ぼたん散ってうち重りぬ二三片
蕪村
半切四分の一
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「ぼたん」は、夏の季語ですが、「冬ぼたん」というのもありますから。
単なる写生の句のようにみえて、
何ともいえないエロチシズムがあるように感じます。
それは「ぼたん」の花の豊満さからくるのか、
「ぼたん」という音の、ぼってり感にあるのか、
はたまた、二、三片の花びらが「重なっている」感じから来るのか。
いずれにしても、ぼくだけの妄想でしょうか。
「ぼたん散りて」としている本もあります。
たぶん「ちりて」が元だと思います。