終戦の日から数えて約2週間様々な経緯を経て、吾が陸軍士官学校も復員となった。感慨無量で近々招集になると信じていた。新鹿沢から鳥居峠を越えて上田、そして鴻巣を経て自宅へひっそりと帰宅した。両親に言う言葉は無かったような気がする。終戦のあの悲愴な国内外の状況から、暫く自室に蟄居していた様な気がしている。あれから正に71年。歯科医師となり次いで医師ともなって、医学部教授を終えて短大学長から今は医療技術専門校の学院長を終了、今も理事長を現任している。憶えば臥薪嘗胆して、よくぞ頑張って来たものだ!と、自らを自認している次第である。懐古するに、陸士の意気込みとプライドとが今日を招来したものと思われる。あらゆる役職を退いて、来年後半からは、國内外の情勢が、複雑怪奇乍ら、余生を平坦にゆくりなく、そして恙無く家族と共に過ごそうと思う。家内は定期検診で息子が教授をしている大学病院へ、孫と連れ立って早朝に出掛けた。今夜から明日に掛けて、強大な台風が関東を襲うらしい。私も早めに登学して、所管事項を処理して大雨や大風に見舞われないうちに帰宅したいと思う。