僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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映画「No Damage」を見てきた

2013年09月15日 | 佐野元春
今月末は監査が立て続きにある。
今週はその準備でバタバタ。週末になると疲労困憊。ミョーな頭痛もする。
金曜日の夜、隣の部署の課長さんと雑談。お互いの仕事の悩みを話す。
彼と話していて自分の悩みが氷解した。そうか、やっぱり、そうだったんだ。
オレが感じたことはまちがってなかった。
問題が解決したわけでは無いが、少し「楽」になった。

昨日から3連休。昨夜は有楽町に映画「No Damage」を見に行く。
元春の初期のライブツアーの様子をまとめた伝説の映画。
ビデオ「TRUTH」で断片的な映像は見たが実際にこの映画を見るのは初めて。

ボクは元春の初期の活動はライブビデオや本でしか知らない。
「凄かった」というのは知識として知っているが、「実体験」は無い。
だから「初期の佐野元春」は未知の世界。懐かしさや感慨はない「知らない世界」。
一方で現在(いま)の元春とそんなに「変わりないだろう」と思ってた。
そりゃ、声や外見、歌う内容に変化はあっただろうが・・・
本質と佐野クンの「楽しい、オモシロい、ワケのワカンなさ」は変わってないだろう。
「佐野元春は年齢を超越している存在」・・・そう、思ってる(^_^;

「ライブ会場」はヒューマントラストシネマ有楽町。嫁と晩御飯食べた後レイトショーで見る。
場内は7割の入り。観客もそれなりの年齢のヒトが多い。(オレもだよ(゚゜)\バキ☆)


(以下、映画の内容に触れてます。でもネタバレ知っても大した影響無いと思う(゚゜)\バキ☆)

映画は基本モノクロで進む。フィルムのザラザラした感じがイイ。
導入部はホテルに居る「パンツ一丁」の佐野クン。(^_^

その後はひたすらライブツアーの様子が映される。
飛んで跳ねて叫ぶ佐野クン・・・・基本、今と変わりないけど・・なんか凄い。
ステージのど真ん中に居る、あの「エネルギーの塊」は何だ?何だ?コイツは?
ハートランドのメンバーも矢鱈動き回っている。
銀次さんがステージ上を走り回っているのもビックリ。
もっとプロデューサー的に全体をクールに見て、まとめているのか、と思ってた。
シータカは・・・現在(いま)と全く変わってません\(T▽T)/
パワフルで明るくてノリノリで。。。ホント、変わってない\(T▽T)/\(T▽T)/

佐野クンのライブは割と「お約束」「決め事」が多いと思うんだけど、初期のライブは
未だ「お約束」が無い状態。お客はひたすら黄色い嬌声をあげて佐野クンより先に歌うし。
お客のノリも基本、現在(いま)と変わってない、でも、ひたすら「若い」。
佐野クン、ハートランドとオーディエンスがお互いの若さとエネルギーを投げて
ぶつけ合ってる。なんかワケワカンナイ。なんだ、こりゃ?呆気にとられた。

一方で楽しそうな笑顔やアクション、折り目正しいけど何か可笑しいMCは今と同じ。
30年経っても、このヒトの「本質」は変わってない。それは嬉しかった。
最後は「R&Rナイト」で終わる。魂込めた「叫び声」、ウン、これも変わってない。

嫁も楽しんだ様子。「すごいね」「でも変わってないね」とお互い話す。

今朝、目覚めるとカラダ中が痛い。まるで「ライブに行った後」みたいだ。
いや、この感じ「岡本太郎の作品を見た後」の感じに似てる。
ボクは自分の感性や感覚を遥かに超えるモノをみたとき、カラダがおかしくなる。
今回もそうだった。あの凄さは・・・想像を超えていた。

実はボク10代で元春のオンガクに出会わなかったことを残念に思っている時期があった。
10代の感性が真っ白な時期に元春に出会っていたら、もう一寸はマシな人間になってたのでは?
そんな風に思って後悔していた時期もあった。
でも、昨日「No Damage」を見て、つくづく「10代で会わなくて良かった」と感じた。
こんな凄いオンガクやライブを10代のアホなアタマで体験していたら・・
きっとオレは「おかしく」なっていただろう。
ライブに何度も通いつめ学校も止めてきっとライブ代欲しさに犯罪でも犯してただろう。
10代で元春に「出会わなくてよかった」。つくづく、そう思った(゚゜)\バキ☆

もう1つ考えたのは元春がこの後、NYに渡らず初期の活動の延長で作品を造ったり
ライブをしていたら、どうなっていたか、ってこと。
いわゆる「シティポップス」的な世界を展開するアーティストになってたかも。
お洒落でステキで楽しいけど・・攻撃性やメッセージ性が無い歌。そんなアーティストに。
NYに渡って「VISITORS」を作ったからこそ「SHAME」や「99ブルース」「愛のシステム」
みたいな攻撃的なロックを生み出せた。
決して「POP職人」にならずに「変化する゛アーティスト゛で、い続ける」。
だから、ボクは元春が好きだし信用してる。
「何をするかワカンナイあぶなさ」、それが佐野元春の最大の魅力、だと思うので。

「No Damage」で正にその「あぶなさのはじまり」を確かめることができた。
このヒトのファンでよかった。オレはまちがってなかった。そう思うことができた。

ヨモちゃんはお休みで嫁@パンダが居るのがウレシイのか、嫁にベッタリ。
相当ダメな顔になっています。キミも元春と同じくらいオモシロいよ\(T▽T)/

さ、次は映画「BEATCHILD」と「サムデイ再現ライブ」だ。
「佐野元春のオモシロさはかわらない」、それをまた確かめに行こう♪

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「風立ちぬ」と藝祭

2013年09月08日 | Art・本・映画
金曜日は夏休みを取る。夏バテ、その他色々で疲労困憊。
何か刺激がほしい、オレのアタマをガツンと割るような刺激が。
そういうときは優れたアートを見に行くに限る。
で銀座に宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見に行く。
ボクは学生時代から宮崎さんの作品を見てるが、映画館で見るのは「もののけ姫」以来。
「もののけ姫」以降の新作が出るたびのお祭り騒ぎや「説教臭い作風」に
毎度の「清く正しい少年少女が超能力を発揮して活躍するファンタジー」の繰返しに
正直辟易していて離れていた。
ただ、「風立ちぬ」は近代の日本を舞台に大人の男性が主人公、ファンタジー要素皆無
ということで期待して見に行った。

ウィークデーということで映画館はそんなに混雑していない。
ちょうど宮崎さん引退会見がある日ということでTV局がカメラを入れたり
観客にインタビューをしていたりした(ボクも受けました(゚゜)\バキ☆)

映画の内容は・・公開中なので詳細は避けますが・・・
静かな・・静かな作品でした。映像詩といっても良い。
近代日本の「欧米に追いつけ、追い越せ」を進めて戦争を引き起こし、
多くの犠牲者を出す姿は・・・
現代の日本に重なる。高度成長、バブル、公害、不景気、震災、原発事故。
そのうえで尚「東京オリンピック招致」でお祭り騒ぎ。ホント懲りない国だな。

主人公次郎は幼少の夢を追い続けて飛行機の設計に自分の人生を賭ける。
「美しい夢」であると同時に「人の命を奪う呪われた存在」である飛行機。
次郎は「戦争に使われると分かっていて」新技術の開発に精を出す。
「戦争反対」なんて絶対言わない。
彼は戦争に手を貸したのかも知れない。でもボクは彼を責める気になれない。
だって、それは彼の仕事だから。
戦争は国策だ。国の命令に従って戦闘機の性能向上に励んだ一介の技術者
が非難を受けるべきだろうか?
じゃぁ原発は?原発を開発した技術者は「悪」なのか?
大体、オレたちが喜んで使ってるインターネットも元は軍事技術の応用だ。
戦争、原発、それを決めたのは国だ。そして、それを止めなかったのは
国民全体だ。一個人を責めても仕方ないんじゃないか?

後半の次郎と菜穂子の美しいラブストーリーにはドキドキした。
2人のラブシーンが凄く色っぽい。
齢72歳の爺さんがこんな艶やかなラブシーンを描けるのか。
時代は進み次郎の夢も・・・破れる。
ラストシーンのあまりに直接的なメッセージ、ズシンと来た。

72歳の最後の覚悟、しかと見せて貰った。
でも引退なんて冗談だろ?こんな瑞々しい作品が創れるんだ。
クリエイターとして、まだまだイケるだろ?
オレは「風立ちぬ」の次が見たい。どんなカタチでもいい。待ってる。

昨日は嫁と東京芸術大学の学園祭「藝祭」を見に行く。

毎年恒例、学生さん制作の神輿。今年も力作ぞろい。

正直、アニメやゲームキャラのパロディという気もするけど、
ま、オリジナリティなんてどうでもイイ。楽しけりゃイイのさ。

他にも絵画、デザイン、インスタレーションを楽しむ。
未熟だけどパワーに溢れてる。
露店の横では学生バンドがナンバーガールみたいなファンクを演奏。
ステージ上ではクラムボンっぽい曲が演奏されている。
流石、アート系の学生、オンガクの趣味もイイじゃん。

これも毎年恒例サンバ祭り。
学生が打楽器を乱打し踊り叫ぶ。無責任で自由な空間。
丸で「じゃがたら」「渋さしらズ」みたい。楽しいぞ~( ̄∇ ̄~)(~ ̄∇ ̄)~

ベテランの珠玉の名作、学生のパワーあふれる作品。
アートの力、たっぷり堪能しました。イッパイ刺激貰ったよ。Thanks☆

帰りは馴染みの可愛いネコさんに遊んで貰って満足。

今日、2020年「東京オリンピック開催」が決まった。・・全然うれしくない。
東京で開催するのに「東北復興」をネタにし収束もしていない原発事故を
「問題なし」と世界に向けて発信した、この国の政治。
「風立ちぬ」の時代から全然成長していないな。
そんなにイベントがほしいか?成長がしたいのか?

安倍さんは「国民みんなが1つになって東京オリンピックを成功させたい」
と言ったらしい。
その「みんな」にはオレも入るのか?ヤだな。オレは外しといてくれ。
オレは「1つ」の中には入らない。別の方向に行く。
「東京を盛り上げる」よりも「東北を盛り上げたい」。オレはそっち、だ。

お休みの〆はコレクターズのライブ。思い切り暴れて明日から、また闘おう!

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「リアル」を取り返した日~仙台若林区ボランティア記

2013年09月01日 | 東北のためできること
週末は仙台にボランティアに行ってきました。前回同様、個人参加。
早目に帰宅して準備。ヨモギは殺気立ったボクを見て「なんか変だにゃ」という顔。
ボクにあまり近寄らない。お出掛けのときも机の下に隠れてたし。(^_^;

新宿から深夜バスで仙台に向かう。今回は奮発して少し豪華な席のバスにした。
1人座りで隣の席は無く、伸び伸びと座れる、と思ったら意外と狭い。(゚゜)\バキ☆

仙台に早朝着。とても涼しい。湿気も無く過ごしやすそう。

作業着に着替えて朝食摂ってバスで深沼海岸に向かう。

深沼海岸の前は花で色採りどり。地元ボランティア「Re-roots」の皆さんが植えた花。
一面に広がるヒマワリを見て思わず声を出した。
あの茶色くくすんだ荒れ地がキレイに生まれ変わっている。凄い!



海岸近くの慰霊碑にお参り。以前は津波で破壊された住居の基礎が残ってたけど
それも殆ど撤去されている。311から2年半。ようやく此処まで進んだ。
いや、まだこの程度しか進んでない?・・・・うーーーーん(v_v)”
ちょうど東京から見学に来てる人がいたので話す。
「以前よりキレイになったけど、まだまだ復興は先だね」と話していた。

お別れして「Re-roots」に向かい受付けを済ませる。
京都、山形から大学生がボラで来てる。Re-rootsのリーダーから最初に説明。
「大きな瓦礫は除去したけど農地には未だ小さい瓦礫が残っていて作付けが出来ない」
「農業は少しづつ復旧している。でも耕作放棄地、農家の後継ぎが居ない等の問題
 が山積み。「復旧から復興」に早く進めるようにすべきことは多い」。
聞いている間に気合いが入る。「仙台は復興が進んでいる」とか言うけど・・
「まだ復旧途中」なのだ。それを忘れちゃいけない。

チーム分けしてボクは「農家で壊れたビニールハウスの解体」をすることに。
大学生リーダーについて作業場に行く。ビニールハウスが崩壊状態。
メンバーと金属の梁を解体していく。
暑いけど涼しい風が吹いて爽やか。最初は順調に作業が進む。
でも、梁の繋ぎ目の螺子が錆びていて色々やってみたが外れない。
段々焦ってくる。何?こんな簡単なこともオレ、できないの?
若い奴らの前で見っとも無い。カーッとアタマに血が上る。
ちょうど此処でお昼休み。

Re-roots学生リーダー、ボランティアの学生と色々話す。
仙台へのボランティアツアーは大きく減っているけど未だ支援は必要。
大学生ボランティアは結構来るので助かってる、とのこと。
現在(いま)の若い衆は素晴らしい。オジさんも負けてられないな。(^_^;

仕事再開。午前中に終わらなかった螺子外しに再挑戦。やはりダメ。
うーーん、どうしようか。困ったな。一瞬、嫁@パンダのコトバを思い出す。
「キミはあわてなけりゃ、大抵のことは上手くできるんだから」
落ち着く。学生さんに協力を仰ぐ。オレの自力でやりぬきたいけど、ムリなら
誰かの力を借りるしかない。カッコなんてつけてられない。
学生さん2人で挑戦。でも外れない。一旦、ペンディングに。

螺子は後回しにして他の作業に精を出す。梁は複雑な構造で皆さん苦労している。
ボクも瓦礫撤去や除草は経験あるけど構造物の解体は初めて。四苦八苦。
あと1時間で終わり、というところで再度「螺子外し」に挑戦。
学生さんに手伝って貰って何とか「1個」外した。
いや、実際に外したのは学生さんだけど(^^;)ゞ

ここで終了。結局「螺子」に振り回された1日だった。
でも、自分なりに全力は出せた。成果を出せたか?はかなり怪しいが
自分的には精一杯やった。それで満足。

Re-rootsの皆さんに別れを告げて仙台駅に戻る。
バス停までの道にもヒマワリが沢山咲いている。
足腰が痛い。でも、この痛みはオレが「仙台に来た」という証だ。

駅に向かうバスの中、CARNATIONの「遠くへ」を聴きながら仙台の空を見てた。
ひたすら見てた。また、来るからな。絶対来るから。そう誓う。

市内に戻って銭湯に向かう。先ずは汗を流したい。
広瀬通近くに小さな銭湯があったので入る。銭湯はうまれてはじめて入る。
チョッと楽しいかも。
全身筋肉痛。でも、この痛みこそ「リアル」だ。
仙台(ココ)で見たもの、感じたもの、確かにこのカラダにきざみつけた。

その後は市内散策。ある横丁では夏祭り。イベントゲストの鼠先輩を見た(^^;
サンモール通りで、とある中古CDショップに立ち寄る。
70年代~90年代のコアな音楽CD、アート本、芝居関係の書籍で溢れている。
昔よく聴いた坂本龍一の「BEAUTY」が中古であったので購入。
歩いているうちに筋肉痛がぶり返す。駅近くの餃子屋で一人で酒盛り。


呑みながら1日のことを想い返す。作業は上手く出来なかったが満足してる。
それは、今回仙台に来たことで以前の様なモチベーションを取りもどせたから、だ。
ここ最近のボランティアには飽きや倦みがあった。
ボランティアも10回近く行ってると、そろそろ慣れが生じてた。
被災地の破壊された光景を見ても何も感じず作業も唯のルーチンとなってた。
以前あった「地震野郎、津波野郎にパンチをお見舞いしてやる」みたいなファイトが
薄れていた。ホントにこれでイイのか?東北支援、もっと良い方法があるんじゃないのか?
凄い中途半端。ホンネを言えば「面倒、あきた、やめよう」というキモチもあった。

でも、ここで止めたら、それこそ「中途半端」だ。
東京にいてやれる東北支援には限界がある。ならば、やはり東北現地でやれることをやろう。
数ヶ月に1度でも、実際に現地に行って行動して話して感じて帰る。
「リアル」はそこにしかない。ならばボランティアを続けよう。
続けてこその「偽善(リアル)」だ。
今回、仙台に来たことでオレは「リアル」を取りもどせた。それがサイコーにウレシイ。

仙台から深夜バスで本日早朝帰宅。
ヨモギは仙台の土の匂いが珍しいのか?矢鱈ボクを匂いスリスリする。
なんだよ!出かける前は近寄らなかったクセに。この甘えっこ\(T▽T)/

今日は1日家でノンビリして疲れを取る。

収穫の多い旅だった。東北は今年中にまた行く。いや、行かねばならない。
次回は、もっともっともっと、頑張ろう。
明日からはまた別の「リアル(仕事)」と取っ組み合いだ。
こっちは、あまり頑張りたくない。そこそこテキトーで何とか切り抜けようっと♪

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