きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

シルヴィ・ギエム最後の「ボレロ」Aプロ

2005年11月18日 | バレエ・ダンス
「ギリシャの踊り」
最初と終わりは「日本の海」だけど、
それ以外は「地中海」になってきましたよ!

ソロは中島君
最初のジャンプは、重力を振り切るようで
なかなか良かった。
その後は、舞台に一人でいるときは良いんだけど
真ん中で踊るときが、
ただその場所にいるだけみたいな雰囲気。
もう少し、「周囲を従える(統括する)」って
雰囲気が出るといいなあ。
2人の若者は大嶋-古川
いい並びだ。
2人とも、こういう健康的な踊りの方が似合う。
明るい地中海の太陽の下で踊っているみたいだった。
パ・ド・ドゥは吉岡&平野
踊り慣れ、ちょっとコケティッシュ、じゃないか、
なんて言うんだろう、いたずらっ子のような女性?
そんな雰囲気が漂う美佳ちゃんに対し、
平野君はついて行くのが精一杯。
まあ、それもいいかね。
ハサピコは井脇&木村
この2人も良い並びだ。
身体的なバランスもいいし、
ちょっと硬質な踊りも似ていて
まとまりが良い。
木村さんは手足がキレイに伸びている。
井脇さんは男性を従えた月の女王みたい。
パ・ド・セットで印象に残ったのは
小出さんですね。柔らかく的確な動き。

男性だけの群舞、女性だけの群舞も
「外国の祭り」風になってきたと思います。


「小さな死」マッシム・ムッル&シルヴィ・ギエム
すごく下品な例えです。
本人達が、ではなく、
あくまでも踊りから見える「男」と「女」の話です。

ダンサーが違うと、同じ振付でも
こんなに違う作品になるのか、と思いました。
オーレリ&ルグリは、
性的な経験があまりない若い女性が
男性が追い上げてくれるのを
足を開いて待っているイメージです。
処女ではないけれどウブな若い女性が
男性主導で絶頂に引き上げられていくような。
ギエム&ムッルは、お互いが能動的に、
絶頂に向かってむさぼりあっているようなイメージ。
これはこれで面白いんだけど、
野生動物の営みのようなカンジで
エロさは無かったな。
動物の本能みたいなもんで。
「小さな死」の瞬間を迎えることなんかあるのかな?
止まることなく、エンドレスな気がする。
そういった意味では「大いなる生」ってカンジっす。
 
 
「ドン・ジョバンニ」
何気に女性陣が充実している?
佐野さん、祐子ちゃん、遠藤さんなどが抜けても
なんとかなっているよ。
小出さん、長谷川さんも良いけど、
由賀子さんが、すっごくイイ!
肩をグリグリするところとか好きだわ~。
笑顔も踊りも、オペラグラス無しでも
十分に3階席まで届きますよ~。
いい動きだな~。
吉岡さん、井脇さんも言うこと無し。
高村さんは可愛らしいんだけど
見慣れた人から比べると、ちょっと細いね(笑)
吉川さんのシルフィードがメチャクチャ可愛い!
フワフワ浮かぶ妖精さんでした。
ただ、オチがな~~。
男の人がアッサリ過ぎる。
「???なんだ???このお嬢ちゃん達は???」
って雰囲気が全然無く、
ただ歩いて通り過ぎるだけなんで
オチが弱い。ってか、すごくわかりづらい。
ダンサーが良かっただけに残念。
 
 
「ボレロ」シルヴィ・ギエム
「小さな死」より、「女性らしさ」を感じました。
今回は、アマテラスかなあ。
固有名詞だとイメージがちょっと違うか。
太陽神の女神みたいなカンジです。
地平線から、だんだん太陽が昇っていくイメージ。
人々の求め・願いに対し、
光と暖かさを届ける女神です。
求める人がだんだん増えていくんだけど、
過不足無く、ちゃんと確実に答えている。
結果的に、地上全てに、彼女の光と暖かさが行き渡る、
みたいに思いました。
暖かさは、春の日差し系で、
夏の日差しや、炎の熱さではありません。
荒々しさはないけれど、こういうのもアリかな、と。
カーテンコールでは、あと3回ぐらい踊れそうな
余裕な表情でした。
ツアー終盤になったら、どこか変わるかな?

今回のリズムは
木村-平野-古川-大嶋

飯田さんが抜けたんで、
リズム(の立ち位置など)の確認作業が
とってもシンドイ。
最初の並びも、飯田さんがいれば
彼の頭部を目安に除外して
あと3人を見分けるだけですんだのに、
今回は4人の見分けをしなきゃならんのです。
途中も、
 飯田さんがここにいるからには
 他の3人はこの辺
という判別方法が使えないので
気を抜くと誰が何処にいるのか
わからなくなります。
そのため、「リズムは皆おなじ」って
見方ができたので、それはそれでいいのかな?
逆に、人種・肌の色のバリエーション豊富なリズムが
ちょっと見たくなったりして。
コメント
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