取は昭和から続いている問題なのに、政治家も文化人も殆ど話題にしない。
稲葉さんや各支援団体は勿論頑張ってるが、その実情をメディアも取上げないし文化人も話さない。
昨今ジェンダー問題や外国人差別、ヤングケアラーの社会問題として語られているが
ホームレスのケアも同じ熱量で語られるべきでは無いのか?でも誰も議論しないし注目しない。
でも、議論に上がらなくても注目されなくてもその人たちは此処に居るのだ。
社会から視えない人たち、視ようとしない人たち。
それはボクも同じだ。過去りんりんふぇすに何度も参加してるのにこの問題をチャンと考えなかった。
ビッグイシューの雑誌を買って僅かな寄付をして何かした気になって、後は忘れて日常に戻ってる。
他人を非難する資格はボクにはない。ボクこそ視てなかった。視ようとしなかった😿
そして、此処に集まった若い人達が寺尾さん達の話に真剣に聞き入ってる様が素晴らしかった。
七尾旅人のライブでも戦争の話に若いお客さんが真剣に向かい合ってる。
現在(いま)の若い人はホントに凄い。ボクも見習わなくちゃ(^^)
オーラスは出演者全員でムッシューかまやつの「どうにかなるさ」を演奏。
暗闇の中でソケリッサが演奏に合わせて踊る様が素晴らしかった。
いつも通り自由で解放された空間だった。ボクも何だか解放されていた。
笑顔で玉姫公園を後にした。
帰り歩きながら考えた。今回も楽しかったが楽しいだけで済ませてイイのか?
トークセッションで出た話がアタマから離れない。
イベントに参加して楽しむだけでなく、もっと何か出来ることがあるんじゃないのか?
例えば5年後、今の仕事を退職後にホームレスを支援する仕事に就くとか。
ボランティアで何かお手伝いするとか・・そういうのを考えてみるのもアリじゃないのか。
勿論そんなことが本当に自分に出来るのか、それは十分考えなくちゃいけない。
イベント参加してのぼせてるだけ。単なる思いつきだ。
でも、例えば今の仕事の後にそういう選択肢もあるのだと。それはアタマの中に置いておこう。
翌月曜日は会社はお休み。年末から働きどおしで心身ともボロボロ。
そして、公園で立ちっぱなしでライブを観て足腰が痛い。
老後何やるか考える前に先ずは体力つけねば。話はそっからだ
写真はステージに飾ってあったお花。多分寺尾さん自身の手によるもの。美しい🌻
毎回思うが、今回もりんりんふぇすに参加してよかった。
ここに参加すると色んなことが視えて考える様になる。今回もそうだった。
まだ、うっすらとしか視えない。まだボンヤリとしてる。そのうち視えなくなるかもしれない。
でも、一瞬でも確かに視えたのだ。
なら目を塞がず視続けよう。そこからまた何か視えるかも知れないしV(^^)
りんりんふぇす、やっぱサイコーだ。来年も絶対行こう
な、おはちゃ🐱