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一日一書 526 木曽の情・芭蕉

2015-03-09 17:10:12 | 一日一書

 

芭蕉

 

木曽の情雪や生えぬく春の草

 

半紙

 

 

一昨日の「嶋中道則最終講義」で

嶋中先生が、黒板に書いて紹介していた芭蕉の句です。

 

元禄4年1月。義仲寺の草庵で詠んだ句。

 

「あの木曽の山中に雌伏して、ついに兵を起こし、

平氏の天下を覆した木曽義仲の心意気なのであろう。

春の草が雪にも負けず芽を出して生い出ているよ。」

という意味。(「日本古典文学全集」小学館)による。

 

実は、この句をぼくはあの講義で初めて知ったのでした。

義仲寺には、芭蕉の墓もあり、そこをずいぶん前に訪ねたこともあるのですが

芭蕉が木曽義仲に共感を寄せていたことに注意を払わなかった。

ぼくは「義仲の最期」が好きでたまらないのに

なんだかボンヤリしていたのです。

嶋中先生の講義で、

芭蕉が深く義仲に思いを寄せていたことを、はっきりと認識しました。

「学問」というものは

ものごとを

「何となく知っている」ではなくて、「はっきりと認識する」

ためにあるのかもしれません。

 

この句を書きながら

嶋中先生は、この「心意気」で今まで生きてきて

そして、最終講義でも、この「心意気」を伝えたかったのではないか。

これからの自分の人生に、「春の草」の力強い芽生えを重ねていたのではないかと

ふと思ったのでした。

 

嶋中先生の板書の写真をもう一度アップで。

 

 


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