僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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優しい歌とオト~七尾旅人LIVE「緑光憩音」@南青山・能楽殿

2024年05月03日 | 七尾旅人

GW我が家は特に予定なし。4月末3連休も近所をお散歩する位。
4/29(月)連休最終日。ボクは七尾旅人のLIVEを観に南青山に。
七尾クンのLIVEを観るのは1月横浜以来。今回はソロ弾語り。バンドとは違う姿が観れると期待。
会場は青山のブランドショップが並ぶ通りに立っていた。

入場して着席。ステージを見ると本当に能楽堂だ(^^;
少し高い場所にある席に陣取って開演を待つ。

予定より早く七尾クン登場。久しぶりのソロLIVE少しでも沢山歌いたくて登場。
本当は1時間半の予定だけどそれじゃ足りないと主催者に2時間のLIVEにして貰ったそう。
「Long Voyage」ツアー中に書き溜めた新曲や過去LIVEであまりしない歌を演るという嬉しい構成。
(以下ライブレポ。なおLIVE中の写真撮影可でした)


先ずは七尾クンの地元のヒーロー植物学者牧野富太郎に捧げた「名もない花」。
子供の頃、七尾クンは父上に植物園によく連れて行って貰ったそう。
正直、当時は暗くて怖い場所であまり楽しめなかったとか(^^;
以降、曲毎に七尾クンが解説しLIVEは進む。
時間が足りないという割には七尾クン喋る喋る。中々歌わない。
でもトーク内容が滅茶苦茶オモシロくこれはこれで楽しめた。

「湘南が遠くなっていく」は大好きな曲なので久しぶりに聴けて嬉しかった。
そして「圏内の歌」。2011年原発事故下の福島に住む人の視点で歌った歌。
哀し気な優しいメロディがココロに響く。
そして、改めて聴くとこの歌が単純な「反原発ソング」でない事が分かる。
賛成反対!と言った単純な意見表明の歌でなく、そこに居る命をスケッチする。
そういう歌だと思う。
トレイシー・チャップマン「Fast Car」の日本語coverも素晴らしかった。
過酷な生活から恋人と出奔したアフロアメリカン女性を待っていたのは絶望だった。
でも「何とか独りで生きていくわ」と生きる意志を強くする歌。

七尾クンは安易な希望を描かない。寧ろ絶望や厳しい状況を躊躇わず歌う。
同時にそこで生きるヒト、命に限りなく優しい視線を寄せる。
それはコロナ下で生きるヒトを描く「Wonderful Life」も同じだ。
曲後半の七尾クンの「行かないで行かないで」の叫びには圧倒された。
その後、歌われたパレスチナで暗殺された作家についての歌も、
病気の妹犬の歌「オーライオーライ」もそう。
七尾クンの歌声、ギターの鳴るオト、総てが命に対する優しさに満ちていた。
その優しさに触れて何度かボクは泣きそうになった😿

能登震災で富山に訪れた際、富山弁を使って作った歌「あたわり」も善かった。
「あたわり」は運命を意味するらしい。そして石川県でも同じ様な言葉があるとの事。
七尾クンは被災地を訪れる際、必ずその土地に係るモチーフを基に歌を紡ぐ。
寺尾紗穂もそうだが、こういうシンガーソングライターの姿勢ってホント素晴らしい。

後半、七尾クンのトークはどんどんはっちゃける。凄く喋って中々歌おうとしない。
以前はとりとめのないトークに正直「もっと話を短くまとめて沢山歌えばイイのに」と思ってた。
でも、このトークも七尾クンの味なのだ。いや、これが無ければ七尾旅人じゃない。
そして、このトークの中で彼は色んな大切なことをボク等に届けてくれる。
被災地、ガザ、入管、コロナ下、イジメや差別に生きる人の姿を。
それは普段の生活で中々知ることができない大切なこと。彼の話を通じてそれを知ることができる。
だから自分にとって七尾クンLiveトークで触れるのは貴重な時間だ。
(勿論アーティストや文化人頼りでなく自分で調べて知らなくちゃイケナイのは当然だ)

本編最後、映画「キリエのうた」挿入歌「音痴の聖歌」を歌ったのはビックリした。
ここでの客とのコール&レスポンスはホントに愉しかった!☺
そして「デビュー曲歌います!」と謳われた「8月」!まさかこの曲を聴けるとは。
嬉しく泣いた😢

アンコールは早逝した友人シンガー相羽崇巨さんの曲「ねいき」。
LIVEの最後に、自分のオリジナルでなく亡くなった友人の歌を歌う。
最後の最後まで優しいんだな。そう想うと涙が止まらなかった。

七尾クンは「2時間じゃ足りない!もっとやりたい!でも宝物の様なLIVEでした!」
と満面の笑顔で去って行った。
そうボクももっと聴きたい歌山ほどある。またこういうLIVE演ってほしい。
(出来れば未音源化の曲のLIVE音源を配信してほしい(^_^

シアワセな気分で帰路についた。今日演奏された歌の扱うテーマはどれも重い。
でも、七尾クンの歌声、ギターのオト、そして見ているお客さんのムード。総てが優しかった。
だから視ている間、自分もずっと優しい気分で居られた。
帰って🐱を撫でた。またシアワセな気分になった。

昨日からGW後半、ノンビリ楽しもうね🎵

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航海(たび)の終わり~七尾旅人「Long Voyage」ツアー最終公演@横浜BAYHALL

2024年01月13日 | 七尾旅人

今年のLIVE初めは七尾旅人。昨年から続くアルバム「Long Voyage」再現ツアー最終公演を観に行った。
会場は横浜BAYHALL。元町中華街駅から歩いて行ったけど・・・遠かった🤣

整理番号は良かったけど場所取りに手間取りステージを右斜めから見る事に。
場内は瀟洒な造り。ステージは「Long Voyage」のアルバムジャケットを再現している。


ほぼ予定どおりLIVE開始。七尾クン、ワンちゃん🐕ヌイグルミと登場。
昨年春にバンドで東名阪とツアーを行い後は1人で各地を回った。
バンドでもう1度LIVEを演りたかった!との説明。
ボクは渋谷で初日を見たけど、もう1度観たかったので再演は大歓迎。

しかもコロナが始まった横浜ベイブリッジで観る。感慨ひとしお。
バンドメンバーを呼び入れていよいよLIVE開始。

残念ながらボクの位置からは七尾クン以外のメンバーは殆ど見えない。
でも・・・そんな事気にならないくらい素晴らしい凄まじいLIVEだった。
ツアーを経て七尾クンの声もバンドのオトもトンデモない事になってる🥰
歌もオトもアルバムと全く違った物になってる。
七尾クンは都度雄叫び、バンドのオトはイキモノの様に跳ね回る🎶
「未来のこと」はホントに優しいサウンドで心に響く。
コロナ下の厳しい現実を描いた「
Wonderful Life」。
七尾クンの「行かないで」の声が段々熱を帯びていく様、その後の叫びに震えた。
「入管の歌」。瀬尾高志さんが暴力的なオトを鳴らす・・・怖かった。
それはそのまま入管に閉じ込められている人の恐怖を表している気がした。
そして「ソウルフードを君に」。七尾クンの歌もバンドのオトも爆発してる。
観てて愉快痛快だった。しかも途中で客席と横浜ソウルフードのコール&レスポンス🤣
初日には無かった音楽的な遊び。これメチャ楽しいぞ🎵
七尾クンはLIVE中、何度も「楽しい!このバンドでもっとLive続けたいな」と言ってた。
それは客席も同じ気持ちだろう。ボクももっと観たい!

後半の「荒れ地」は凄かった!七尾クンに珍しいエレキギター炸裂のロックナンバー。
ボクは七尾クンのシャウトとバンドのオトに突き動かされ踊ってた💃
「ドンセイグッバイ」七尾クンと大比良瑞樹嬢のデュエットが唯々素晴らしい。
2人の歌声、バンドのオトが優しくて美しい。見てて何か涙が出て来た。
ここからは「ドッグ&ブレッド」「パンと倉庫」「If You Just Smile」と優しいナンバーが続く。
それは同時に七尾クン自身の物語を歌で語る事になる。

後半歌われた曲聴いて想った・・・七尾クンって人の姿を歌ってるんだな。
今回のLIVEでも自殺を考える男性、少女。生活のため身体を売る女性。それを待つ子供。
フードレスキュー、入管にいる親を想う子供、犬、パン屋、自死した在日韓国人の少女。
そして東北で逢った子供、パレスチナに生きる作家

歌に出てくるのは総て七尾クンが逢ったり読んだ実在の人達の物語。
しかも若者や子供が多い。
そういった小さな命(弱者とは言いたくない)を描く七尾クンの視線は限りなく優しい。
そして小さな命を抑圧する大きな力には牙を剥く。

上から目線のイデオロギー表現や政治的に正しいマチガイの二項対立じゃない。
実際に生きてる人、生きて来た人の生と死の物語を描く。
だから多くの人、若者の支持を得ているのだと思う。そう想うと何かグッと来た。
(オッサンの勝手な解釈です(^^;)
本編最後、「미화(ミファ)」。そして「筏」で大団円。
この「筏」がトンデモなかった。バンドのオトの応酬。客席とのコール&レスポンス。
ボクはコロナ下のLIVEで声を出すことをずっと控えてたがこの日、声を出した。
七尾クンとバンドのサイコーのオトに応えたかった!
演奏が終わった時、客席から大きな拍手が起きた。凄い拍手だった!
シンガーに対する圧倒的な信頼を表現する温かい拍手。
元春のLIVEで聴ける拍手と同じだ👏

そしてアンコール・・凄すぎた。七尾クンは亡くなった友人やパレスチナの話を延々する。
イスラエルのガザ侵攻で亡くなった子供について語り西欧諸国の欺瞞に怒りを隠さない。
七尾クンのLIVEではMCも重要な表現、作品なのだ。
この流れで弾語りでパレスチナの作家について歌うはずが気が変わってバンドを入れての演奏。
演じるは
「Rollin´ Rollin」!ウワァ❣久しぶりだぁ客席も一気にヒートアップ❢
しかも途中でやけのはら、ドリアンも飛入りで参加して共演!\(T▽T)/
この3人が揃うのを観るのは初めて。七尾クン何度も客席を煽り客も応える!
そして、そのまま「サーカスナイト」になだれ込む!
「Rollin´Rollin」も「サーカスナイト」もアルバムと異なるStary Band独自のアレンジ。
ホントこのバンド素晴らしい。是非次のアルバムもこのバンドで創ってほしい。

そしていよいよラスト。先ずはパレスチナの亡くなった作家について歌う。
この歌について七尾クンがNoteに書いてるので是非読んで欲しい。
https://note.com/tavito/n/n916f6e9d3b66
「死ぬためではなくて 生きるために生まれた」の歌詞に撃たれ。。涙が出る処じゃなかった。
歌い終わった後、七尾クンは言った
「パレスチナについてSNSでは遠いから関係ないという。違うよ。
   遠いから関係ないんじゃない。遠いからこそチャンスなんだ。遠くだからこそ関係あるんだ」
遠いから無関係じゃない。自分に関係ないから他人事にしていいわけない。
東北311、ジャニーズ性被害、政治不正、ボクも色んな社会問題に触れる度に想う。

でも結局無力を感じて大したことが出来ない。何もしてない事も多い。
七尾クンのコトバに・・触れて涙がとまらなかった😿
そして若いオーディエンスが七尾クンの話を真剣に聞き入り真摯に受け止める姿にまた泣いた。
七尾クンのLiveに来るたびに想う。お客がホントに素晴らしい。
ただ音楽を楽しむだけでなく七尾クンのメッセージを真摯に受け止める。見習いたい(^_^)

最後は東北震災の直後に書いた歌「帰り道」。もうすぐ13年が経つ。
13年経っても・・東北のことをこうやって歌うシンガーが此処に居る。
ボクはそれがホントに嬉しかった。嬉しかったんだ。
そして最後に七尾クンは客に言った「パレスチナの事を気にかけてほしい」と。
その言葉にもジンと来た。今日、此処に来てよかった。何度もそう想った。


LIVEから数日経っても1週間経った今も余韻が未だ残ってる。思い出しては泣いてる(/_;)
優しさに満ちた空間。同時に戦争や差別に対して徹底的に拒絶する歌たち。
こんな歌世界をLIVEで表現しているアーティスト・・・元春とRIKUOしか思いつかない。

そして七尾クンが言った「遠いから無関係じゃない」についても翌日、ずっと考えてた。
あれを聞いたオレ。何もしないのか?何ができる?何をする?1日考えた。
そして、イスラエル在日大使館にガザ侵攻に対する抗議と即時の停戦を求めるメールを送った。
勿論、本名で。
LIVEの興奮でのぼぜての行動かも知れない。構うか。
オレは何処の国だろうが戦争で人が死ぬのは嫌なんだ👊

「Long Votage」航海(たび)の終わりをこの目で見届けることが出来てホントによかった。
そして、七尾クンが次何をやるかもホントに楽しみだ。
七尾クンのファンになって13年。元春同様、ボクにとって最高に信頼できるシンガーだ。
彼をボクに教えてくれた元春にはホントに感謝してる。
そして、七尾クンと元春の共演LIVEがいつか実現することを・・・ココロから願う(^_^)
な、おはちゃんもなちゃん♫

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優しい歌に出逢う~七尾旅人・春爛漫@有楽町I´M A SHOW

2023年04月29日 | 七尾旅人
昨今、世の中は悪いニュースに溢れてる。
首相の選挙演説で爆発物を投げつけた事件、神宮前外苑森林伐採、入管法案の審議、
そしてジャニーズ事務所創業者による少年性虐待被害者の告発。
こういった社会問題に自分が何かしてるか、というと何もしてない。
デモも参加せずジャニーズ問題は事務所に改善を求める投票活動に参加しただけ。
神宮前外苑や入管法の問題に至っては・・意見さえ出してない。
世の中がどんどん悪くなっていくのに何もしない自分に苛立ちを感じる一方、
目の前の仕事は当然片づけなくちゃいけない。体調も良くない。かなり煮詰まってた(-_-l
 
そんな中で先週の月曜日、七尾旅人のソロ弾語りLiveが有楽町I´M A SHOWで開催。
3月の渋公Liveが素晴らしいので行って来た。

会場は有楽町ルミネ別館の7階にある小さなホール。映画館を改造したらしくゆったりと見れました。
今回のLIVEは事前にネットでファンからリクエストを募って演奏する構成。
ということで嘗てなくレア曲満載のLIVEでした。以下セットリスト。
【セットリスト】
1.ストーリーズ、2.戦闘機、3.エンゼルコール、4,夜、光る、5.ウィッグビーチ、
6.天使が降り立つ前に、7.あたりは真っ暗闇、8.月の輪、9.線路沿い花吹雪、
10.DAVID BOWIE ON THE MOON、11.Three Leaves☘、12.誰も知らない 👏
13.Small Town Rapsody、14,今夜世界中のベニューで、15.帰り道、
(アンコール)16.おやすみタイニーズ
 
2曲目「戦闘機」デビューシングル収録曲。元春が「ソングライターズ」で歌詞を読んだ曲。
「ソングライターズ」で七尾クンを知ったボクにとって初めて七尾クンのコトバに触れた歌。
七尾クンは旧いギターで苦戦しながらひたむきに歌う。
「人を愛すことはこんなにも簡単なんだ」「人を壊すことはこんなにも簡単なんだ」
「君にくちづけたい 世界がそっぽを向いても」「君以外を撃つ」
暴力的なラブソング。でも切なくて優しい。聴いてて涙が出て来た。
 
そこからは2ndアルバム「ヘブンリィパンクアダージョ」の収録曲を聴く。
どれも複雑なメロディ展開の曲ばかり。
七尾クン「なんでこんなむつかしい曲ばかり書いたんだ?」
「これ前日深夜にリクエストして来たんですよ。ひどいでしょ?」
ブツブツ言いながらも凄く楽しそうだった。
そして・・一旦歌い出すと空気が変わる。ホント凄い声とギターだ。
ボクは「あたりは真っ暗闇」が聴けて満足。「Villion Vouces」収録の超大曲。
この歌は元春の「ロックンロールナイト」と並んで夜の情景を描いた素晴らしい歌と思う。
弾語りアルバム「蜂雀」からの演奏も素晴らしかった。
特に「月の輪」。あのギターの独特な音色のオトの秘密がわかって場内大爆笑🤣
七尾クンのMCが都度笑いを誘ってリラックスして観れた。
 
コロナ下、七尾クンがSNSで知り合った母娘との交流から生まれた「Three Leaves☘」は・・
唯々・・・素晴らしかった。その少女の境遇、彼女が言ったコトバ。
簡単に他人がSNSに書いて善い事じゃないので此処には書かない。書けない😿
この歌はホントに優しかった。美しかった。
 
続いて、ボクがリクエストした「誰も知らない」を歌ってくれた!
未音源化。「兵士A」の最後に歌われた曲。
この歌もThree Leaves☘同様、小さな命に優しい視線を向けている。
七尾クンはボクのリクエストメールを読んで「礼儀正しい」と誉めてくれた(^^;
でも、何かスゲェ堅苦しい文章であれリクエストというよりビジネスレターだね🤣
七尾クンは静かに歌い出す。「兵士A」のファルセットとは違い力強い声で歌う。
この歌、ともかく歌詞が凄い。
「あの娘はバカだから わからないよという
   あの娘はめくらだから さわれないよという おしでつんぼだから 喋れないよという   
   かなしい世界は 終わらないよという もしも願っても 変わらないよという 
   だけど 誰も知らない ほんとは知らない」
 
差別的なコトバ使いだが、この歌は小さな命に限りなく優しい視線を向けている。
そして、絶望を描きながらその果てにある希望を歌っている。
なんで・・・なんで、こんな優しい歌を歌えるんだ。
後半は七尾クンの声、コトバ、ギターに包まれて胸に温かいモノが込み上げ涙が零れた。
そして・・気づいた。このヒトの歌は他者に向けて歌う時に優しいメロディを奏でるんだと。
それも傷ついた人や孤独な人に対して歌うときが特にそうだと。
(「Three Leaves☘」「誰も知らない」「Memory Lane」「サーカスナイト」全部そうだ!)
LIVEはクライマックス。コロナが始まった2020年に係れた「今夜、世界中のベニューで」が歌われた。
コロナが始まった頃、密を避けるため色んなライブやイベントが中止になりライブハウスが閉鎖となった。
その中で七尾クンはこの歌を発表した。
これも優しい。。。優しい。。歌だ。
曲の後半は七尾クンとお客さんでコール&レスポンス。
お客さんはマスクをしてモラルを守った上で歌う。その風景はホントに優しく美しかった。
そして「帰り道」。東北311が起きた直後に出来てネットに上げた歌。
これは・・・もう参った。聴きながら荒浜の海岸を思い出した。また・・・泣いた😢
アンコールは客席リクエストで「おやすみタイニーズ」。ホッと息をつける歌だ。
七尾クンは「月曜日にこんなコアなライブに来てくれてありがとう!
色々言ったけど楽しかったのでまたやりましょう!」と言って笑顔で去って行った(^^)
 
翌日は当然仕事。LIVEの余韻がずっと残ってる。仕事しながら何度も「戦闘機」を聴いてる。
今日は近所のゴミ拾いをしながらウォークマンで「Memory Lane」を聴いた。
途中で涙が出てきて立ち止まった。
 
このLIVE行って良かった。七尾クンの優しい歌を聴いて自分の荒れたキモチが少し落着いた。
七尾クンのLiveはLive自体が1つの作品。毎回変わる。
また行きたい。リクエストLIVEあるなら当然参加してリクエストしたい。
そして・・・いつか、いつか・・東北で七尾クンのLiveを観たい。
次のツアーがあるなら遠征も考えてみよう。
 
おはちゃん、もなちゃん。七尾クンは魔法使いみたいな歌うたいだよ。凄いね🎵
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オトを航海(たび)する~七尾旅人「Long Voyage」再現Live@渋谷公会堂

2023年03月18日 | 七尾旅人

去年出た七尾旅人のアルバム「Long Voyage」は自分にとっては「問題作」だった。
2枚組。コロナ下の世界、貧困、差別、移民問題、生と死、様々なテーマを扱った重厚な作品。
2019年「Stray Dogs」ツアーに参加したメンバーが織り成すオトは風通しがよくPOP。
バンドサウンドに乗っかって歌う七尾クンの歌声も凄く力強く解放されている。
2枚組、重いテーマは扱っているが聴き易くてボクは繰返し聴いてる。

先週日曜日に渋公でこのアルバムを再現するLiveを開催。当然行って来ました(^^
七尾クンのLIVEを観るのは2019年「Stray Dogs」ツアー以来。
ボクは1階13列ステージを正面から見る好位置。

ステージ上でCDジャケットと同じセットが再現されていた。

予定より少し遅れて開演。七尾クンはギターと去年亡くなった兄犬の彫像を持って登場。
七尾クンは今日のLiveでMCは殆どないということで最初にメンバー紹介。
MCなし、ひたすら演奏する構成は数年前の「兵士A」を思わせる。
アルバム通りの曲順でLive開始。ステージ上で鳴ったのはトンデモないオトだった。


Liveの様子はこちらに詳細なレポがあるのでボクはLive中感じた雑感を書きます(^^;
七尾旅人が『Long Voyage Tour』を敢行中。アルバム完全再現ライブとなった東京公演をレポート!|DI:GA ONLINE|ライブ・コンサートチケット先行 DISK GARAGE(ディスクガレージ)

1曲目「流転」2曲目「Crossing」でバンドの豊かな音に笑顔になり七尾クンの声に魅了された。
2曲目「未来のこと」。傷ついた魂に優しく語りかける歌。小川翔のギターが素晴らしく震えた。
3曲目「Wonderful Life」。POPなメロディに乗っかってコロナ下で生きる人々を描く。
七尾クンは淡々とポエトリーリーディング風に語る様に歌う。
自死を考える会社員、食事代を稼ぐため身体を売ろうとする女性。腹を空かせて待つ子供。
これは決して歌の中の絵空事じゃない。現実に有った事なのだ。
4曲目「入管の歌」。入管局で起きてる移民への不当な拘束を或る家族の視点で描く。
バンドは奏でる激しいノイズに胸が苦しくなる。でも、これも現実に起きている事なのだ。
そして5曲目。前半のクライマックス「ソウルフードを君と」。
自由に走り回るバンドのオトに乗っかって歌われるのは歴史上の様々な航海。
アフリカから奴隷として連れて来られた黒人。でも奪う事が出来なかったソウル(風味、文化)。
変幻自在のオトがイキモノの様にうねり奔放に駆け巡る。そして七尾クンの歌も緩急自在。
「食料を運び続けよう ソウルを運ぶんだ」の歌詞には・・・撃たれた。
この2年、七尾クンはコロナに罹ったり貧困で苦しむ人のためにフードレスキューを続けた。
彼は正にソウル(食べ物=生きるために必要なモノ)を運ぶヒトだったのだ。
クライマックス七尾クンの絶叫に撃たれ涙が零れた。この叫びを・・・聴きたかった😢
続く「リトルガールロンリー」では家出少女の孤独で誇り高い魂を美しく歌う。惹きこまれた。
・・そうか、このアルバムの歌は全部「人」を描いてるのだ。だから優しく美しいのだ。
そのことに気づき。。また泣いた😭

Live後半。「停泊」も歴史の色んな航海を描く。描かれるは戦争、差別、排除。
2011年の東北を描いたシーン。此処は・・やっぱり胸が衝かれた。
そして「荒れ地」。歌われる2つの風景(生と死、涙と笑顔)にココロが揺れる。
七尾クンが叫び小川クンのギターも唸る。立って踊りたいのを必死にガマンした(^^;
「ドンセイグッバイ」ではアルバム同様大比良瑞希嬢が参加。美しいラブソング。
この歌で描かれる恋人たちは「未来のこと」の2人と同じ気がした。
大比良嬢と七尾クンのハーモニーが素晴らしくて、別の曲でも共演して欲しいと思った。
此処からLiveは一気に後半に向かって進む。
「Dog & Food」「パン屋の倉庫で」は明るく優しいポップチューン。
描かれるのは犬、家族の七尾クンの近しい存在。
七尾クンもバンドも活き活きと歌い奏でる。

そして最後、歌われるのは「미화(ミファ)」。自死した在日韓国人少女の歌。
七尾クンが亡くなった女性への想いを歌う。「ボクは齢を取ったよ」の声が切なく響く。
そして最後の最後「筏」。アルバム最後を締めるインスト。
豊かなバンドサウンド、そして声。長かった歌の旅も終わる。
素晴らしい時間だった。でも、旅が終わるのはやっぱり・・・寂しい😢

本編は総て終了。メンバー紹介後、七尾クンが延々と語る。
七尾クンは今日の出来に満足していない様子。何度も悔し気に語った。
「バンド善かったけどオレがダメ。ゴメン!次は絶対上手くやるから大阪か名古屋に見に来て!」
そのおかげか予定していなかったアンコールがあった!嬉しい!👏
七尾クン独りの弾語りで「ミファ」をもう1度。弾語りだと更にこの歌の優しさが伝わってくる。
七尾クン途中でマイクを外しステージの一番前に座って「ラララ」を客席と一緒に歌う!
コロナ下、声を出して歌う事に迷いがあったが七尾クンに答えたかった。
客席もラララと歌う。その客席の合唱が・・・・実に良かった。
この日、客席はひたすらステージ上の歌とオトに対峙してた。「兵士A」の時と同じだった。
「兵士A」同様、この日のLiveは歌い手と奏者と聴衆によって成り立ったのだ。
その1人としてこのLiveに参加したこと、このLiveを目撃できたことを誇りに思う。
歌いながら何度もそう想った。

Liveは此処で終わり。去る七尾クンを割れんばかりのそして優しい拍手が送った。
アルバム以外の曲の演奏はなかったけど大満足(^_^)
ヒトが歌う意味、オトを鳴らす意味、意義、色んな事を感じた素晴らしい体験でした。
そして、今日鳴った歌は総て自分以外の他者に優しい視線を向けていた。それが嬉しかった。
七尾クンは「多様性」だの「寛容」だのスローガンは言わない。
寧ろ、そういうスローガンから遠く離れた世界を歌っていると思う。
向い合うはあくまで「個」。世界を描くにしても大上段で構えず独りの命に寄り添う。
だから好きだ(自分勝手に彼の歌を解釈してスミマセン(^^)<(_ _)>)


そして、七尾クンのLiveもっと見たくなった。ツアー遠征は仕事や日程の関係上、むつかしい。
4/24に有楽町I¨M A SHOWでソロLiveある!早速申込ました。
七尾クン独りLive見るの久しぶり。今日聴けなかった曲も聴けるかな。楽しみ。

当然、七尾クンとStray Dog BandのLiveはこれからも観たい。
Stray Dog Bandの奏でるオトはCD以上に温かく血が通いそしてグルーヴがある。
元春&Hobo King Bandのグルーヴに通じるオト。
七尾旅人&Stray Dog Band×元春&ホボキンの対バン見たくなったぞ。
誰か是非企画してくれ!

↓ 我が家の猫🐱もステキな歌声を聴かせてくれます。カワイイね(^^)

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とくべつなうた~七尾旅人「「Stray Dogsの冒険」@恵比寿ガーデンホール

2019年05月05日 | 七尾旅人
4/29は百段階段の後、恵比寿に七尾旅人のLIVEを観に行く。
昨年末に出たアルバム「Stray Dogs」は珠玉の傑作。発売以来ずーっと聴いてる。
あのアルバムの曲がライブでどう歌われるか、楽しみにしていた。
しかも今回のライブはバンドで!七尾クンがバンドを率いてのツアーはデビュー以来初めて。
しかも、オールスタンディング!期待せざるを得ません。

場所は恵比寿ガーデンホール。恵比寿ガーデンはGWで賑わっていた。


入場。連休中の開催の所為か、会場入り口にも場内にもポスターが貼ってないのが残念。
七尾クンが犬と並んでるあのポスター見たかったなぁ。

予定通りスタート。七尾クンは満員の場内を見て嬉しそう。毒づきながら満面の笑顔。
最初は「星に願いを」を七尾クンとKeybpardカンサノと2人で開始。
間奏で他のバンドメンバーを呼び入れ、演奏がノイジーに展開。
このバンドのオトを聴いた時、笑顔になる自分が居た。力強く優しい歌と演奏。
「Stray Dogs」の歌にピッタリ。今日のライブ、絶対よくなる!


以下セットリスト。
1.星に願いを、2.はぐれ犬 そら(未発表曲)、3.Leaving Heaven、4.迷子犬を探して、
5.スロウ・スロウ・トレイン、6.DAVID BOWIE ON THE MOON、7.Almost Blue、
8.崖の家、9.Across Africa、10.きみはうつくしい、11.蒼い魚、12.Memory Lane、
13.どんどん季節は流れて、14.Rollin' Rollin' 、15.サーカスナイト(客席突入!)、
16.Confused baby、17.天まで飛ばそ、18.いつか、
(アンコール)
19.虹(電気グルーヴcover)、20.バスドライバー・ブルース(未発表曲)、
21.この素晴らしき世界(サッチモカバー:七尾旅人訳)

メンバー:七尾旅人(Vo、Guitar)、Shingo Suzuki(Bass)、小川翔(Guitar)、
     Kan Sano(Key)、山本達久(Drums)


先ずは未発表曲から。七尾クンの実家で飼ってた犬についての歌。
ポエトリーリーディング風の語りから「そら、そら、そら」と歌う。
アルバム「Stray Dogs」の作品に通じる優しい肌触りの歌。
この日のライブは全編通じて「優しい感じ」が貫かれていた。

七尾クンが「フツーNewアルバム出した後のLIVEってアルバム収録曲演るんだな。
そうすればお客さんも皆で一緒に歌えるし。20年続けてて去年ようやくわかった(笑)」
と言ったのには笑った。確かに七尾クンのライブって新曲・未発表曲を歌うのが多くて
その時の最新アルバムの曲を歌うって殆ど無い。
「このアルバムには皆で一緒に歌える歌も入れました。一緒に歌ってください!」と
「迷子犬探して」「スロウ・スロウ・トレイン」ではお客さんを煽って歌わせる。
2曲ともユーミンや桑田さんの曲に通じるポップでメロウなメロディ。
客席から自然に歌声が上がる。ボクも歌ってた。七尾クン満面の笑顔。
ま・さ・か、七尾旅人のライブでお客さんが一斉に歌う光景が見れるなんて!なんか感動。
そして、何度も書くがバンドの演奏がサイコーだった。
ただ巧いだけでなく七尾クンの歌世界をチャンと描きながら個性的プレイを見せる。
カンサノ君は時々Keyを弾き倒し小川クンのエレキギターの変幻自在の音色に目が眩む。
バンド演奏があるため、独り弾語りの時の様な収集つかない展開も無く(笑)
ライブをスムーズに楽しめた。

「DAVID BOWIE…」「崖の家」はアルバムでは打ち込みを多用したEDMナンバー。
でも、LIVEではバンドの生演奏でチャンと・・いやアルバム以上に力強い演奏だった。
「崖の家」では故郷でずっと暮らしていた主人公が最後、家を飛び出て旅に出る。
故郷から遠く離れて・・・別の場所で暮らした自分には、この歌は刺さる。

「Across Africa」は元春の「約束の橋」に通じる疾走感溢れるロックナンバー。
中盤のコーラス部分では、お客さんも一緒に叫ぶ。
それは、あたかも元春のライブで「約束の橋」が鳴ったときの一体感を思わせる。
ボクも叫ぶ!この歌、アルバムで聴いて以来一緒に歌いたかった!叫びたかった!
続いての「きみはうつくしい」。力強く響く歌とメロディ。聴き手を鼓舞する歌。
インタビューで七尾クンはこの歌は実は2012~2013年ごろに出来ていたけど、
震災直後の復興ままならない東北でこのパワフルな曲を歌えなかったと言ってた。
東北のライブで歌わなくてもCDに収録して他の場所で歌ってもイイだろうに。
七尾クンのこの歌に込めた想いの強さ、歌に向かう真摯な姿勢がライブでも感じた。

その後の「蒼い魚」「Memory Lane」で一旦クールダウン。
「蒼い魚」は七尾クンが沖縄高江で見た光景を元に歌っている。
「Memory Lane」は七尾クンが震災で傷ついた東北で出逢った少女について歌ってる。
どちらも傷ついた魂(ソウル)に寄り添う歌。
単純なイデオロギーやアタマでっかちの政治観からは、遥か遠くに或る歌。
正しい、とか間違ってるとかどうでもイイ。
目の前に傷ついた人が居るから寄り添う。歌う。ソレダケ、だ。
七尾クンは「明日また」「いつかまた」と歌う。
彼は歌うだけでなく・・・絶対彼の地を訪れるだろう。その覚悟を歌から感じた。
「Memory Lane」のラスト、七尾クンは叫びオレも叫んだ。
この叫びを聴きたかった・・・・ここに来て良かった。来た甲斐があった。

クライマックス「Rollin' Rollin' 」「サーカスナイト」が鳴った。
いつもの打ち込みで無くバンドの生演奏で。
「Rollin' Rollin' 」のイントロが生ピアノで鳴った瞬間、オレ泣いてた(^_^;
客席は当然大声で歌う。延々続くコール&レスポンス。
「サーカスナイト」では七尾クンが客席突入!お客さんに担がれて場内練り歩く。
客席はヒートアップ!七尾クンは担がれながらメンバー紹介。
熱いエネルギーが渦巻いてる。毎回、このヒトが創る熱い場には圧倒される。

本編最後。七尾クンはバンドの楽しさを何度も話す。
ソロで演るときは客席のウケが悪く独り孤独に打上げをした話。
今回でバンドは一旦解散、次のLIVEからはまたソロに戻る。名残惜しそうだった。
カン君が「またバンドでやろうよ」と言って七尾クン「フジロック、バンドで参加する!」
この瞬間、場内拍手喝采。
勿論、七尾クンの独り弾語りも素晴らしい。
でも、この日のバンドでのLIVEの素晴らしさを見ると・・またバンドで観たい。

アンコール。楽しいバンドメンバー紹介。メンバー間のツッコミ合いが楽しい。
電気グルーヴの「虹」のcoverに客席は湧き上がる。
そう「イイ歌」はどんどん歌えばイイ。鳴らせばイイ。
自粛とか制限するなんて悲しすぎる(勿論、血を流す覚悟での「自粛」も有ってイイ)。
「虹」が鳴った瞬間、客席を包んだ安心感・温かいムード。あれはサイコーだった。
最後はサッチモ「この素晴らしき世界」のcoverで終わった。
終演後、バンドメンバーと一列に並んで手を繋いで挨拶する七尾クン。
「これ1度やりたかったんだ」とホントに嬉しそうだった。
客席は大きな拍手で応える。素晴らしい眺めだった。


愉しい・・・ホント愉しいLIVEだったな。
ボクが彼の作品に触れLIVEに行き出したのは311以降。元春のTV番組が切っ掛けだった。
彼のアルバムは毎回、色あいが違う。「911Fantasia」は正直難解で聴いた当時引いた。
ライブも新曲・未発表曲ばかりで難解だったりヘヴィーだったり。
でも、難解と思った作品群もチャンと聴けば奥にある優しさや熱に気付くことが出来る。
七尾クンの歌は簡単に答えを出さない。コトバにならない感情を歌いあげる。
素晴らしいと想う。現在(いま)ではオレは、すっかり七尾ジャンキーだV(^^)

そして・・・七尾クンのLIVEに行って毎回思うのはお客さんの素晴らしさ。
上に書いた通り、彼の作品やライブは難解だったりヘヴィーだったりする。
でも、若いお客さんは彼の歌を軽々と受け止め楽しんでる。
場内に子供の泣き声や叫び声が響こうが気にせず七尾クンの歌を楽しんでる。
その若いお客さんの柔らかい感性・・・ホントに素晴らしいと思う。


七尾クンライブ。終わったばかりなのに、また行きたくなったな(笑)。
年内にまたライブやらんかな?
今回はバンド形式だったので普段弾語りで歌ってる曲は演奏されなかった。
今度は弾語りライブ見てみたい。
「兵士Åくん」「ストリッパーのおねえさん」「誰も知らない」また聴いてみたいな。
贅沢な悩みですね(^_^;

こんな歌うたい、他にはいない。また「とくべつ」なライブ期待してるぜ☆
次回ソロライブがあったら絶対行こう。

(↑ 我が家の「とくべつ」。ヨモちゃん☆)

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七尾旅人「歌の大事故ワンマンツアー」@東京キネマ倶楽部

2017年01月10日 | 七尾旅人
仕事始めと思ったら直ぐ3連休。真ん中の日曜日に今年初めてのライブに参加。
鴬谷東京キネマ倶楽部で七尾旅人のワンマンライブを見た。

七尾クンのライブは2年前の「兵士A」以来。
昨年その映像を収めたDVDが発売となり注目を集めた。その効果か超満員。
予定より少し遅れて七尾クン登場。弾語りで未発表曲を演奏。

ライブは何と4時間の長尺!弾語り+梅津和時さんのSAXのみの構成だけど全然ダレなかった。
ボクが近年見たライブは「総解散」や「兵士A」の緊張感溢れるライブばかりだったが、
この日のライブはリラックスムードで最期まで楽しく見れた。

客席は親子連れが多くライブ中、子供が騒いだり泣いたりする。
でも七尾クンは「気にしなくてイイ、親御さんも出なくてイイから」と意に介さない。
七尾クンのライブでは恒例の事だが、「排除しない」その姿勢には好感を持った。
「排除しない」だけで無く途中から客席に居た小学生の男の子をステージに挙げてセッション。
子供扱いせず、あくまで一緒にセッションするプレイヤーとして扱う姿勢にまた好感を持った。

それは中盤に演奏されたシリアスな曲にも感じた。
上京仕立ての頃優しい声をかけてくれた隣のおねーさんを歌った「ストリッパ―のおねーさん」。
「兵士A」で歌われた「ショッピングモール」「兵士Aくんのうた」「Love In Wartime」。
アフリカモザンビークで戦火から逃れた友人を歌った「アクロスアフリカ」。
沖縄高江の基地反対運動を訪れて見た海を描いた「蒼い魚」。
311の後、東北で逢った女の子を歌った「Memory Lane」。
どれもシリアスな内容だけど「戦争反対!」だの「○×倒せ!」と言った単純な政治観は描かない。
描くのはあくまで日常、そこに生きる小さな生命(いのち)。
七尾クンが実際に見た景色、逢った人を描いたうたたち。だから優しく美しい。
彼の歌は世界の片隅に息づく小さな生命(いのち)に対する優しさに満ちている。
そう、この「優しさ」こそがボクが七尾クンが好きな理由だ。

後半は客席とコール&レスポンスし大盛り上がり。
「どんどん季節は流れて」「Happy Talk」「Rollin,Rollin」「Future Running」とグルーブある曲を連発。
先出の子供をまたステージに挙げて一緒に歌い踊る。客席は立ち上がり一緒に歌い狂乱状態。
嘗てみた七尾クンのライブで一番盛り上がった!
アンコールでは客席のリクエストに応えて「サーカスナイト」を歌う。
途中で客の男衆に担ぎあげられて2階によじ昇る。スゲぇ!
熱狂のうち、ライブは終了。


いやぁホントに素晴らしいライブだった。色んな意味で解放がされていた。
七尾クンもお客さんも。あの場が素晴らしく熱く自由なグル―ヴに包まれていた。
七尾クンがやったのは基本弾語り、ロックバンドで轟音を鳴らしたワケじゃない。
アコギとサックスとサウンドマシーンだけであそこまで熱い場を作れる。
ロックってまだまだ色んなことが出来るんだ。そう想わせてくれた。

珠玉の名作「リトルメロディ」から既に5年。
そろそろニューアルバムを聴きたい気もするが・・・・
それ以前に彼のライブは毎回予想がつかない展開をする。見る度に衝撃がある。
ライブ自体が1つの作品だ。
次回はどんなLIVEを、どんな歌を見せてくれるのか・・楽しみで仕方がない。
こんなシンガー他にいない、ぜ☆


連休中は散歩して色んな街猫さんと遭遇。でも、一番はやっぱりこのコです♪
(親バカ。(゚゜)\バキ☆)

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七尾旅人 / 映像:ひらのりょう「特殊ワンマン・兵士A」@渋谷WWW

2015年11月20日 | 七尾旅人
木曜日の夜、渋谷WWWに七尾旅人のLIVEに行ってきた。
LIVE名は「特殊ワンマン・兵士A」。
現在、七尾クン「第二次世界大戦~現在~2020年オリンピック」
を「未来の視点」から描いたアルバムを制作中。
同時に七尾クンは現在の日本を「戦後でなく戦前」の意識で捉えている。
今回はそのコンセプトを活かしたLIVE。

会場WWWは映画館を改造したライブハウス。
入場早々、プログラムが配られる。本日演奏曲目を掲載。
今回LIVEは全曲目、継ぎ目なしで演奏しMCの曲目説明も無いため予めプログラム
を配布したとの事。既存曲2曲、カバー2曲以外は全て未発表曲。

ステージの後ろのスクリーンには映像作家ひらのりょうによる映像が映っている。
七尾クン登場。軍服を着て坊主頭。手元のサンプリングマシンからノイズが溢れる。
アルバム「911FANTASIA」収録の「戦前世代」から開始。
立続けに歌われ映像とノイズが流れる。MCも拍手も歓声もなし。
観客はひたすらステージ上で起こっていることを目撃。
最初は少々つらかったが、直ぐに惹きこまれた。

「ぼくらのひかり」はある一家の一生と時代の流れを描いた大作。
第二次世界大戦、炭鉱、石油、原発、911、311。時代に翻弄される小さな家族。
やがて世界は戦争となり、息子は少年兵として参加。戦時下の様々な光景が紡ぎ出される。
戦時中の恋愛、サイクリング、ショッピングモールの買い物、平和な光景。
同時に軍隊の行進、無人ロボットによる殺戮が併存する世界。
アトムの愛らしい足音、それが殺人マシンのけたたましい機械音に変容する。
2020年東京オリンピックで湧く世界、歓声。その歓声はやがて銃声と悲鳴に変わる。
七尾クンは異国の言語を叫びエアガンを客席に向け鉄パイプでドラム缶を殴打する。
渋谷の中に出現した架空の戦場、暴力と狂気。
客席にいるオレも「第三者」でいられなくなる状況。恐怖感、戦慄と共に興奮を覚える。

後半、アルバム「911FANTASIA」収録の「airplane」が奏でられる。
NY世界貿易センタービルに突っ込む飛行機に乗るパイロットを描いた歌。
響き渡る飛行機の飛び交う音。七尾クンの叫び。不気味だけど美しい。
最後は「誰もしらない」。障碍、貧困、戦争、差別、無関心。
「誰もしらない」というフレーズが何度も何度も繰り返される。
この曲で壮大且つ実験的なこのLIVEは終わった。

時計を見たら何と10時45分。実に4時間。途中から時間の経過を忘れていた。
客席からは惜しみない拍手が続いていた。

何とも挑戦的なライブだった。いや、ライブと言うよりは演劇、アート。
視ている間、ずっと苦しかった。楽しさ・開放感ゼロ。でも、視てよかった。

先週の「うたのありか」では「愛と自由と相互理解」が高らかに謳われた。
それは素晴らしく勇気を貰えた。
一方、七尾クンが表現したのは「暴力、憎悪、無関心、平和の儚さ」だった。
軍服を着て銃を客席に向け鉄パイプを振り回すパフォーマンスについて、
「悪趣味」と眉をひそめる人がいるかも知れない。
でも、「戦争・暴力」って悪趣味でイヤなモンだ。それを描くのは大切な事だ。
ロックやアートは「平和」を謳いあげるだけでなく暴力や憎悪に
正面から向かい合う役割もあるのだ。
そこに真正面から取っ組み合った七尾クンには拍手を送りたい。

このライブ、東京で1回きりの開催なんて勿体ない。
是非ライブ音源か映像をパッケージにして発売してほしい。
若しくは、この内容で全国各地を巡回して公演してほしい。
これは多くの人が目撃すべき「問題作」だ。

七尾旅人・・やっぱり凄い。凄すぎる。
次のアルバム・・・絶対聴こう。聴かなくちゃ。


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七尾旅人ワンマンライブ歌の大事故スペシャル〜解散総選挙〜

2014年09月28日 | 七尾旅人
昨日は日本青年館に七尾旅人のライブを見に行ってきました。
元春の「ソングライターズ」出演が切っ掛けで彼の表現に興味を持った。
前衛でアートでポップ。作品ごとに表現が変わる幅の広さ。
独特の世界観、表現に惹かれ何度かライブに行った。
昨年見た渋谷ワンマンは矢鱈トークが長く進行もグダグダ。
でも、七尾クンから放たれる熱量がハンパ無くオモシロかった。

今回はなぜか「解散総選挙」と銘打ったライブ。ソロなのに「解散」???
日本青年館は初めて。客は若い女性が多い。
イベントで共演した小林幸子から花が届いてた。


ライブは基本七尾クンの弾き語り。曲の終わりもハッキリせず。トークも長い。
「をいをい、もうちょっとまとめろよ」とツッコミたくなる。
でも、ともかく声とメロディが素晴らしい。
あの表現の凄さの前には「ライブ進行の完成度」なんぞどうでも良くなる。
「完成度」は大事だが、その外にも大切なことはある筈だ。
若いお客さんは心得たもので彼の歌を楽しんでいた。
手拍子だの総立ちだのは無かったが彼の歌をジッと聴き大きな拍手で応えていた。

総決算といいつつ旧い曲は殆どやらず。未発表の新曲ばかり。
「サーカスナイト」「湘南が遠くなってゆく」のヒット曲も早目にやった。
原爆・原発に翻弄される家族を歌った「ぼくらのひかり」は鳥肌が立った。
サポート石橋英子との即興パンクセッションも凄かった。

後半はヒットした「Rollin Rollin」(やけのはら参加!)で盛り上がり客も歌う。
新曲だけど、客とのコール&レスポンスが延々続いた「HAPPY TALK」でクライマックス。

七尾クン、ここでようやく「解散」について赤裸々に話す。
「音楽業界への絶望、自分のやってる音楽が伝わっていない事への失望」等を話していた。
痛々しかった。
アーティストがステージでこういった内輪の愚痴話を客に話すのは如何か?という意見もあろう。
でも、生身の人間を感じてオレは・・・良かったと思う。

ラスト2曲(新曲)は素晴らしい歌だった。
「鼻歌ラジオ」の中で歌われていた「誰も知らない」・・・
障碍・差別・誰にも分らない・・・といった歌詞・・・・簡素なメロディがズンと響いた。
オーラス「Farewell Kid」・・・尽き得ぬ音楽への愛情を真摯に歌う。
七尾クンは歌いながら、マイクで自分の体やアタマを叩き、何度も叫ぶ。
何とも悲しい・・でも一方で力に溢れた叫びだった。
最後、「ありがとう」と呟きマイクを床に置いて去って行った。
客席は熱い拍手で見送った。
そして、石橋さんの描いた美しいピアノで幕は閉じた。素晴らしい音像だった。

何とも凄まじいライブだった。いや、あれはライブだったのか?
演劇を見たような、或いは独りのアーティストのドキュメンタリーを見たような気分だ。

彼の言う「解散」の意味は今1つ分からない。
来月も大阪でライブを予定しているし音楽活動は止めないと思う。
(客席も「また言ってるよ」みたいにクスクス笑ってたし^^;)
ただ、彼が色んな絶望を抱えていることは分かった。
このまま続けるのがツラいなら「休む」のは全然有りだと思う。

でも、あれだけの歌が歌えるんだ。あれだけの表現ができるんだ。
こんな熱量を持ったシンガー他にはいない。
どんな形でもイイから歌い続けてほしい。やめないでほしい。
名前を変えても整形しても性転換してでもイイからまた聴きたい。

今朝は何か不調。七尾クンの叫びが耳に残って離れない。
今夜は川崎で元春&コヨーテバンドのツアー初日に参加。
七尾クンの歌に悪酔いした後で元春の歌がどう響くか不安もあり(^^;
でも、「前衛、アートなロック」の元祖は元春だ。
心配ないさ。
コヨーテの吼え声、たっぷり味わってきますV(^^)


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七尾旅人「歌の大事故リトルメロディツアー」FINAL@渋谷公会堂

2013年01月06日 | 七尾旅人
昨日七尾旅人ライブを見に渋公に行ってきました。今年のライブ初め。
七尾クンのライブは「佐竹商店街ライブ」や「百人組手」のイベントでは見てたけど
純然たるソロライブは初めて。
昨年出た「リトルメロディ」が素晴らしかったのでライブでどう再現するか楽しみだった。
夕暮れの渋谷は凄い混雑。人混みを縫って渋公に向かう。

ボクの席は1階18列3番目。左端からステージ全体を見える好位置。
今回はユザーン(Per)、大田朱美(Flute)、ドリアン(Key)のゲストを迎えての
ライブ。ドラムもベースも居ない。どんなライブになるか想像がつかない。
客層は若い。でも中年の男性も何人か居る。子供連れも多い。


いきなり開演中の注意をユザーンが読むという展開に客席爆笑\(T▽T)/
客電が着いたまま七尾クンはフラリと登場。大田朱美を呼び込んでライブ開始。
オープニングは2ndアルバム収録の「息をのんで」(間違ってるかも)
最近のイベントでは最近の曲ばかりなので旧い曲の演奏にビックリ。
そのまま「名曲に日本語詞をつけて台無しにしちゃいました」と「星に願いを」のカバー。
途中でボイスチェンジ、特殊音を鳴らす七尾クンお得意の展開。

ここから七尾クンのソロコーナー。東北を廻った想い出を話した後「圏内の歌」。
放射能の不安に「子供たちだけでも逃がしたい」と訴える親の心情を綴った歌。
隣の女性は涙ぐんでいる。続いて「サーカスナイト」
え、これ、もうやっちゃうの?ダンスチューンなんだから後半に取って置けばイイのに。
「湘南が遠くなってゆく」はサザンの「真夏の果実」に匹敵する夏の名曲。
これもしっとり、アコギ一本で聴かせる。
ここまで基本アコースティックライブ。客席は手拍子も立ち上がりもせず大人しい。

沖縄を訪問してオスプレイを見て色々考えたということで「airplane」を演奏。
これは911をモチーフにして戦闘機乗りの感情を描いた歌。
こんな発想で曲を創るアーティストは居ない。
静かだけど禍々しく歌い上げ叫ぶ七尾クン。それまでのほっこりムードが変わる。
最後、飛行機が飛ぶノイズと爆音が会場を包む。
戦闘機が自分の直ぐ近くを飛ぶのがどういうことか?の仮想体験。

「シャッター商店街のマイルス・ディビス」で客席、大拍手。
七尾クンは声色を色々変えてライムを繰り出す。「お×××コ野郎」と叫ぶ。
ただ客席はシーン。ライブハウスでやった「百人組手」ではこの曲盛り上がったのに。

でも、ステージ上、次に何が起こるかワカラナイ。立って踊って、よりも
七尾クンが何をしでかすか、をチャンと見届けたい。
「ユザーンは弁当の食いすぎで腹を壊して病院にいきました」との七尾クンの前フリ
で始まった「アブラカダブラ」最初は大田さんとのセッションだったがユザーンが途中参加。
タブラで色んなオトを鳴らす。客席反応して声を上げる。七尾クンもノイズで返す。
七尾クンってソロだけでも良いけど、セッションの方が力を発揮する。
客席はここからリラックス。立って踊るは無かったけど一緒に歌ったり手拍子したり
七尾クンに声を掛けたり熱く盛上がっていく。
「どんどん季節は流れて」「Rollin' Rollin'」では客席も大声で歌う。
ラスト再び七尾クンのソロ。311の後、東北で見た光景を話す。
家財道具がそのまま積み上げられた瓦礫の中で必死に何かを探していた女の子。
「Memory Lane」今回もっとも聴きたかった歌。傷ついた街を優しく包む歌。
荒浜、石巻、いわき、相馬の光景がフラッシュバックする。
七尾クンは最後叫ぶ。凄い声。思わず拳を握りしめてた。
ラスト「リトルメロディ」。歌の力で全てを乗り越えていこうという意志。
七尾クン、途中で感極まったのか声が掠れる。客席みんなで合唱。
七尾クン、ギターを置きマイクなしで歌う。何か温かいものが胸の中を流れていく。

アンコールは再びソロで。
七尾クンは若い頃、励ましてくれた石野卓球への感謝をこめて電気グルーヴの「虹」をカバー。


七尾クンは何度も音楽に対する愛情を語る。
「音楽なんてその気になれば簡単に作れる。みんな鼻歌を録音すればいいんだよ」
「尊敬する人はミュージシャン。もうミュージシャンは大好き」
「どちらが正しいとか悪いとか云えない感情を音楽は表現できる」
「オレの夢は世界中が歌で会話すること」

偏執的なまでの音楽に対する愛情、信頼。だから彼の歌は人を動かすんだろう。
最後は子供たちに向けて歌った「おやすみタイニーズ」。「心配ないよ」と何度も歌う。
そのまま即興で「物販の歌」に突入。「Tシャツ買わなくてイイからお金だけくれ」
と叫んで会場の失笑を買う。ライブはここでお終い。何ともユルい終わり方\(T▽T)/

ホント楽しく刺激的なライブだった。普段行ってるロックバンドのライブとはまた違う。
まるで芝居かアートパフォーマンスを見てるか、の様だった。
正直MCが長すぎるとか、一緒に歌えて盛上がれる歌が少ない、とか不満もある。
でも、それは七尾クンの個性でもある。批判するより楽しんだ方がイイ♪

七尾クンは「次の作品はワケがワカンナイ誰も誉めないのを創ってやる」と言ってた。
その意気や、よし。キミのNEXT、注目して待ってるよ。
さ、今日で長い休みは終わり。明日からいつもの暮らし(仕事)がはじまる。
負けないようにがんばらなくっちゃ☆


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七尾旅人インストアライブ@新宿タワレコ

2012年08月18日 | 七尾旅人
昨夜は新宿タワレコで七尾クンのインストアライブ。
実は当日まで忘れていました(笑)ツィッターで七尾クンの書込み見て思い出した。
幸いライブ整理券は手帳にはさんで持ってる。よし行くぞ。

会場は新宿タワレコ7Fイベントスペース。
イベントスペースには既に大勢の人が集まってる。ボクは前から5列目位に陣取る。
次から次に人が増えてくる。七尾クンって・・人気あるんだ。
「Rollin`Rollin`」のヒットで注目されてたのは知ってたけど・・
ボク的には「アングラ・実験音楽・前衛」のイメージが強かったのでこの人気は意外。

七尾クン、リハでマイクチェック。「サーカスナイト」や「Rollin`Rollin`」の一節
を弾くと客が湧く。「今日はこの曲やんないよ~」というと客は「え~!」と返す。
「いいね。このガッカリ感。これぞライブ」と七尾クン、嬉しそう。
タワレコの女性スタッフをイジる。「ウチのメンバーにならない?女性メンバー
が1人いると売れるし」とジョークを飛ばす。
いや、キミもっと売れたいなら先ずその髭を剃りなさい。折角のイケメンが勿体ない。

一旦退場していよいよ本番。人が多くて熱い。身動きが取れない。
スタッフの呼び込みで七尾クン登場。拍手喝采。
七尾クン「新宿タワレコはいつもボクの作品を揃えてくれて応援してくれる。感謝」
「前回はノリノリでコール&レスポンスしたけど今日はしっとりやります」と気さくにトーク。
その後、七尾クンは先日までいた東北、福島の話をする。


 ・プロジェクトFUKUSHIMA!のイベントで行ったら去年笑ってなかった福島の人が
  大笑いしてたのが嬉しかった。
 ・東北って言っても被害が街によって全然違う。南相馬に行ったけど1年前のまま。
 ・311以来、矢鱈「正しい・マチガイ」で2つに分けようとする。仲良しなのにケンカも
  起こる。でも音楽はもっと曖昧な視点で寄り添える。それが音楽の良いところ。

七尾クンの話を聴きながら思わず頷いた。
今回のアルバムは凄く優しい。傷ついた人に寄り添ってる。その優しさにウソがない。
リアルな優しさ。それは七尾クンが東北に実際に行って見て生まれた歌だからだろう。

福島話の流れで「圏内の歌」から開始。いつも以上に優しく響く。客席シンと聴く。
そのまま「サーカスナイト」に。さっき「やらない」って言ってたのに(^_^;
アルバムのバンドヴァージョンも良いけど弾語りもイイなぁ。

七尾クンは店内で掛かる音楽やお喋り、物音に勝負を挑むか、のように歌う。
声、ギターの音色が大きく響き他のオトが消えた。もちろん錯覚。でも、そう感じた。
続いて「湘南が遠くなっていく」。これは・・・名曲だなぁ。
サザンの「真夏の果実」に並ぶくらい、夏、海を歌った良い歌。

で、いよいよ最後の曲。「なんか聴きたいのある?」と客席にリクエストを募る。
ワシ思わず「Memory Lane!」と回答(゚゜)\バキ☆周囲にいた女性もうなずく。
でも他の方のリクエスト「リトルメロディ」を採用。これも名曲なので文句なし(^^;)ゞ

10分に亘る大作。オンガクへの信頼、歌の力で壁を超えようという意志を紡ぎあげた唄。
七尾クンは静かに真っ直ぐと歌う。ココロにストレートに入ってくる。
ラスト七尾クンが煽って客席とコール&レスポンス。静かだけど力強い歌声たち。
七尾クン、うれしそうに何度も叫ぶ。吠える。最後にエネルギーが爆発した!

ライブ後はサイン会。これは参加せず。折角の機会、勿体ない気もしたけど
アーティストを前に話すことなんざありません。(^^;)ゞ

帰りの電車の中。凄く満たされた気分の自分がいた。ライブ、良かったな。
歌声が真っ直ぐと届いてきた。変化球投手と思ったら超剛速球を持ってやがった。
もっとライブみたいな。
リクエスト却下された「Memory Lane」は絶対ライブで聴きたい。
来年1月にある渋公ライブ行こうかな~。もう少し考えてみよう。

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