Yoz Art Space

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「懐かし写真館」開設のお知らせ

2015-03-01 15:39:21 | お知らせ

 

 

父やぼくが、昔撮影した写真を収蔵するために

tumblr(タンブラー)に、新しいブログを開設しました。

どうぞ、ご覧ください。

懐かし写真館

 

 


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100のエッセイ・第10期・23 「ミュゼジイ」になろうか

2015-03-01 15:23:31 | 100のエッセイ・第10期

23 「ミュゼジイ」になろうか

2015.3.1



 

 あてどなくテレビの「メレンゲの気持ち」を見ていたら、篠原ともえが出ていて、あ、そういえば、この子もいろいろ多彩だったんだなあと思って見ているうちに、「篠原さんは趣味も多いんですよねえ。」のフリに、「あ、そうなんです。天体観察が好きで、昔、天文部だったんです。わたし、『宙(そら)ガール』なんです。」って答えた。あとで、彼女のブログを見ると、『星の教科書』なんて本まで出していることが分かったが、まあ、何というか、才能のある子なんだろうけど、やっぱり、なんといっても商売上手である。

 それはそれでいいのだが、この「○○ガール」っていう言い方、どうなんだろうと、この頃よく思う。つい最近、どこぞでセクハラ裁判があって、最高裁では、有罪判決が出たわけで、やはりマスコミも、「男女差別」の問題には、もう少し敏感になってもいいと思うのだが、何かというと「○○ガール」といってはもてはやす傾向が最近ますます顕著になっているばかりか、当の女性自身が、みずから「わたし、○○ガール」なんですっていう始末なのだから、どうしていいのか分からなくなってしまう。

 まあ、ぼくが、どうしていいか分からなくなる必要などこれっぽちもないけれど、たとえば「宙ガール」という言葉の背後には、天体観測は本来男の趣味である、という暗黙の了解というか認知というか、そういったものがあるわけである。それなのに、「女であるにもかかわらず天体観測が好き」という意味で、「宙ガール」という言葉が生じるのだ。そんなメンドウなことじゃないよ、ただ、そう言ってるだけでしょ、っていうムキもあるだろうが、少なくともぼくはそう感じる。

 納得いかないという人は、それじゃあ、最近はやりの言葉「イクメン」を考えてみればよい。この言葉に背後には、育児は女の仕事という暗黙の了解なしには成り立たない。「イクガール」とか「イクレディ」なんて言葉がこれから先に出てこない保証はないけれど、今のところはない。本来女がやるべきと世間では思われている育児をする男だからわざわざ「イクメン」といって珍しがったりするわけだ。

 だから、やっぱりこれらの言葉は、ジェンダー(性別に基づいて社会的に要求される役割などの性の違い)と深くかかわっているのだ。

 小保方さんが脚光を浴びたときには「リケジョ」という言葉が頻繁に使われた。これも、「理系=男」という了解があってこそ使われる言葉だ。「リケボーイ」なんて聞いたことがない。しかし、それにしては、いまだに「女流文学」という言い方が消滅していないのは不思議なことだ。(最近はあまり聞かなくなったような気もするが。)

 マスコミも話題がないから、というか、話題にしたくても(したいのか?)するとオソロシイことだらけだから、どうでもいいことでお茶を濁したい、それには「○○ガール」なんてことを言っていれば、女子は人口の半分以上いるのだから、話題にはことかかないということなのだろう。ほっとけばいいのだろうが、何しろ、このエッセイも、ネタ不足なのである。マスコミを笑えない。

 篠原ともえは、それ以外にも、お寺を回って、御朱印を集めるのが趣味だという。集印張を何冊も持っているらしい。それを聞いて、そうか、オレは相当お寺は回ったけど、一回も御朱印を集めようとは思わなかったなあと思った。コレクターとしての資質は十分過ぎるほど持っているのに、そして奈良や京都の仏像やら庭やらを巡ることが何より好きなのに、どうして御朱印を集めなかったんだろう。不思議なことである。

 ハンコもすごく好きだし、スタンプも好き。今では筆文字もヒジョウに好きときている。それなら、御朱印を集めるのは、ぼくには最も相応しい趣味ではないかというところだが、いっこうにその気にならない。そういえば、駅のスタンプもいくつか押したことはあるが、集めたことはない。実はコレクターの資質に欠けているのかもしれない。

 テレビを見終わって、コタツに入って寝て、しばらくしたら、そうだ、全国の美術館をできるだけ多く回る、という目標をたててみようかとふと思った。いつか、どこかで、日本は世界でも珍しいくらい美術館の多い国だということを聞いたことを、そのとき、突然思い出したからである。なんでも1000館以上もあるらしい。そんなの、とてもじゃないけど生あるうちに回りきれるものではないが、せめて、関東圏だけでも、まわってみたいものだ。そういう人間をねらって、全国の美術館が共謀、いや、協同して、「美術館スタンプ」なんてのを作ったら面白いだろうなあとも思った。

 「アートガール」なんて聞いたことがないが、「ミュゼジイ」とかいって、全国のジイサンが美術館をウロウロするようになれば(バアサンは「ミュゼバア」なんて言わなくてもあふれている。)、閑散とした美術館にも、少しは活気がでようというものである。


 


 

★蔵出しエッセイ かつら疑惑


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