「夏は来ぬ」は、我々時代の懐かしい抒情詩が直ぐさま目に浮かび、歌のすべてが表現できるのである。自然と人の心が爽やかに交流して、いま季節感を最高に高揚して呉れて居る。懐かしく元気が出る小学唱歌でもある。“卯の花、ホトトギス、楝散る窓辺、水鶏鳴き、夕月涼しき、夏は来ぬ“、などなど。季節地自然の移り変わりがこよなく順次混ざり合って、人生の抒情詩を美しく自然に醸成して居る。”五月雨の注ぐ山田に、水鶏鳴き、蛍飛び交い、忍び音漏らす、夏はきぬ“。なのである。世間では躑躅が終えて、いよいよ皐月の出番が回ってくることであろう。家々の植栽も季節の移り変わりと共に推移して、自然と人生が奇妙に交錯して叙情を醸し出して居る。今朝ももう、綺麗でさわやかな五月晴れである。