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一日一書 790 にはとりの・名取里美

2016-01-22 16:26:55 | 一日一書

 

にはとりの踏む春泥の光かな

 

名取里美

 

半紙

 

 

 

「春泥」とは、春のぬかるみのこと。

「凍解(いてどけ)・雪解・春雨などのため泥濘もはげしく、季節情趣も豊かである。」

と『最新俳句歳時記・春』にあります。

 

その春泥を歩くニワトリの脚によって飛び散る水の輝きを捉えた句。

ニワトリの生命力と、飛び散る光と、「春泥」の語によって喚起される春の情緒とがあいまって

一読、忘れがたい印象を残す句です。

非常にシャープな映像で、しかも激しい動きを感じさせる近代的な句。

傑作です。

 

 

 


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