僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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カーネーション「Suburban Baroque」とインストアライブ

2017年09月25日 | カーネーション
最近カーネーション直枝さんのエッセイ本「宇宙の柳、たましいの下着」をよく読んでる。
10年位前に出たディスクガイド本。直枝さんが影響を受けた音楽、好きなCDを紹介してる。
それは、まんま直枝さんの個人史だ。
此処には直枝さんの音楽に対する過剰な想い入れ、1つの歌から広がる妄想に溢れている。
この想い入れ、妄想力があってこそ直枝さんは数々の歌を紡ぎ出せるのだろう。

今月、カネのNewアルバム「Suburban Baroque」が発売となった。
先週土曜日にインストアライブが新宿タワレコで有ったので嫁@パンダと行ってきた。
カネのインストアライブを見るのは「Utopia」発売時以来5年ぶり。

ライブは直枝さんアコギ+ゆるずさんシェイカー&Choで進行。
ゆるずさん、なんでベースを弾かないんだ?(^_^;
セトリは以下の通り。

 ①Vivre(直枝さんのみ)②Shooting Star、③Peanus Butter & Jelly、
 ④Suspition Mind、⑤夜の森

新しいアルバムはカラフル&ポップなサウンドで満載。
それが直枝さん1人のアコギだとこうなるのか!
直枝さんの声、アコギのオトが美しくてひたすら浸みる。
同時に聴いてる自分の足元が揺れてる感じ。世界が歪んで見える。
愉しいけど怖い。恐ろしいけどオモシロい。これは直枝さんの歌ならではの感覚。

ライブ終了後、レコード会社担当者さん(?)の提案で新譜についてのトークイベントを開催。
直枝さんによると、今回のアルバム制作は前作完成後から既に構想してたとのこと。
春先まで4曲しか出来なかったけど締切りに追い立てられて作って却って集中できた。
前作は4年ぶりのアルバムで「何でもあり」だったけど今回は明るくポップにしたかった。
などなど・・・色んな話が聴けました。

その後はファンの質問コーナー。
質問は「ハイレゾ音源」「Apple Music」「ライブでの衣装」について。
ハイレゾについては直枝さんは好きなツールで聴いてほしいと言っていた。
直枝さんって必ずしも「CD、レコード」と言ったパッケージに固執してないんだ、
その辺りは時代の流れに柔軟なんだ、と思った。
トークイベント後はサイン会。アルバム収録曲「Girl」が大のお気に入りというと
直枝さん、ゆるずさんとも笑ってた(^_^;
サインは裏ジャケット、御二人のシルエットにして貰った。

その後は嫁@パンダと神田の美味しい餃子屋さんで晩飯。美味かった~!
帰宅すると寂しかったのか、ヨモちゃんが嫁に矢鱈甘えてた。(T▽T)



カネのNewアルバム「Suburban Baroque」。
発売されて以来、取り憑かれた様に聴いてる。呪われた様に聴いてる。
この感じ、去年発売された宇多田ヒカルのアルバム「Fantome」のときと同じ。

最初聴いたときは90年代コロムビア時代に通じる明るさ、メロウさ、ポップさを感じた。
「Shooting Star」なんて、もろ「Beatiful Day」に似てるし。
前半の曲は「Edo River」や「Girl Friend Army」に収録されていても違和感が無い。

前作「Multimodal Sentiment」は混沌として切なさ、痛みに溢れたアルバムだった。
対して、今回のアルバムは突き抜けてる。明るい。歌詞も能動的な言葉が多いし。
前作から僅か1年で全く色合いが異なる作品を出す直枝さんの振れ幅の大きさに唯驚く。
同時に今作は唯明るいだけじゃない、楽しいだけじゃない別の面も当然ある。
それは特に後半の曲を聴いてて感じた。
「Younger Than Today」はメロウを突き抜けて素晴らしくエモーショナル。
大人の視点で若者に語りかける・・こんな歌は嘗てカネに無かった気がする。
「金魚と浮雲」はビートルズ+ZEPP+トラッドを混ぜ合わせた様な新機軸の曲。
途中で玉ちゃん(玉城宏志)みたいなギターを直枝さんが弾いてるのにグッと来たぜ。
「Girl」「Please Please Please」の暴力的な美しさ。
「Vivre」はレトロなサウンドに乗って力強い意志表明を歌い上げてる。

「Girl」・・一見、一途な恋心を歌っているようだが、これ実は相当ヤバい曲では?
これ聴いてると、自分が立ってる地面に穴が空いて引き摺り込まれるようなそんな錯覚に陥る。
「Please Please Please」を聴いてると、あまりに美しすぎて窓の外の世界が歪んで見える。
このアルバムの歌たち、明るいようで奥には別の何かが息づいている。
それは直枝さんが視た妄想か、幻想か。
これらの歌に触れることで直枝さんの思考の森にオレも彷徨い迷い込んでる。
そんな気がする。入口は明るく穏やかだけど入り込むと暗く深い。
怖いけどワクワクする。そんな風景を直枝さんの歌は描いている。

元春の「Maniju」を聴いて「まともでいられる、狂わないですむ」と書いた。
一方、カネのアルバム、直枝さんの歌を聴くとオレは狂いだす。アタマがおかしくなる。
今度のアルバムもそうだ。サイコーの劇薬だ、毒薬だ。
でも、飲みやすいし甘くて美味♪だから、止められない。
そして、オレはもう常習者だ。中毒患者だ。

普段、他人に自分の好きなアーティストを薦めようとは思わない。でも今回は特別。例外。
全世界の音楽好き、ロックファンに告ぐ。
このアルバムは自信を持ってお薦めする。
買え!そして聴け!直枝政広の歌を、声を、ギターを、そして妄想を浴びろ。
サイコーの夢(まぼろし)が視えるぜ。オレが保証する☆

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ハンバートハンバート@日比谷野音と藝祭2017

2017年09月10日 | オトの記憶(CD、ライブ)
土曜日は日比谷野音でハンバートハンバートのライブ。
15年位前にあった、どんとイベントで知った夫婦フォーク(?)デュオ。
以来、ファンだったけどソロフルLIVEを見るのは初めて。チョー楽しみだった。

ライブは「雨の街」から開始。Newアルバム「家族行進曲」の曲を中心に展開。
7人編成の大所帯にビックリ。
前半は遊穂嬢と良成クンの2人だけの演奏メインに進む。
噛み合わない2人のMCには大爆笑。(T▽T)
「ただいま」「ぼくのお日さま」「横顔しか知らない」にはグッと来た。
「横顔しか知らない」の彼は下手したらストーカーもどき。ヤバい奴かも知れない。
でも、こいつの彼女を想う気持ちは純粋だ。ホンモノだ。聴いてて何か切なかった。

バンドを加えての第二部。「真夜中」「ひかり」「虎」の流れは・・・参った。
こいつらを、この歌を聴きたかった。 だから、ここに来た。
「真夜中」。これを歌にするか!私は誰?貴方は誰だ?私が最後に言うコトバが優しすぎる。
「ひかり」・・消え損ねた命、その果てにたどりついた「生きててよかった」のコトバ。
「虎」。創る苦しみに酒に溺れた男。素晴らしくロックなアレンジ。
2人は小さな隅っこに息づく奴等を歌う。優しく残酷に朗らかに。
寄り添わず、でも突き放さないで。手はつながない。「わかるよ」なんて言わない。
でも同じ方向に顔を向けてる。並んで立ってる。
知らず知らずに心が温かいモノに満たされている。涙がこぼれそう。

後半はロックンロール大会。ウルフルズの「Sun Sun Sun」のcoverにはやられた!
「国語」「ホンマツテントウむし」「おいらの船」。
遊穂嬢は踊りハープを鳴らしモニターに足を掛けて客を煽る!良成クンもノリノリ。
オレは我慢できずスタンディング(^^; 周囲のお客さんも立って踊ってる。
ハンバートってこんなロックな演奏を聴かせるんだ!嬉しい驚き。

アンコールラストは2人で「おなじ話」。ハンバートで初めて聴いた曲。
「今、君は何処にいる?何をしてる?そばにいるよ」と語り合う歌。
でも・・多分「君」は此処に居ない。見えない人。
それが、どうした?だから、なんだ?
ハンバートの歌はあっちでもこっちでも自由に駆ける。うつつも夢もつなげる。
境界なんて意味を成さない。語り手が人で在る必要も無い。
色んなイキモノの言葉にならない想いを掬い上げ歌い上げる。ステキじゃないか♪

行ってよかったな。来年もツアーあったらまた行きたい。
写真は「ハンバート手ぬぐい」。何故か中華料理がモチーフ。
なんで中華?このワケのわからなさがハンバートの魅力です☆
ヨモちゃんは興味津々(^_^;


日曜日は恒例・東京藝大の「藝祭」に行ってきました。
学生制作の神輿が相変わらず凄すぎる。ベラボーで出鱈目で笑える。
ここにも楽しいイキモノが居るぜ。サイコーだ!
他の展示もオモシロかったが時間が無くて幾つかは見れなかった。
次回は2日掛けてみよう♪


充実した2日間でした。家に帰るとオモシロいイキモノが待っていました(^_^;
ヨモちゃん、キミが一番オモシロいよ☆
 
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「リクオ&ピアノ2017」@下北沢ラ・カーニャ

2017年09月04日 | RIKUO
毎年夏恒例のリクオ@下北沢ラ・カーニャの弾き語りライブ。
今年はいつもより少し遅れて開催。ボクが見るのは2月のバンドライブ以来。
この間もリクオはツアーやイベントを続け、ライブの中で新曲を演奏していたらしい。


リクオは黒づくめの衣装で登場。上機嫌。「今日は新曲沢山やるよ~!」と盛上げる。
先ずは「ヘヴンズ・ブルース」「ランブリングマン」で客席を温め、
その後は昨年出したアルバム「Hello!」からの曲を中心に。
「雨上がり」を歌う時、「この曲ずっとSMAPに歌ってほしかったけど、その夢も潰えた。
今後は関ジャニに歌って貰おうかな?」と言ってた。
この曲は大好き。上手くいかない事を「そりゃしゃーないな」と諦め割り切る弛やかさ。
これは、「行け、あきらめるな!」のロックとは異なる世界。まさにブルース。
それは「あれから」、第二部で歌われた「ソウル」にも感じた。
簡単に答えを出さない、立ち止まる。休む。焦らない。振り向く。
前に進むために留まる。振り返ること、後悔や後ろめたさを怖がらない。
それこそリクオの「真骨頂」だ。

第一部中盤から新曲発表コーナー。
去年のラ・カーニャでも歌われた「希望のテンダネス」「グラデーションワールド」。
小さな命への優しい視線、多様性を受容れる寛容さをポップに歌う。
この2曲でのリクオの歌い方がラップというかリーディング風で新鮮だった。
そして、この2曲でのリクオのVoが滅茶苦茶ロックだった。
大声で叫ぶわけじゃない。穏やかなんだけど太く力強い声。これは嬉しい発見だった。


第二部も新曲中心に。酒が入ったせいか、リクオ喋る喋る(T▽T)
「第3の思春期や!」「思春期と言いつつ、矢鱈昔を思い出すけどね」。
そんな中で有山じゅんじさんの「50歳」に刺激されて創った「52歳」を歌う。
自分の年齢についてユーモラスに語った歌詞。最初は笑ってたが途中で痛くなった。
オレもリクオと同い年。50代に入ってもう「バレまくり」。
色んな限界や己の無力さを知って途方に暮れてる。
同時に自分にも他人にもウソついてカッコつけて、でもそんなモン嫁にとっくにバレてる。
50になっても落ち着きなんかしやしない。成熟なんかしない。
いや、落ち着くのはヤだ。成熟なんてのも真っ平ゴメンだ。
じゃぁ、どうしたいんだ?オマエは何したいんだ?答え・・・ねーよ。
そうやって揺れた挙句に、手に入れたものが不安であり葛藤であり逡巡かよ。笑えねーな。
リクオの「52歳」は・・そんな自分に響いた。大切なウタになるな。これまた聴きたい。

リクオは学生時代、窮地に陥ったとき恩師に貰った「夢が100あれば10は叶うかも」
の言葉に想を得て「1000の手紙」を書いた。
この曲も善かった。リクオ「途中のナレーションはキョンキョンに読んでほしい」
と言って嘗てキョンキョンと出会った想い出話をする。
そして現在の住み家藤沢で得た平穏、交流について語る。その後の「海ざくら」も素晴らしい。
更に「フォーエバーヤング」「ソウル」のセツナウタ連発。グッと来た。
中盤のこのセツナウタ2曲があったから後半のロックロール新曲2連発がより迫ってきた。
ロックへの尽きせぬ想いを歌った「永遠のロックンロール」、「ブルーハーツが聴こえる」。
ブルーハーツの曲は初めて聴いた。カッコいい♪
後半、チャボさん、RCの名前を呼び「空がまた暗くなる」の歌詞を叫ぶ。一気に熱くなる。
最後は「アイノウタ」で客席と大合唱。

当然アンコール。「ハッピーデイズ」「ミラクルマン」最後は新曲で終了。
ライブ最後の定番曲「光」は歌われず。
でも、何となくこの歌、今日は無くてもイイと思った。
定番曲無くてもリクオも客席も笑顔。それで十分。お酒も美味かったし♪

ライブ後、リクオに話しかけた。
「雨上がり」でのSMAPの共演を諦めないでほしいと。折角メンバー3人事務所辞めるし(笑)
そして、元春との共演も頼んだ。今日のライブ、リクオのピアノは本当に素晴らしかった。
元春と共演してリクオのピアノで「ダウンタウンボーイ」や「ロックンロールナイト」
を聴きたい!
リクオはどちらも笑って聴いていた。
確かに夢物語だろう。特にSMAPとの共演は。
でも、リクオはキヨシローやチャボと共演した男なんだ。十分、実現の可能性はあるぜ。


リクオは今日のブログで藤沢から京都に引っ越すことを発表した。
関東在住から関西に。でも、この引っ越しはリクオに善い影響と変化をもたらす気がする。
アーティストみんなが東京に居る必要は無い。
色んな土地に住んでるミュージシャンが東京に来て彼等が見た風景を紡ぎ出し、
それを東京人のオレが視る。
そんな、多様性こそが音楽、いやロックンロールがくれる果実(プレゼント)じゃないか。

同じ年のブルースマンが何処まで行くか、これからも楽しみだぜ。な、ヨモちゃん☆


[セットリスト](歌った順番は間違ってるかも(笑))
ヘヴンズ・ブルース、ランブリングマン、恋の行方、雨上がり、
永遠のダウンタウンボーイ、僕らのパレード、希望のテンダネス、
短編映画、夜更けのミュージック、
グラデーションワールド、あれから、
新しい町(Cover)、Foever Young、ソウル、大阪ビター・スィート、
海さくら、52歳、千の夢、永遠のロックンロール、ブルーハーツが聴こえる、
アイノウタ、
ハッピーデイズ、ミラクルマン、ラブソング(新曲・曲名間違ってるかも)
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