かなしみて臘梅の香につきあたり
名取里美
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臘梅の写真を年末にたくさん撮ったので、もう1点作成しました。
字も新しく書いています。
臘梅を詠んだ句は、「最新俳句歳時記 冬」山本健吉編・1971には
以下の6句が採録されています。
臘梅や雪うち透かす枝のたけ 龍之介
臘梅のつやを映しぬ薄氷 龍雨
臘梅のかをりやひとの家につかれ 多佳子
臘梅の咲いてゐるなり煤の宿 羽公
臘梅や時計にとほき炬燵の間 とみ子
臘梅の咲きうつむくを勢いとす 爽雨
いずれも、名取さんの句を読んだ後では平凡に感じられます。
写生に終わっているか、あるいは分かりにくいかのどちらか。
中では龍雨の透明なイメージに惹かれますが
名取さんの句の内面性にはかないません。
ちなみに、この6句のどれをとっても
この写真とのコラボには向きません。
爽雨の句以外は、みな、「臘梅以外」のもの、が入っていて
臘梅のイメージに集中できないからです。