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一日一書 783 かなしみに(コラ書)・名取里美

2016-01-14 14:59:46 | 一日一書

 

かなしみて臘梅の香につきあたり

 

名取里美

 

 

この句には、「悼 山口青邨先生」との「詞書」があります。

山口青邨先生は、名取さんの師。

師を失った悲しみの中で、臘梅(ロウバイ)の気高い香りにハッとさせられる。

師への思いが、臘梅の香りの中に、広がり、また凝縮する。

その緊張感が「つきあたり」の5文字によく出ています。

特に「つ・き」の音の厳しさが印象的です。

俳句は「一瞬」を詠む詩でしょうが、

この句には、その「一瞬」の中にある精神・感情の動きが、

見事に表現されています。

 

 

久しぶりに「コラ書」の原点である

写真とのコラボです。

 

 

 

 

 


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