僕と猫のブルーズ

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七尾旅人「百人組手」@赤坂ブリッツ

2012年01月29日 | 七尾旅人
七尾旅人がゲストと即興セッションをするイベント。
ゲストがZAZENBOYS、CHARA、近藤等則、坂田明という曲者ぞろい。
そして、昨年吉祥寺で見た大友良英とオーケストラFUKUSHIMAが参加する。
ということで興味津々。また今までライブで見た七尾クンは何れも弾き語り。
優しくほのぼのムード。これはこれで楽しいけど、アルバムを聴いた感じでは
もっとアートで前衛的。今回のイベントでは「過激な七尾クンが見たくて」行った。

早目についたのでTBS周辺を散策。矢張り人工的でミョーに浮かれた感じが馴染めない。

ただノンビリ歩いて入場したのがかなり遅れて席はずっと後ろ。しまった!(^_^;
客層は若い。ファッションもクラブ系というかボクが普段行くライブとは全く違う。

七尾クン大友さん以外は未体験。向井秀徳はナンバーガールは聴くがZAZENBOYSは未聴。
どのミュージシャンも知らない音世界。ワクワクする。
定刻をかなり遅れて七尾クン登場。いつも通り麦藁帽子と下駄\(T▽T)/
このイベントの趣旨「基本1人が好きで大勢は苦手だけど良いミュージシャンに
負けたくないと思って始めた」らしい。で先ずは弾き語りで「圏内の歌」。
「放射能、子供だけでも逃がしたい、帰れない」福島に住む人の視点で語る歌。
若い客席もじっと聴きこんでいる。で以下ゲストとのセッション


○AFRA+櫻井響
勢いよく登場。威勢のイイRYMEを繰り出す。客席大盛り上がり。
ラップミュージシャンのライブは初体験。でも「人生応援ラップ」でなく
目の前の事をネタにしてひらすら叫びまくる姿勢は好感。
七尾クンと「旅人」をひたすら怒鳴る。七尾クン、ダンス。いやぁオモシロい。

○大友良英&FUKUSHIMAオーケストラ
七尾クンが呼び入れ大友さんとFUKUSHIMAオーケストラがステージに登場。
会場から温かい拍手が飛ぶ。今回は何とお客さんからも演奏の参加を呼びかけ
その方達は1列目で楽器を持って待機。一旦練習で音を出す。
そのままオーケストラの皆さんはステージ後方に座って出番を待つという
何とも珍妙な光景(^^;)ゞ

○近藤等則+坂田明
続いては近藤等則、勿論名前は知ってる。でもナマで見るのは初めて。
地を這うようなトランペットを鳴らす。七尾クンは叫ぶように声を出し応戦。
音がゆがみ広がる。ノイジー、でも、これがずっと続くのは一寸ツラいかも。
と思ったら坂田明が参加。フリーキーなサックスを聴かせる。
3人が次から次と技を繰り出す。音のプロレス、格闘、取っ組み合い。
でも、これって考えてみれば80年代に山下洋輔と坂田さんがやってた世界では?
若い衆は近藤さんなんて知ってるのかな?でも皆楽しそう。
そしてリズム隊が加わり客席絶叫!そう!ZAZENBOYSだ!音が暴走し出す。
そして、暗闇の中、向井秀徳が登場!

○ZAZENBOYS+近藤等則+坂田明
向井、青いシャツ、帽子のカジュアルな装い。
ナンバガがずっと聴いてたけどナマ向井は初めて見る。凄いオーラ、存在感。
ステージのエネルギーが一気にうねり出す。向井「ドッコイショ」とひたすら唄う。
七尾クン、声をモジュレーターで歪ませて応酬。向井エレキかき鳴らす!
やがてエンディングが「ラッセーら、ラッセーら、ええじゃないか」とよさこい風に。
これってナンバガの「INUZINI」でやってた奴だ。オレは狂喜\(T▽T)/
会場は狂ったように踊る。なんだ?これ?この場は?
最後は「赤とんぼ」のカバー。向井、意外と朗々とした声で歌う。
七尾クンがコーラス。当然キレイに終わるわけない。途中で爆音、マツリ状態。
七尾クン「シャッター商店街のマイルス・デイビス」を唄いだす。これ聴きたかった!
でも、歌詞をガラッと変えてる。「セシウム!オレの精神は溶解!」と叫ぶ!
なんか・・・凄いことになってる。向井エレキを鳴らし坂田さんと笑い合ってる。
近藤さんが後ろに控えていたFUKUSHIMAオーケストラのメンバーを引っ張り出し踊る。
他にいたオーケストラメンバーも前に出てきて想い想いに踊る。
自由だ、そして熱い。客席はあおり囃し立て一緒に踊る。
いやー、凄いモン見た。とんでもなかった。ZAZENBOYS、向井スゲえ。

○CHARA
七尾クンとCHARAの弾き語り対決。の筈が七尾クン照れて勝負にならない。
父親が買ったCHARAの1STアルバムを小学生(!)の時聴いてファンになったとの事。
結果、雑談&七尾クンのリクエストに応えてCHARAが歌うコーナーに変更(^_^;
ナマCHARAは初めて。へぇピアノ弾きながら唄うんだ。
意外とシンガーソングライターしてる人なんだ。で声が圧倒的。
「愛の自爆装置」や「あいのうた」を聴かせてくれた。聞惚れてしまった。
七尾クンデレデレで、てんで勝負にならない。
最後はCHARAにハグされてメロメロだったし(T▽T)

○飴屋法水
この人のこと実は知りません。2階から色んな音を出してミョーな
パフォーマンスを繰り出す。柱をハンマーで叩いたりバケツを吊り下げたり。
しまいには上からロープで降りてきて傘を差しながら客席の上を歩く。
結構危ないパフォーマンス。安全性を考えたら普段やらんだろう。
でも、そういうルールを飛び出てこそロックだしアートだと思う。

○大友良英&FUKUSHIMAオーケストラ+ピカ+坂田明
いよいよFUKUSHIMAオーケストラの登場。客席盛大な拍手。
オレも力いっぱい拍手した。何か・・胸が熱くなる。
ピカが、坂田明が、七尾クンが、そして大友さんが指揮して音が鳴り響く。
ロックでもない、アバンギャルドでもない。でも、同時にロックでアート。
オーケストラのメンバー、次第に前に出てくる。自己主張を始める。
七尾クンと坂田さんが向かい合って怒鳴りあってる。

オーケストラの鳴らす音は力強くエネルギーに満ち溢れてた。
それはかって、Coccoが沖縄で学生オーケストラとやったライブを想い出した。
プロの完璧な演奏とは違う。でも一般人の出す力と音。
それはパンクでロックでサイコーにカッコよかった。
今日、この場にいるFUKUSHIMAオーケストラはサイコーだった。
あの場にあがって、この人たちと一緒に音を鳴らしたいと思った。
オレはミュージシャンじゃないし楽器も演奏できない。でも客席で見てるのは歯がゆい。
最初呆気にとられていた客席も大友さんに煽られて拍手鳴らして声を出す。
ステージと客席で音が溢れて鳴り響く。それはかってない体験だった。

最後は七尾クン弾き語りで「帰り道」をしっとり演奏。
これも福島で見た光景を元に出来た歌。じんわりとしみてきた。

○アンコール、全員
鳴り止まぬアンコール拍手に先ずZAZENBOYSが登場!をオリジナルやるのかな?
向井静かにギター鳴らす。近藤さん、坂田明が登場。最後に七尾クン登場。
始まったのは「Rollin' Rollin'」。その瞬間、会場全体が一気に熱を帯びる。
そうか、この曲って皆にとって大切な曲なんだ。元春で言えば「アンジェリーナ」?

客席も一緒にサビを唄う。振り上げるのは拳でなくてピースマーク♪
オリジナルではやけのはらが担当するラップを向井が叫ぶ。
しかも「終わらない諸行無常、六本の狂った鋼の振動」と歌詞をアレンジ。
これナンバガでやった語りじゃん!!オレ再び狂喜~( ̄∇ ̄~)(~ ̄∇ ̄)~

途中でなんとやけのはら自身も飛び入り。AFRA+櫻井響もRYTHMを繰り出す。
うわぁ、こういうノリは今まで体験なかったなぁ。
七尾クンってこういう熱い場を造れるアーティストなんだ。見直したぜ☆
オレも若い衆に混じって叫ぶ。楽しいな。オモシロいな。で大団円。

七尾クン、最後ホント嬉しそうにゲスト、スタッフ、客席にお礼を言ってた。
「やってよかった」「次回またやる。客席全員楽器持って組手しょう!」と叫ぶ。
そう!次回はオレも何か鳴らしたい。なんか鳴り物を持ち込もう。

会場を出ると季節はずれのツリーがライトアップ。

ホント楽しかった。興味本位で行ったライブなのに暴れまくって筋肉痛の嵐。
どのミュージシャンも良かったけど矢張り向井秀徳とFUKUSHIMAオーケストラ
は素晴らしかった。FUKUSHIMAオーケストラの皆さんはきっと色んなことを
抱えてるんだろうけど、ホントにサイコーの音を聴かせてくれた。
サイコーだよ、FUKUSHIMAカッコいいぜ!ココロからそう思う。

正直ボクは福島に対して自分にどんな支援が出来るか決めかねてる。
でも、昨日のあの音を聴いたからには何かしたい。
まだ、何が出来るかワカンナイが大友さんの活動はフォローし応援したい。

色々実りの多いライブでした。にゃにゃん、行ってよかったよ♪

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