愛三産業は1938年に創業し、戦後、自動車用キャブレター関係部品を制作した。
海外の先進技術を学ぼうと、1952年に西ドイツのローマンモーター社と技術援助契約を結んだ。
アイサンスピットエンジンの重量は、わずか5KGしかなく、2サイクル25CCの小型バイクモーターである。プラグはなく、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置もない。燃料と空気の混合気を高圧縮し、温度の上昇で自然点火する仕組みになっており、燃料はガソリン、灯油、経由のいずれでも走行可能な非常にユニークなエンジン。始動と性能の安定に難があり、異常過熱による出力低下でエンジン寿命は短かった。生産台数は3000台といわれている。
愛三産業は現在の愛三工業
1938年12月:名古屋市瑞穂区に設立
軍需品の製造を目的として設立。最初の出資者が愛知県と三重県の会社だったことから、両県の頭文字を取って「愛三工業」と命名されました。
1945年10月:キャブレタなど自動車部品生産開始
当社2代目社長 石田退三(トヨタ自動車(株)、(株)豊田自動織機の社長を歴任)が工場再開に奔走。(株)豊田自動織機から自動車部品製造の事業移管を行い、工場閉鎖からわずか1ヵ月半後に生産を再開しました。
1953年11月:自転車用アイサンモータ生産、発売(~54年)
ドイツ・ローマン社と技術供与契約を締結し、自転車用エンジン「スピットAS型」の生産販売を開始しました。「可変圧縮機構」と「予混合圧縮自着火方式」をもつ”究極のエンジン”でしたが、低温時の始動性や耐久性等の課題からわずか1年で生産中止。「幻のエンジン」となりました。
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